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商品説明
白洲流「百人一首の読み方・遊び方」を、著者旧蔵の美しいかるたと共に紹介。季節や時代背景、さらに詠み人同士の人間関係などから、百人一首を自在かつ軽やかに読み解く。カラー図版から王朝の華やぎが伝わる愛蔵版。【「TRC MARC」の商品解説】
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何だかよくわからないけれど、有名な出版社や国営放送が褒めるんだから偉いんだろうなあ、なんて未だに思い込むんですよ、日本人。何故か偉い人になってしまった白州も、此処では謙虚です
2006/04/01 21:15
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:みーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
口絵は著者旧蔵の百人一首歌かるた(元禄時代)、撮影・広瀬達郎。装幀は新潮社装幀室。昭和51年12月に新潮選書として書き下ろされ、その後、新潮文庫に入り、その文庫版を底本とした愛蔵版だそうです。旧版のデザインは知りませんが、少なくともこの本に関して言えば、確かに愛蔵版にふさわしい金色と黒を上手く扱ったカバーです。豪華本、ではないというところも折り目正しいですね。
で、構成ですが、巻頭に注にもある著者旧蔵の百人一首歌かるた(元禄時代)の写真があって、次に目次、「六十の手習い 序にかえて」があって、あとは、一 天智天皇 秋の田の、二 持統天皇 春すぎて、三 柿本人丸 あし引の、以下九十九 後鳥羽院 人もをし、百 順徳院 百敷や、と百首並んで、あとがき、作者索引、百首索引、参考系図となっています。
で、序に「六十の手習いとは、六十歳に達して、新しくものごとをはじめることではない。若いときから手がけてきたことを、老年になって、最初からやり直すことをいうのだと。」とあるように、その年齢になった著者が、数年前に京都の骨董屋でみつけたかるたを眺めながら、幼いときから親しんだそれらの一首一首をあらためて味わおうというものです。
正直、今の白州正子、次郎ブームっていうのはマスコミが仕掛けてるな、っていう気がするんですね。森茉莉なんかもそうですが、ごく一部の人たちが極めてスノッブな感じで崇め奉っちゃう。それにマスコミが便乗して、なんだか褒めておかないと知識人、セレブじゃない、みたいなムードを作っちゃう。
これって完全に操作なんですね。天皇制擁護とまったく同列。根拠もなんにもありゃしませんよ、要するにムードだけ。だから、真面目に読んだ人間は結構失望します。私の知人なんかも、白州正子という名前だけ知っていて、実作を読んでこなかった、というので、いざ、と読んでみたらちっとも面白くなかった、そういってます。
私も、同感だからよほどのことがない限り読まないできました。でも百人一首でしょ。娘二人にも読ませたいな、って思うんですね。私だって百人一首、殆ど知らないし。これを機に、楽しむことが出来るようになったらいいかな、なんて。白州だから、じゃなくて、百人一首だから手にしました。
読んで、悪くないな、とおもいました。まず、白州に「私はプロだから」っていう驕りがありません。むしろこの世界については素人ですから、とちゃんと断っている。だから、深い分析をすることはありません。ある意味、印象批評。白州じゃなかったら本にしてくれなかったんじゃないか、そんな気がしますが、それゆえに親しみやすい。
古典を扱う人間は、それだけで「天皇さま、天皇さま」って言いかねないんですが、この本に限って言えば、白州は極めてニュートラルで、皇室むきの発言はほとんどありません。ま、チラチラ仄見える、っていう感じで、それが厭らしくない。ただし、これで百人一首が好きになるか、っていうと、?ですね。
むしろ「六十の手習い」ではないですが、今までもそれに親しんできた人が、「私ももう一度読みなおしてみよう」って思う、そういう内容だと思います。文学者が屁理屈こね回すわけじゃあない分、親しみやすいけれど、深みはない。それって白州の全作品にいえることじゃあないかな、要するに偉大なアマチュア。マスコミの操作にのらず冷静になってみませんか、皆さん・・・