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  • カテゴリ:一般
  • 発行年月:2005.11
  • 出版社: 講談社
  • サイズ:20cm/562p 図版16p
  • 利用対象:一般
  • ISBN:4-06-206846-X

紙の本

マオ 誰も知らなかった毛沢東 上

著者 ユン・チアン (著),ジョン・ハリデイ (著),土屋 京子 (訳)

建国の英雄か、恐怖の独裁者か。新たな資料と証言で明かされた驚くべき真実。権謀術数渦巻く20世紀中国を、「ワイルド・スワン」の著者が圧倒的な筆致で描いた歴史巨編・上巻。〔「...

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マオ 誰も知らなかった毛沢東 上

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商品説明

建国の英雄か、恐怖の独裁者か。新たな資料と証言で明かされた驚くべき真実。権謀術数渦巻く20世紀中国を、「ワイルド・スワン」の著者が圧倒的な筆致で描いた歴史巨編・上巻。〔「真説毛沢東」(講談社+α文庫 2016年刊)に改題改訂〕【「TRC MARC」の商品解説】

著者紹介

ユン・チアン

略歴
〈ユン・チアン〉1952年中国・四川省生まれ。「ワイルド・スワン」で各種文学賞を受賞。
〈ジョン・ハリデイ〉ロンドン大学キングス・カレッジ前上級客員特別研究員。著書に「パゾリーニとの対話」など。

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みんなのレビュー31件

みんなの評価4.2

評価内訳

紙の本

マオ

2006/04/15 22:08

12人中、12人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ネモ船長 - この投稿者のレビュー一覧を見る

本の内容は、マオ(毛沢東)の残忍で、自己中心的な生き方をつづり、それを非難しているもののように思える。
しかし、よくよく考えてみると、恐ろしいのは、マオの生き方が否定されていないことである。確かに、現中華人民共和国政府は、マオの後継者として、マオを神聖視(一部間違いがあったことは認めても)している。これは、後継政権が利用するためと私は思っていたが、それだけではないことに、本書により気がつかされた。マオが一次失脚したり、最終的に(マオに比較すると正義の味方のように思える)鄧小平が背くのも、マオのやり方を”間違っている”と考えたからと言うより、”ひどすぎる”と考えたと言う方が正しいと感じられた。事実、本書を通じて、政権担当者(少なくとも中国共産党政権は)は、マオの権力維持等の方法自体を否定してはいない。権力の対立者としてか、あまりにひどすぎる(劉少奇等)からと対立しているのである。つまり、恐怖による権力維持など政権運営の基本的考えは、政権側の人間は誰も否定していないのである。もう昔話のようになった「天安門事件」、最近起こった「反日デモ」、外交官の謀略行為に抗しての自殺、一部中国進出企業の悲惨な結果等々、その官制謀略を言われながら、日本のマスコミや一部政治家は素知らぬふりをしてきれい事を並べ立てるが、実態はそんなものでないことをはっきり感じさせられた。尖閣諸島や海洋資源問題等あんな甘っちょろいきれい事では、日本は食い物にされ、ずたずたにされるだけである。戦前の日本において、侵略国家という見方もあるが、必死に国の独立を守ろうとしたと言う味方もあるが、今はその方が正しい味方ではと思えるようになった。同様の政権運営をしている北朝鮮に対する拉致問題や核問題等も同様に全力で高じなければ、日本の将来は危ういであろう。

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紙の本

毛沢東の血塗られた闘争史−本書から何を学ぶか

2006/05/08 16:50

9人中、9人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:としりん - この投稿者のレビュー一覧を見る

 本書の参考文献類は、巻末などには記載されておらず、講談社ホームページ上で公開されている。ホームページを確認して、その資料の膨大なことに驚かされた。これほど膨大な資料では本書の記載から省かれているわけだ。さらに、著者によれば、本書を執筆するために数百人に及ぶ関係者へのインタビューなど、十余年にわたる調査によって書き上げたという。
 本書については、その衝撃的内容から、どこまで事実なのか疑問、と訝る声も一部にあるようだ。しかしながら、著者は事実関係について相当な自信を持っていることがうかがえられる。
 1928年に日本軍が起こしたとされる張作霖爆殺事件について、ソ連情報機関の資料から、スターリンの命令に基づいてエイティンゴンなる人物が計画し日本軍の仕業に見せかけたものだという。(P301)
 この事件については、月刊「正論」4月号でロシアの歴史家プロホロフ氏も、スターリンの命令で実行されて一度は失敗したものの二度目に暗殺に成功したとして、張作霖爆殺の経緯を詳しく語っている。極めて注目される研究成果だ。
 もちろん、これをもって事件の真相だと断言することはできない。真相は専門家による今後さらなる研究に委ねられるだろう。
 また本書は、日中戦争(支那事変)を拡大させたのもスターリンの謀略だったとしている。
「大東亜戦争とスターリンの謀略」(三田村武夫著、自由選書)という書がある。戦後まもなく出版されたものの、GHQによって発禁処分とされ、近年復刊されたものである。岸信介元首相や元読売新聞社長、元最高裁長官ら、有識者の書評も載せられており、決してガセネタではないと主張しているかのようだ。GHQによる発禁処分という事実こそが、内容の信憑性を物語っているとも考えられる。是非、本書と併せ読みたい書である。
 そもそも、現在私たちが知る昭和史は、あくまで暫定的なものであることを認識すべきだろう。未公開の資料も少なくなく、南京事件のように論争中の事件もあり、研究しつくされているとは言い難いからである。今後新たな資料の発掘や研究の進展によって、昭和史は大幅に書き換えられる可能性がある。
 尚、南京事件(大虐殺)について本書では、毛沢東は当時もその後も事件そのものについて一度も言及していないとしている。そうした事実からは、南京大虐殺なる事件の本質が見えてくるようだ。
 それにつけても、学校で学んだり一般に信じられている昭和史を絶対不変の真実のように考えて、それと異なる見方に対して、「恥知らず!」「過去の正当化!」などと声高に(狂ったように!)非難する人もいる。そういう人たちは歴史というものを理解していないのではないか。史実が覆る例はいくらでもあるのだ。
 もっとも、外国人のユン・チアン氏やプロホロフ氏に対して、「恥知らず!」などと非難する人はいないかもしれないが・・・。主張するのが日本人と外国人とで、受け手の受け止め方が違うのも困ったことだ!
 さて、本論に戻ろう。
 本書は毛沢東の権力闘争を明らかにする。上巻は、蒋介石国民党との抗争に勝利し、中国大陸の覇権を握るまでを描く。
 自己の野心を実現するため、拷問と虐殺、残虐行為の数々。血塗られた過去を隠蔽するための情報工作。策略と詐術、権謀術数のオンパレード。
 自軍の将兵すらも平気で殺戮する。日本軍と極秘で協力し国民党を撃つ。「長征」と呼ばれる逃避行の過程も興味深い。さらに、国民党内部における共産スパイの活躍・・・・・。
 毛沢東の勝利は、共産スパイも含めて、策略と情報工作の勝利と言えるのではないだろうか。
 ブッシュ大統領も衝撃をもって読んだという注目の書である。

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紙の本

張作霖爆殺事件の真実

2008/03/15 15:49

9人中、8人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:CAM - この投稿者のレビュー一覧を見る

 日本語版は2005年11月の刊行であり、刊行当時はかなりの話題を呼んだ書物であったと思う。本欄にも何人かの方が有益な書評を寄せられている。

 「訳者あとがき」にもあるように(訳者土屋京子氏によるものは何冊か読んでいるが、極めて優秀な翻訳者だと思う)、ショッキングな本である。それも少々の驚きではなく、呆然とするような衝撃だ。本書の全編が、いままで伝えられてきた毛沢東像のみならず、中国近現代史の共通認識まで問い直しかねない、ショッキングな暴露の連続である。

 全編にわたって、話題を呼び論議をおこすような内容で満ちているのだが、一部で特に注目されたのは、日本語版上の301頁において、「張作霖爆殺は一般的には日本軍が実行したとされているが、ソ連諜報機関の資料から最近明らかになったところによると、実際にはスターリンの命令にもとづいてナウム・エイティンゴン(のちにトロッキー暗殺に関与した人物)が計画し、日本軍の仕業に見せかけたものだという。」と書かれていることであったと思う。英国版では ”This assassination is generally attributed to the Japanese, but Russian intelligence sources have recently claimed that it was in fact organized, on Stalin’s orders, by the man later responsible for the death of Trotsky, Naum Eitingon, and dressed up as the work of Japanese.” (p.181) となっている。

 この書評を、今になって書いたのは、昨日(3月14日)の日経新聞夕刊に、防衛大学校長・五百旗真氏が、「この国の転落」と題する小論で、「・・・・近代日本文明はどこからおかしくなったか。私は、1928年の張作霖爆殺事件からだと思う。・・・・・それを陸軍が『皇軍の名誉』のため隠し、日本政府が処罰できなかったことが、死に至る病を招いた。 ・・・・・」と書かれているからである。 五百旗氏は、本書『マオ』の記述をご存知ないとは思えないので、このユン・チアン氏による記述は真実ではないという確信・確証を持たれているのだろうか?

 本書の英国版の刊行は、2005年6月であった。 Economist誌で話題を呼んでいることを知り、かつ米国版が同年秋の予定だと聞き、Amazon.UKへ発注して、814頁から成る英国版を入手した。ところが、中国の人名、地名の英語表記についていけずに通読を中途で投げ出していたところ、日本語版の刊行が意外に早かったので、早速上下巻を購入して読んだものである。これを機会に、英語版を含めてじっくりと再読したいものと思っている。

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紙の本

毛沢東について

2008/12/04 01:23

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:読み人 - この投稿者のレビュー一覧を見る

「ワイルド・スワン」のユン・チアンが毛沢東について書いたと聞いて
本書は、ずーっと注目していました。 
 それに、中国の近現代史も知りたいこといっぱいだったし。
(特にアメリカから援助まで受けていた蒋介石の国民党が、共産党に内戦で負けた理由は
 知りたかったので
 (実は、この辺は、もう既にわかっていまして、福田和也によると
 「失敗したアメリカの中国外交」と言う本で援蒋ルートのあたっていたアメリカの一将校が、
  蒋介石は、ほんとにダメだ、と泣きの電文を何度も本国(アメリカ)に送っていたそうです))

 読む前から、酷いんだろうなぁとある程度は思っていたけど、
正直ここまでとは、、。民衆というか、民草たちは、それこそ、虫けらの如く死んでいきます。
最初は、このころ中国は、三国志なんかでいうところの乱世なので
しょうがないのではないかと割り切ろうと思っていたけど、後半はそう簡単に言い切れません。
 後半は、司馬さんが、秦の始皇帝のことをある意味国家としての実験と表現していたけど、
共産主義という国家的実験場に民衆は放り込まれただけです。
 本書によれば、毛沢東が中国という大国で権力を握れたの酷薄だったからの一言に尽きます。
↑で挙げた、中国内戦の国民党敗北の理由も蒋介石ですら、
部下への私情で敗北の道を歩んだことになっています。
 そして、権力集中マシーンとしてのいや、巨大な暴力装置としての共産主義が
ユン・チアン、J・ハリデイの手によってどんどん描かれていきます。

 本書の一番の特徴は、この二人の共著というスタイルでして
ユン・チアンの夫君であるソビエトの研究家だったJ・ハリデイによる新事実が
一つのキー・ファクターとなっています。
 つまり、ソ連サイドの新資料からみた、中国共産党史です。
 ただ、これも、最初から、毛沢東を告発する目的で書かれている感もあり、
なにを信じていいやらという気も若干します。
 そう思わせる、一番の原因は、西安事件での張学良の蒋介石拉致の動機のところ。
張作霖爆殺からの、日本への私怨で国共合作を促したと理解していましたが、
本書によると張作霖爆殺もソビエト工作員によって行われたことになっているし
(河本大作は、どうなるの?)
張学良は、ただ、ギャンブルとしてある意味クーデターとして蒋介石を拉致したことになっています。
 それに続く、上海事変もソビエト工作員によって引き起こされたと
ソ連にとっては、中国と日本が戦うことが、自身の安全保障上好ましく、又、中国共産党にとっても
そうだったと、なっています。
 これが、事実だと、歴史の書き換え、真事実による新説となるのですが、
これによって、ちょっと信じ難いという気にもなって来ます。
まぁ、もろ刃の刃(やいば)です。

 ただ、本書は、500ページの上下本。
しかも、日本語版は、注釈をカットしてこの長さというもので、
正に大作。しかも、乱世の権力物としては、大変にスリリングで読み物としては、興味が尽きません。
 まぁ、いろんな意味で読む価値ありの一冊です。

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紙の本

独裁者とは

2024/02/21 18:38

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:もそ - この投稿者のレビュー一覧を見る

毛沢東や中国に何の興味がなくても読んでほしい。

一人の人間に独裁を許すと、
どれほど甚大な害を人々に及ぼすのかを。

それは中国だから起きたのではない。
誰もが自分を守ることばかりにおびえ、
疑心暗鬼から周りの人間を信じられないから協力して立ち向かわず、
独裁者を放置したがゆえの結果なのだ。

つまり自分たちも同じことが起こりうるということ。
だからこそ皆さんに読んで考えてほしい。

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紙の本

次々と明らかにされる毛沢東の秘められた過去!どこまで歴史的な事実なのか?

2006/01/15 11:13

9人中、8人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ブルース - この投稿者のレビュー一覧を見る

本書は、最近公開されたロシアアーカイブス、中国共産党文書、当事者の証言・著作、関係者の広範なインタビュー、その他膨大な資料・研究書などを基にして書かれた毛沢東の評伝である。
毛沢東の伝記や評伝はそれこそ星の数ほど刊行されているが、本書はその中にあってかなりの異色を放っている。それは、単にその誕生から死までを克明に辿っているだけではなく、驚くような「事実」が次々に「明らかに」されているからである。実際、その「事実」は息を呑むほどのインパクトに満ちている。
例えば、毛沢東は救国の英雄とされているが、実際は、日中戦争下において共産党軍の勢力温存のためにできるだけ日本軍とは戦わないようにして、日本軍と交戦したのは主に国民党軍であったとしている。その一方、毛沢東は共産党内のライバルが率いる新四軍の勢力を削ぐ為に無謀な戦いに駆り立て壊滅的な被害に会わせている。また、「農村部から都市を包囲する」という独創的な戦略を打ち出したのは毛沢東ということになっているが、実際には劉小奇(後に文化大革命によって粛清される運命にある)であったという。
この他にも、上巻では国民党の関係、延安整風運動、下巻では超大国政策、戦後の中ソの確執、朝鮮戦争、故参党員との激烈な権力闘争、苛烈な民衆抑圧などの実情が明らかにされている。
いずれも、確かな資料・史料を著者なりに咀嚼して書かれているようだが、記述の信憑性という点ではかなり疑問が残ることもはっきり指摘しておかなくはならないであろう。冒頭から感じられることであるが、著者の姿勢は毛沢東にかなり批判的である。それは、単に政治手法に止まらず、その性格・性向・嗜好・日常生活にいたるまでに批判の目が向けられている。
著者の張戒(ユン・チアン)は、今から15年前に、文化大革命によって悲惨な青春時代を余儀なくされた自らの体験をもとに書いた小説『ワイルドスワン』によって一躍世に知られた作家である。そのような経験を持つだけあって、著者は毛沢東にかなりの予断を持っていると思われる。そのような予断は、毛の青春時代を描いている章から早くも窺える。著者は、毛は生来のサディストで人が血を流し恐怖に震え苦しむのを楽しむ性癖があったとしているが、若き日の行状からここまでのことを導き出すには無理があるように思われる。
さらに言えば、所々に本書の信頼性を損いかねない記述が散見されるのも気にかかるところである。例えば、満州事変を引き起こそうと関東軍が行った張作霖暴殺事件について、著者はロシア側の策謀であったとしている。これは、実行した日本の軍人の氏名も明らかにされて歴史学的に決着がついており、いくらロシア機密文書から反証できると言われてもにわかに信じられない話である。
しかし、著者が「明らか」したとする毛沢東の一連の知られざる影の部分が全くの作り話で、誹謗中傷の域に止まっているかと言えば、そうとも言えないところがあるのもまた確かなのである。
実際、毛沢東は底知れぬ恐ろしさを秘めていた人物で、それは苦楽を共にしてきた古参革命同志たちであっても邪魔になれば容赦なく粛清し、大躍進政策・反右派闘争・文化大革命などで民衆を塗炭の苦しみに陥れても平然としていた後年の行状からははっきり窺える。
このようなやり方は、建国以後に突如生まれたものではなく、著者が「明らかにした」ようにそれ以前からあったとする方がことの真相を掴んでいるのかもしれない。いずれにしても、本書で「明らか」にされた事がらは、今後の歴史家の厳密な検証を経なくてはならないであろう。

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北京オリンピックも無事終わり、ひと安心

2008/09/27 20:30

6人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:龍. - この投稿者のレビュー一覧を見る

北京オリンピックも無事終わり、ひと安心。現代中国の祖といえば、この人。

毛沢東。

個人的には、あまり好きな政治家ではありません。文化大革命など、血なまぐさい政治を行ってきたという印象があります。

その印象通り、本書では毛沢東の知られざる素顔を克明に描いています。作者は、「ワイルド・スワン」のユン・チアン。

第一部
「信念のあやふやな男」から
第四部
「中国の覇者へ」まで
が上巻の内容です。

サクセスストーリというにはあまりに卑怯。

共産主義は権力が極端に集中する政治体制だとは知っていたのですが、本書を読むと「一番以外は常に抹殺される危険がある」ということがわかります。

ですから、毛沢東も一番になるため、なりふり構わず行動します。嘘、裏切りは当たり前。だまされる方が悪いという価値観。

でも、この傾向って現代中国人も一部受け継いでいるのでは??

そういう意味では、中国を体現しているのが「毛沢東」だったといえそうです。

http://blog.livedoor.jp/c12484000/

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2005/11/23 05:25

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