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博士の愛した数式  新潮文庫

博士の愛した数式(新潮社) 小川 洋子著
税込価格: ¥460 (本体 : ¥438)
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出版 : 新潮社
サイズ : 16cm / 291p
ISBN : 4-10-121523-5
発行年月 : 2005.12
利用対象 : 一般

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コメント・書評

この「博士の愛した数式」は、「…
トグサ
2012/01/30 09:14:46
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★★★★★

この「博士の愛した数式」は、「本の雑誌」が主催する書店員が選ぶその年のベスト10のグランプリに当たる本屋大賞を1昨年受賞しています。この「博士の愛する数式」あたりだろうかエンターテイメント小説に数学が扱われることが一つのトレンドみたいになったのは。直木賞を受賞した(祝!おめでとう!)東野圭吾さんの「容疑者Xの献身」の重要人物にも数学者が登場します。この「博士の愛した数式」の主人公の一人も数学者です。<感想>僕はこの「博士の愛した数式」を読んで久々にほのぼのとした気持ちにさせられ心が洗われました。それは、博士の持っている人柄、会う度に靴のサイズと電話番号を聞かれながらも、それに丁寧に答える私の優…  全文読む 評価する

愛すべき「数学者」と、そこにある「静かな」空間
のちもち
2012/01/08 11:21:28
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★★★★★

数字を愛する、数字にしか興味を示さない老数学者と、そこに勤務する家政婦、その息子。登場人物は少なく、「語り手」の家政婦ではなく、数学者が主役のストーリー。事故により「80分」しか記憶が残らない数学者。そこに派遣された、息子を持つ30前の家政婦。特殊な環境は「文学的」ともいえる設定で、「不自然さ」が出てきそうだけれど、読んでいるうちに「世界」に引き込まれてしまいます。平凡な「日常」が続き、大きな「事件」はおきませんが、続きが気になってしょうがなくなっていきます。よくある展開のように、「数学者」はかなり「特殊」に描かれています。人との接点がなく、異なる世界観を持っています。「普通の」人間である家政…  全文読む 評価する

美談を超えて
ががんぼ
2011/12/03 10:51:09
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★★★★★

 このところ少しずつだが小川洋子を読み続けていて、今更のようにようやく代表作である本書にたどり着いた。しかし初期の短編集を読んできた立場としては、読む前には期待と共に不安もあった。評判からすると本書はほのぼの感動系らしい。だが今までの作品から読み取れたのは、そういう要素を持ちながらも、意外にしたたかで、仕掛けが多く、一筋縄ではいかない作家の姿だった。言ってみればあまりにも世間受けしてしまった本書は、ほのぼのを強調するあまり、持ち前の毒のようなものを失って、したがって私のようなある意味ひねくれた読者には魅力を損なってしまっている恐れはないのか? 読んでみて、たしかにこれは素直な本だろうと思った。…  全文読む 評価する

数学が果てしないロマンになる魔術。初めて小川さんを読んだ作品ですが,出会えたことに感謝しています。
たけぞう
2010/12/16 11:40:56
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★★★★★

 数学,苦手な人が多いと思う。頑張って克服した人も多いと思う。好きで好きで,という人は稀有な筈だ。そんな数学がロマンの題材になるなんて俄かには信じがたい。 小川さんは,数学者の藤原正彦さんに取材をして本作のプロットを固めたそうだ。藤原さんはNHK人間講座で講師を務めた数学者。番組を見ていた小川さんのひらめき電球にスイッチが入ったようだ。 才能と才能のぶつかり合いは大きな火花を発して作品を生み出す。その藤原さんによる解説なのだが,取材では通り一遍の答えしかできなかったと謙遜している。これだから才人達は恐ろしい。 家政婦として博士の身の回りの世話を申し付かった「私」。その博士は,80分しか記憶が持…  全文読む 評価する

偽善小説
yjisan
2010/01/05 01:55:11
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★★

 本書に見える「友愛数」に「完全数」といった知識は、ただそれだけでは「へえ~」というトリビア的なものに終わってしまう。 それら数字の不思議さへの好奇心を偏愛的なまでに誇張し、美しくロマンチックに表現する。「無味乾燥」という数学への世間的な印象とのギャップを巧みに描いた点に作者の巧妙さがうかがわれる。 ただし、数学科にいる私の友人は「数学の本質と関係ない」と言っていた(笑) 高尚な数学と通俗な野球という組み合わせも良い。 ただ対象選択の希少性(「記憶障害の数学者」)の利用という戦略は安易。障害者の美質を讃えるという偽善的手法は、個人的にはあまり好きにはなれない。こういう狡猾で陰険なぶりっ子的偽善…  全文読む 評価する

記憶の大切さ
本の虫
2009/04/21 21:16:43
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★★★★

この話には、笑い、1つのことに打ち込むことの美、そしてたとえどのような距離であっても、人との交流をもつことの美しさが描かれていると思う。そこには年齢を越えた友情があり、また恋愛らしきものも存在する。たった数時間前に共有した楽しみや出来事も記憶として存在しない博士の悲しみが描かれている。しかし、そこにはユーモアがある。また、記憶という機能を失った人間であっても、その人間としての本質そのものは失っていないことがわかる。表面ではなく人間の本質を見抜く家政婦により、博士は80分だけの記憶をメモでつなぎながら、人との交流を深めようとする。人間だれしも、異質との交流に対して恐れを持つ。しかし、その恐れのた…  全文読む 評価する

ある機能が失われてもなお残っているその人らしさ
wildcat
2008/11/28 18:35:12
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★★★★★

私がこの本を読んだのは、読書メモによると2006年2月です。私はこの時期、『博士の愛した数式』を文庫本で読んで、『私の頭の中の消しゴム』をケータイでダウンロードして読んでいます。『博士の愛した数式』は、その後映画も観に行き、たいていは原作を生かしきれない映画化が多い中、これは心底よいと思った1本だったと記憶しています。さて、同じ時期に似たテーマを持つ2冊を読んだのですが、悲しさ、せつなさは、圧倒的に「消しゴム」の方でした。まだ私より若いのに、若年性の認知症で記憶がほとんどすべて失われてしまうヒロインの姿。この作品は日記として書かれているため、最初から予兆があることに読者が先に気づいてしまうので…  全文読む 評価する

現実は意外に、博士タイプの人は多いのです。
kumataro
2008/11/20 22:16:53
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★★★★★

博士の愛した数式 小川洋子 新潮文庫 そこはかとなく「今、会いにきます」市川拓司著小学館に雰囲気が似ている。このお話の場合も登場人物が少ない。家政婦とその息子ルート君、交通事故のために1975年で記憶力が止まった大学教授とその亡き兄の老妻。家政婦と大学教授を軸に数式、プロ野球阪神タイガース、そして江夏投手をからめながら静かに進んでいく。なんでもなかったことが、あとから幸せだったと思う。そんな、昔、流(はや)った歌の文節を思い出す。数式の説明はわかるときもあるし、わからないときもある。博士のこどもへの思いやりが好き。家政婦の思いやりとルート君のやんちゃなところが好き。記憶が80分しかもたないやさ…  全文読む 評価する

エンディングが尻切れトンボですね。
佐々木 昇
2007/03/24 16:17:35
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★★★

 いつもながら、ストーリーに引きこまれていた。 通勤電車の中で読み始めると、朝だろうが夜だろうが降車駅を通過しそうになったこと数度。適度に簡単な数字の計算があって、そこに意味があるのではないかとムキになって計算したり、手元に電卓が無いことにいらだったりしながらだった。 勝手に自身の頭の中では博士の住む離れが想定され、散らばったノートや雑誌、時には阪神甲子園球場の地の底から湧きあがるどよめきが飛び込んできた。 博士と母屋の未亡人の関係、√の将来と私と博士との関係がどうなるのか、それが楽しみであり、謎解きがどのように解決するのかに期待を膨らませ、読み手を先へ先へと急がせる。 記憶が短時間しか持たな…  全文読む 評価する

映画も原作も上質の出来
あん
2006/11/29 23:53:36
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★★★★

文庫化を機に購入して読んでみました。まず、映画の方も相当出来が良かったという実感を得ました。これは結構珍しく、「原作より優れているな」と感じたことは一度もなく、それが怖いので原作を読まずに観るか日を置いて観るかしている程です。今回はアタリ。映画の方を観てまだ日は浅いので細部を記憶していますが、勿論2時間用に「原作には存在しないシーン」を織り込んだり端折って進行しているものの、自然な感動があるなぁと。原作の方はより繊細さが加わっていました。博士の病気の重さ、数式の美しさの発見、「私」の息子√(ルート)の純粋さ。登場人物の氏名が一切登場しないのも、著者の巧さを感じさせます。それにしても、映画でも原…  全文読む 評価する

純愛文学に思う事
とまと
2006/10/04 06:34:19
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★★★★

歳を重ねるにつれ純粋さがなくなってきて、純愛文学を読むなんてと気が引けていた。本書を読んでみたのもまったくの遊び心で「売れている本だから」という軽い気持ちだった。読んでみると心にポッと明かりがつくような、春のぽかぽかした日ような、それでいて秋に感じる物悲しいような気分にさせられた。そういえば、ここ最近家族や恋人以外の人に対して「愛しい」などという感情を抱く事がなくなっていた。中学・高校時代までは頻繁にそういう感情を抱く事があったと思う。そして気付かされた。いつからだろう?恋愛の愛ではなく、ただ純粋に理由なく人を愛す事ができなくなったのは。そう気付いたとき、失われていた自分を懐かしく思い出し、そ…  全文読む 評価する

<移行対象>としての「数式」
nanako17girls
2006/02/24 14:14:40
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★★★★

<移行対象>という言葉をご存知でしょうか?「う〜ん、知らないな〜」という人もおられるだろう。「とりあえず、香山リカの本を読め!」なんて言いません!ちゃんと説明しますよ、ご安心ください。「ピーナッツ」という漫画をご存知でしょうか?スヌーピーが出てくる漫画です。そこに「ライナスの安心毛布」というのがあります。なんて説明しようかな?よく赤ん坊がタオルを離さない、ということがあります。つまりそういうこと。「意味はよくわからんが、それがないと不安になる」という感じのものです。それはお年寄りにもいえます。汚いタオルを後生大事に、洗濯もせずに使います。何なんでしょう?それこそがなのです。正直、それを説明する…  全文読む 評価する

静謐な愛情
吉野桃花
2006/02/10 17:08:51
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★★★★★

いつも最初に簡単な物語の設定やあらすじを書くことにしていますが、すでに多くの方が書かれているのでここでは省きます。「数学雑誌の懸賞問題が解け、レポート用紙に清書し、郵送する前にもう一度見直しているような時、博士はしばしば、自分の導き出した回答に満足しつつ、「ああ、静かだ」とつぶやいた。」この物語を読んでいると、まぶしいほど明るくもなく恐ろしいほど暗くもなく、騒がしくもなければ寂しいまでの沈黙もない、そんな静かなところに連れて行かれます。ほんの少し、人の立場や気持ちを慮ることで、私たちはこんなに静謐な関係を人と結ぶことができるんだ。この物語の登場人物は皆、何かしら、いわゆる世間一般の平均像からず…  全文読む 評価する

数字と記憶と愛
礼和
2006/01/14 00:12:24
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★★★★★

買ったその日に読み終えた本。読み進んでいくごとに「博士」の数式の世界に飲み込まれていくようでした。記憶が80分しか持たない博士と、家政婦、そしてその息子の√(ルート)の日常について。毎朝自ら書いたメモで自分の病気を知り、絶望のふちに立たされる博士。戸惑いながらも「博士」を見守り、1時間20分という限られた時間を大切に過ごす家政婦の「私」。小学生ながらに博士の病気を理解して、そして博士から全身の愛を受ける「ルート」。うまく言えないけれど、とにかく3人がそれぞれ3人を心から思い、愛すという日常に心が温まりました。そしてすべての数字には意味があるということに驚き夢中になって読んでしまいました。ただ“…  全文読む 評価する

「数」って、暖かいのだ。
ひろし
2005/12/26 11:18:45
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★★★★

「数」と聞いて、どんな事を連想するだろう。「規則正しさ」や「秩序」「規律」「順序」。そして、ある種の冷たさだったりしないだろうか。数学に全く疎い僕は、本作品を読んでまずそれらの認識は誤りなのだなと感じさせられた。数って、とても愛嬌があって可愛くて、時に我が侭で、とっても暖かい物だったのだ。交通事故が原因で、たった80分しか記憶を保てない老いた数学博士。彼の元に新しい家政婦がやってくる。自分を紹介しても、次の日には忘れられてしまう博士に最初は戸惑う彼女。でも博士の純粋さ、優しさに触れるにつれ、とても大事な存在になっていくのだった。博士も、彼女の息子をルートと呼び、心から愛するようになる。時にすれ…  全文読む 評価する

完全数、28
山野翔
2005/12/16 14:58:06
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★★★★★

来春、映画化されるそうで。 文庫化も近頃されたそうで。 是非一読をお勧めします。名作です。 私が読んだのは単行本版ですが・・・。 交通事故の後遺症での80分間しか記憶の保たない脳になってしまった数学博士。そこに現れるのは、10人目の家政婦とその息子。博士はその息子に√(ルート)という呼び名を与える。何でも優しく包み込んでしまう√。 それから年老いた博士と若い家政婦とその小さな息子の不思議に暖かいそして壊れやすい微妙なバランスの日々が綴られて行く。数字は美しい。複雑怪奇な人間のあり方よりも、よほど神に近い。というか、博士は「神が与えたもの・神の手帳にだけ書いてあるもの」という。ただの数字が背負う…  全文読む 評価する

素数やゼロを愛する心は神仏への信仰に近い
吉田照彦
2005/12/03 21:49:01
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★★★★★

 交通事故の後遺症から記憶が80分しか持たない「博士」と、彼のもとに通う家政婦「私」とその息子「ルート」との心の交流を描いた作品。第1回本屋大賞受賞作である。  前にも何かの書評で書いたことがあるけれど、本との出会いというのは恋に近いと思う。最初に交わすわずか数言——本でいうならば、最初の数ページを読んだだけで、第一印象の好き嫌いが決まる。ちなみに僕はこの小説の20ページ目で恋に落ちた。 「素数を愛する数学者」というのがある種のブームにでもなっているのだろうか、最近、小説の中で「素数を愛する数学者」を描いた作品を、僕は本書を含めて二冊読んだ。確か、いしいしんじ著の『麦ふみクーツェ』にも、素数を…  全文読む 評価する

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