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- カテゴリ:小学生
- 発行年月:2005.8
- 出版社: すえもりブックス
- サイズ:21cm/65p
- 利用対象:小学生
- ISBN:4-915777-36-7
紙の本
ピアノ調律師
著者 M.B.ゴフスタイン (作・絵),末盛 千枝子 (訳)
ピアノの調律は、鍵盤をひとつずつ叩き、聴診器を当てるように悪いところはないか、聞いてあげます。がんばり屋さんの女の子デビーは、世界一の調律師であるおじいさんのように、すば...
ピアノ調律師
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商品説明
ピアノの調律は、鍵盤をひとつずつ叩き、聴診器を当てるように悪いところはないか、聞いてあげます。がんばり屋さんの女の子デビーは、世界一の調律師であるおじいさんのように、すばらしい調律師になろうと決心しますが…。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
M.B.ゴフスタイン
- 略歴
- 〈ゴフスタイン〉1940年米国生まれ。ベニントン大学卒業。ニューヨークタイムズ紙・年間最優秀児童絵本賞などを受賞。作品に「作家」「おばあちゃんのはこぶね」など。
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紙の本
「私が」「私を」命名する力
2008/12/12 23:41
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:wildcat - この投稿者のレビュー一覧を見る
ピアノ調律師のルーベン・ワインは、息子夫婦が亡くなったため、
孫娘のデビーを引き取って育てています。
男手ひとつで孫娘を育てなくてはならなくなったルーベンのことを
近所の奥さん達は心配していますが、
ルーベンは、何人もの偉大なピアニストのために調律をしてきた自分は
デビーにピアノを教えることだったらできると思っていました。
デビーに「本物の演奏家」になってもらいたかったのです。
ふたりの朝の習慣は、調律の基本の音のハミング。
「フフフフーン」で、今日の調子を確かめます。
ルーベンは、デビーにピアニストになってもらいたいのですが、
デビーは、自分を「ピアノ調律師」だと思っています。
おじいちゃんの仕事をずーっと見ているのが好きだし、
本当は手伝いたいんです。
服装ひとつにも、それは現れていて、
ルーベンはデビーがズボンをはくのを許さないけれども、
デビーがはきたいのはズボンなのです。
一応、ジャンパースカートで手を打ってはいますが。
デビーは三週間も練習しているメンデルスゾーンの
『夢』がなかなかうまくなりません。
ルーベンはがっかりしているけれど、
デビーはこのピアノまた調律したほうがいいかなと考えているくらい。
ピアノの練習よりもおじいちゃんの仕事道具の入った
かばんを持つ方が誇りなのです。
ルーベンもデビーが調律の方に興味があることを理解してはいるのですが、
ピアニストになってもらいたいという気持ちがなかなか捨てきれません。
デビーの気持ちは決まっているし、揺るがないのですが・・・。
デビーは、調律の手順も音もすべて暗記しているし、
楽しくておもしろくて、
今まで聴いたどんな音楽よりも好きだったのです。
一緒に歌ってしまうくらい。
そして、その日、ささやかだけれども、
デビーにとって大きな事件が起こります。
それは、昔ルーベンが演奏旅行のお供をした、
名ピアニストのアイザック・リップマンが
急に町にやってきたことがきっかけでした。
ルーベンは、デビーにパールマン夫人への伝言を頼みます。
アイザック・リップマンが来たので、調律は明日にしてほしいと。
ところがデビーはなかなか帰ってきません。
アイザックは、デビーが帰ってこない理由を分かっていました。
それは、ある意味では、ルーベンよりもアイザックの方が、
デビーを理解していたから・・・。
大きな夢に近づくのには3つのことが必要なんだと思いました。
・自分が何者か分かっていて、そうだと信じること
・自分が何者か分かっている人にお前は何者だと正しく命名されること
・身近な愛する人、尊敬する人に夢への挑戦を認めてもらえること
「私は~だ」と思い、信じて、その道に向かうことは、
もしかしたら、天賦の才能以上のパワーを持つことなのかもしれません。
紙の本
好きなことを仕事にしよう
2006/09/17 21:39
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:栗太郎 - この投稿者のレビュー一覧を見る
デビーの夢は、大好きなおじいさんと同じピアノ調律師になること。でも世界一のピアノ調律師であるおじいさんルーベン・ワインストックさんは、デビーにはピアノ調律師ではなく、ピアニストになって欲しいのです。
デビーは、朝起こしたり、食事をさせたり着替えを手伝ったり、ワインストックさんが面倒を見てあげなければいけないくらい、小さな子どもです。小さな子どもだけに、無茶もします。(ワインストックさんの顧客のピアノを自分で調律しようとしたり……)
でも本当に心から、ピアノ調律師になりたいのでした。
好きという気持ち、それが何より大切だと気づかせてくれる絵本でした。
ワインストックさんには世界的ピアニストであるリップマンさんという友人がいます。彼の演奏を聞かせればデビーはピアニストになりたいと思うのではないか、期待を抱いて演奏会に連れて行くのですが、デビーが感動するのは、いくら激しく弾いても音程がびくともしないワインストックさんの仕事ぶり。
たったひとつのことしか考えていない。それこそが、その道へ進むに大切なこと。デビーは小さな子どもで、その才能は海のものとも山のものともつきません。これから先、困難もたくさんあるでしょう。でも好きという気持ちを忘れなければ、きっとピアノ調律師となれるのです。
デビーを見守る大人たちも素敵です。特にピアニストのリップマンさんが良い味を出しています。自分の演奏に感動せずピアノの調律具合に夢中になるデビーに、彼は調律道具一式をプレゼンすると約束します。なんて粋な人でしょう。
今まさに進路で悩んでいる人たち、子どもの将来の夢と自分のそれがすれ違ってしまった親たちに、お勧めしたい一冊です。