紙の本
魔術師の犯罪
2010/05/05 17:38
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:くまくま - この投稿者のレビュー一覧を見る
魔術が学問として研究されている世界。日本で唯一、魔学の研究施設がある私立城翠大学に、世界で6人しかいない魔術師の一人、佐杏冴奈が着任する。彼女と偶然出会った天乃原周は、彼女の研究室に属することになる。彼女の着任を待つように、新入生ガイダンスの会場で行われる殺人予告。必然、天乃原周も事件の関係者となることになり…。
魔術と推理小説という、一見すると相反するテーマを融合させ、物語として破たんなく着地させている。
そもそもなぜこれらが相反すると思えるかというと、主要な理由は、読者が魔術体系を常識として備えていないから、犯罪の実行に魔術を使用されてしまうとそれを論理的に導くことが出来ないということだろう。
この作品では、前述の問題点を回避するために、いくつかの策が施されているので、一応フェアと言えると思う。
もう一つ面白いと思ったのは、ライトノベルには必ずあるものにトリックが仕込まれているところだろうか。確かに不思議だな、とは思ったのだけれど、ボクは最後まで気づかなかった。
紙の本
ミステリー?魔術小説?
2005/06/22 19:27
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:にい - この投稿者のレビュー一覧を見る
「ネタばれ注意」
この作品がミステリーなのか魔術ものなのか分からないが、どちらにしても中途半端
基本的には「ミスリード」を主体としており、親切丁寧な「ミスリード」のおかげで逆に道を間違えることが無い
普通に読み進めれば、主人公の正体も犯人が誰かもすぐ分かるように出来ています
アナグラムは理解する必要すらないですし、屋上密室トリックは魔術によるものなので、魔術でどこまで出来るのか分からない読者が推理することは不可能です
7つあるトリックでこれ以外は普通に分かるでしょう
ミステリー部分は破綻が激しく、ヒロインが魔術によって大怪我したように見せかけられていただけにもかかわらず、その後医師が治療してしまっています
また犯人がたった一人で、時計塔の時計の針にヒロインをロープでくくりつけたりもしています
人ひとりを少なくとも3年以上にわたり監禁して生かし続けたのは魔術によるものなのでしょうか?
病院に人間を運び込み殺害し、またもう一人を運び出して誰にも見つからなかったのも?
魔術の部分も「音楽と共通する」といった表記があるのに音楽的な表現はしていませんし、「不可能命題」という言葉を多様する割りに魔術の定義があいまいだったり、可能不可能以前の問題で練りこみが足りていない気がします
この他にも納得いかない所は多々あるのですが・・・・なぜか案外読めてしまう作品でした
紙の本
推理物と魔術物を混合した意欲作ですが…
2005/07/01 16:49
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:浅葱 翔 - この投稿者のレビュー一覧を見る
論理的な推理物と超自然的な魔術物、これらを合わせた意欲作だと僕は認識しました。両者を読んだ事がある人ならば、随所に散りばめられた単語に思わずニヤリとしてしまう事でしょう。巧みにMisreadを誘う情報の開示/隠蔽の手技は見事ですし、魔術師の数を少なくする事で現代を舞台に置いた際の違和感を少なくしていると思います。
ただ純粋な推理物・魔術物と比べると見劣りのする箇所はあります。まず推理は可能ですが、魔術という読者側に背景の無い要素が組み込まれている為に、犯人・犯行を絞り込む事は出来ません。これは推理物としては致命的です。また、魔術を使用している際の描写が割とあっさりとしている為、魔術物として見ると物足りないかもしれません。
魔術体系、可能/不可能の境界線…、本文に対して背景部分で不明瞭なところが多いのが問題とはいえますが、次巻以降で明らかになっていくのだろうと考えて今回の評価は保留とします。
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魔術師が出てくるミステリ。
とはいえトリックには魔術は使われていないので推理はできる。
ミステリと魔術という組み合わせは過去にもいくつかあったが、その中でもきちんとミステリしてる良作。
7つ目の謎はわからなかった・・・
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最近の電撃にしてはなかなか面白かった作品。 密室云々に関しては状況が地味というか密室の完成度合いが低い準密室だったためトリックが生きてなかった気がしますが、もう一つの大きなトリックは手際が良かったですな。 ただ魔術師先生の作中でのポジションは微妙だと思いますが・・。
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電撃にミステリーは珍しいというのと、帯が気になったので買いました。
トリックに多少難というか……無理やりな点はありますが、全体的な流れやストーリー。
キャラクターなどはすごく好き。
ただ、先生が「人を殺したければ殺せばいい」的な発言をしているので、そういうキャラが嫌いな人は好かないかもです(私は好きですが)
読者を裏切るテクは中々のもので、魔術との融合も面白いし、新人ですが、ミステリーにある程度なれればこれは売れる作家になると思います。
とにかく今後に期待。
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人間に限ったことではありませんが、物事には限界があります。例えばどんなに力のある人でも東京タワーを持ち上げることはできないし、どんなに足が速くとも100mを1秒では走れません。だけどその限界の枠をほんの少しだけ広げることができたら...。
この小説は学園ミステリーとファンタジーの混ざった物語。普通、ファンタジーというと、魔法やら何やらで現実的には荒唐無稽な力が跋扈してとてもじゃないけどミステリーには向かないような気がします。
しかしこの作品では「魔術」というものは数ある学問の中の一つで、その力には限界があり、できることは非常に限られています。ただ、人間や現代技術の持つ「限界の枠」を少しだけ広げられる...。そんな中で起こる不思議でありつつ、非常に合理的に進む物語です。いたる所に張り巡らされた様々なトリックにはかなり驚かされます。
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はじめて買った小説。
題名と絵を見た瞬間、ビビッ!!と来ました!!
ミステリアスで面白いです!!
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魔学に関する設定についてはよくできてると思う。なにごとも万能ではないよね。事件のトリックについては推理で解けるらしい。途中から推理とか考えてなかったけど。もう一つのトリックについては今後の展開に期待する、と言っておこうかな…。
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タイトルに惹かれて読みました。魔学では魔法が使えるわけではないと知ってちょっと残念だけど、仕方ない。名前のアナグラムとか好きなんだけど全然気づかなかった。戯言みたいな?
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現在4巻まで。
魔術師たちの狂演・・・ミステリを求めると肩透かし。基本的に犯人探しとして捉えると読めないですがこれも一つのファンタジーだと思えば何でもアリかと。一人称で語られる書き方が好きです。(だから成り立っているトリックもあったり)。なんとなくこの作者、清涼院流水さんが使われるテニクニックみたいなので描かれていたり。ともかくこれからの展開に期待です。
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好きな魔術とミステリの好物揃いなシリーズ。
主人公の性別に何となくの違和感があったが、最後にやられた。
すっきり。
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世界にたった数人の魔術師達の物語。魔術とはある才能の一種の事で日本唯一の魔学部を有する大学で起こる不可思議な事件の数々。頭を使って読みつつ個性的なキャラクターに感情移入して一喜一憂しました。先生がだいすき。
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※ネタバレ含んでます!!07/06/01
いやいや、実に面白い!! 医学部推薦を蹴って魔術部に入学する主人公。 上手く騙されたよ。 主人公が実は女の子だった、ってのが巧妙に隠されてるね。 あちこちにヒントは隠されているけどそれがまさか繋がるとは思いもしなかったよ。 母さんも生きてるし。 最初は表紙に惹かれて買ったのだけど(レビューの表紙はもやが掛かったようにほゎーんてなっているけど実際は綺麗です)ストーリーも良かった。 登場人物も個性あって楽々と覚えられた。 写楽法子をシャーロックホームズと即座に理解出来た子がいたり、魔術師が嫌いなのに魔術部に入学した子がいたりとホント個性たっぷり5人組だこと。 アレイスターが少女ってのにもびっくり。 魔術師には老いがないのか? それともアレイスターだからなのか? 7人目のトリックスターの最後の魔術を使ったシーンは中々よかった。 続編が気になる所です。
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う〜〜いい意味で見事にだまされた! 気持ちいいぐらいに!
本格ミステリではなく、最後はファンタジーだった。ちょっと真面目に推理するのが馬鹿らしいくらい。
アナグラムにミステリらしさを感じる。
解決編は最後までドキドキしながら読めた。
完璧な密室など存在しない。密室なんていうのはミステリ好きの幻想。これは密室だとそう思わされているだけ、
ということを思い知らされた一冊だった。
言い間違いネタが面白くなく、これなら一、二回に留めるべきだと思う。
主人公の語り口が戯言シリーズのいーちゃんっぽい。