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商品説明
待望の文化祭。そのとき学内では十文字と名乗る犯人による奇妙な連続盗難事件が起きていた。事件を解決して古典部の知名度を上げ、作りすぎた文集の完売を目指す仲間たちに後押しされて、奉太郎は事件の謎に挑むはめに…。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
米澤 穂信
- 略歴
- 〈米澤穂信〉1978年生まれ。「氷菓」で第5回角川学園小説大賞ヤングミステリー&ホラー部門奨励賞受賞。著書に「愚者のエンドロール」「春期限定いちごタルト事件」など。
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紙の本
ラストまで読んでタイトルの「クドリャフ」の順番」の意味を噛み締めた一冊です。
2005/10/22 13:51
6人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:エルフ - この投稿者のレビュー一覧を見る
この本を読む前に、まず「クドリャフカ」とは何なのか、その意味を知ってから読むのと知らずに読むのとでは大きく印象が異なると思うので、未読の人はまず「クドリャフカ」とは何を意味するのか知ってから読んだ方が作品の深さを感じれると思います。
「クドリャフカ」とは簡単に説明すると1957年旧ソ連の人工衛星スプートニク2号に初めて生き物が乗せられることになり選ばれたのがライカ犬。「クドリャフカ」と名づけられた可愛い犬だったそうです。
「クドリャフカ」は地球上で初めて宇宙へ出た生き物であったと同時にスプートニク2号には回収されるように設計されていなかったため、二度と地球に生きて戻ってくることはなかったそうです。
宇宙から地球が見れるように小さい窓がつけられた人工衛星の中で「クドリャフカ」はただ独り宇宙を漂い、地球に帰れる日や可愛がってくれた人に会える日を思いながら死んでしまったのでしょうか。
ではこの本の感想ですが、まずどこに「クドリャフカ」と重なっているのか、一体このタイトルをつけた理由は何なのか、途中まで不思議でなりませんでした。
基本的に米澤さんの書く物語は青春ミステリですしこのシリーズでも学園の延長にあるミステリですからホロ苦さはあるものの宇宙を独り漂う「クドリャフカ」を想像することはなかったのですよね。だって学園祭の中で「十文字」と名乗る怪盗が「お料理研究会」から「おたま」を失わせたりする程度で誰かが被害にあうものでも何か大切なものを失うわけでもないのですから。
ところが・・・この事件の真相にあった心情が分かると「クドリャフカ」を使った深さが伝わりました。
絶望的な差からは、期待が生まれるだけどその期待が応えてもらえないとしたら行きつく先は絶望だ。(P307)
青春時代、自分には秘められた才能があると思っていたにも関わらず、もし近くにいる人が何の力もいれずに自分の能力よりも数段も数倍も上をいく才能を持っていたとしたら?しかもその相手が自分が渇望する才能に対して無頓着だったとしたら?
「クドリャフカ」が宇宙船の小さい窓から青い星・地球を眺めながらそこへ戻れる日、可愛がってくれた人に会える日を期待しながら眺めている様子がふと浮かんできたラストでした。
逆に省エネで生きている奉太郎は「憧れを知らない、眼下に星を持たない」と語っているだけに今後、彼が「クドリャフカ」の順番が来たときにどうなるのかその話も読んでみたいものです。
今回は4人それぞれの視点で物語が語られるので彼らの個性が分かってその部分でも面白い一冊でした。
紙の本
古典部シリーズ初読み
2016/12/28 12:17
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:GORI - この投稿者のレビュー一覧を見る
最新刊の6巻目を図書館で借りられたので、最初の方から読もうと本作を読む。
青春ミステリー小説ですがかなり大人びた内容で高校生活の舞台と違和感を感じる。
初読みなのでまずは4人の雰囲気が分かり他の作品にも期待したい。
題名の通りちょっと青春時代の苦い思いを感じられるラスト。