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子どもたちは夜と遊ぶ  上  講談社ノベルス

子どもたちは夜と遊ぶ(講談社) 辻村 深月著
税込価格: ¥1,040 (本体 : ¥990)
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出版 : 講談社
サイズ : 18cm / 348p
ISBN : 4-06-182429-5
発行年月 : 2005.5
利用対象 : 一般

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コメント・書評

孤独な人が孤独な人をいとおしいと思うこと
空蝉
2009/10/07 12:53:43
評価 ( マーク )
★★★★★

正直、もうすこし硬めの熟した文章でも良いのではないかと最初に感じたのだが、読み終えて今言えるのは、これは『子供たち』の物語。これで、良いのだという素直な感想だ。結局は自己防衛の物語なのだろう。世界という非情な化物から自分という非力な存在を必至に守ろうとする「逃避」と「保守」によって引き起こされた悲劇の物語・・・彼、浅葱は決定的な絶望と失望を世界に感じ、『独り』という恐怖を知り、常に「伴侶」を求めた。が、どこにもいない自分だけの世界で、まずカレ自身を作り出してしまったのだろう。もう一人の孤独なカレが暴走し、浅葱をのっとり、殺人を繰り返す・・・というのならどこかであったような物語だ。 けれど本書は…  全文読む 評価する

「うまくすれば崩壊や破滅を止められたのに、少しづつタイミングがずれたせいでそれが叶わなかった」
どーなつ
2005/09/12 19:16:15
評価 ( マーク )
★★★★

著者辻村深月氏は「冷たい校舎の時は止まる」で第31回メフィスト章を受賞なさって、鮮烈なデヴューを飾っておられます。1980年生まれの20代。若いけれど、才能ある方だと実感しました。本編のメインキャラである狐塚たちの年齢も大学生ということで、辻村氏と近しいということがあるからなのか、キャラに無理がなく、等身大の大学生がごく平凡な日常生活を送っているという設定がすんなりと受け入れられる。もちろん、平凡な日常というのは表面だけのものであって、皮を剥いでみると全然違った世界が広がっているわけです。i(アイ)とθ(シータ)の行なう殺人ゲーム。片方は凶暴さが前面に押し出ていて、けれど全てを統括する冷静さも…  全文読む 評価する

心の中の宝物
紫月
2005/06/05 13:17:58
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★★★★★

主だった登場人物はとある大学の学生と学院生。二人の殺人犯の間で繰り広げられる残虐な殺人ゲーム。前作、『冷たい校舎の時は止まる』でメィスト賞を受賞した著者は、なんと1980年生という若さです。キャンパスもののミステリは特に目新しい設定でもなく、読み始めた時点では最後まで読み続けるのは苦痛かも……などと思っていたのですが、それは一つ一つのシーンが丁寧に描かれているために話の進展が遅く、なかなか物語りに入り込めなかったせい。ある場所を境に、ページを繰る手が止まらなくなります。作者の年代を投影しているせいか、登場人物たちがとても魅力的でした。自分を、他人を大切にして精一杯生きようとして、悩み、傷つく彼…  全文読む 評価する

斬新な人物描写で、登場人物以上に読者を事件にのめり込ませるミステリーです。
楊耽
2005/05/23 01:49:59
評価 ( マーク )
★★★★

デビュー作の「冷たい校舎の時は止まる」が高校生を内と外から描いたのに対し、本作は、工学部の研究室に所属する三人の男性と、教育学部に通う女性を中心に展開されてゆきます。先ず、浅葱や孤塚らが研究を進める様に接して僕が特徴的に感じたのは学校特有の競争社会でした。個人に対して評価が下され、なんらかの順位付けがなされる彼らの社会です。基本的に同僚と利害関係を共有し、チームワークが成果に重要な影響を及ぼす企業の研究体制との違いです。そんな競争の中で、スタープレイヤーとして天才の名を恣にする浅葱。周囲の人間から見た天才肌の浅葱と、彼が演じようとしている人間像は一致しています。しかし、実際に彼が自分を天才と考…  全文読む 評価する

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