「靖国問題」、私はA級戦犯を合祀した神社に首相が、参拝するという事に対する中国、韓国の反発という単純な構造の問題と考えていた。しかし、本書を読んで、それは、歴史・文化・感情等、国家の存在の意味を問う程、複雑で根深い問題であると再認識した。著者は、まず、「感情の問題」として「靖国問題」を捉える。それは、遺族の感情である。戦場で死ねば、靖国で神になると信じて死んで行った人々の遺族。或る遺族の夫人の思いを伝える文章が掲載されていたが、それには、「靖国を悪く言われると、断腸の思いだ」との内容であった。この感情の問題は、国家が国に殉じる事を上手く奨励し、戦死を美化した賜物である。次に「歴史認識の問題」、…
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