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ベルカ、吠えないのか?

ベルカ、吠えないのか?(文藝春秋) 古川 日出男著
税込価格: ¥1,800 (本体 : ¥1,714)
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出版 : 文藝春秋
サイズ : 20cm / 344p
ISBN : 4-16-323910-3
発行年月 : 2005.4
利用対象 : 一般

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コメント・書評

「血」と本能
はな
2007/05/02 21:56:38
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★★★★★

 面白かった。というと私の感想を一言で言い表していない気がする。  すごかった。  第二次世界大戦中の1943年から、冷戦終了の90年代初頭までを描いた物語。軸となるのは徹底して「イヌ」たちである。人間でも世代が移り変わる数十年、当然イヌたちは何代も何代も世代が移っていき、その「血」は世界中に散らばっていく。歴史に記されることはない、けれど確かな足跡を残しながら。  人間の政治、戦争、歴史に弄ばれるようでいて、その実、イヌたちはそれぞれの場所で確固としたアイデンティティを築いている。その様子が丹念に描かれる。  正直に言って、背景となる現代史も、イヌたちの系図も、正確にはほとんど理解できていな…  全文読む 評価する

軍用犬たちのみた戦後現代史
読み人
2006/06/28 18:52:24
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★★★

 古川日出男さんは、「アラビアの夜の種族」というとんでもない作品を書き、私の中の、”とんでもない本を書く人リスト”に記録されてしまったので、今回のこの話題の「ベルカ、吠えないのか?」のプロットを聞いてもあんまり私は、驚きませんでした。 この人なら、それぐらいやると思っていたよ、、。って感じです。(「アラビアの夜の種族」も読みましたが、ブログの記事には、していません そのころは、ブログといったものが、無かったので)  と、ちょっと偉そうなこと書いて”つかみ”にしましたが、やっぱり本書のアイデアというか、プロットは凄いです。 太平洋戦争中、日本の軍用犬とアメリカの軍用犬が、キスカ島においていかれま…  全文読む 評価する

神の視点からイヌを見据え、20世紀後半の人類史を描く壮大な叙事詩
yukkiebeer
2005/07/30 09:23:02
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★★★★

1940年代、太平洋戦争下で日本とアメリカが激戦を繰り広げた南洋に、それぞれの国の軍用犬がいました。この物語はその犬たちが子から孫、孫からひ孫へと世代を継ぎながら、20世紀の冷戦構造史をたどっていくという骨太の物語です。 私のようなサラリーマンは日がな一日こうした小説を読み続ける時間的余裕を与えられていないため、どうしても数日かけて小分けしながら頁を繰ることになります。その場合、このように幾世代にも渡ってあまたの犬が登場する物語は、それぞれの犬の相関関係や犬一族の系譜図を記憶し続けることが出来なくなりがちです。事実、後半ではカブロン、ギター、ストレルカ、ベルカと名づけられた犬たちのどれとどれが…  全文読む 評価する

非・生類憐れみの令
ナカムラマサル
2005/07/17 20:37:39
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★★★★

 本書を一言で説明するならば、「犬による現代史」という表4の文言に尽きる。人間の作り上げたイデオロギーの中でいかに犬が翻弄されたかという視点から、「戦争の世紀」としての20世紀を描いた壮大な作品だ。 第二次大戦時、太平洋の島に取り残された4頭の軍用犬を筆頭に、その後の冷戦構造の世界で脈々と連なる犬の系譜(朝鮮戦争・ベトナム戦争・アフガン戦争の軍用犬、米ソの宇宙開発レースのライカ犬、レッドチャイナの軍用犬等)。本来なら資本主義圏にも共産圏にも属していない犬が、「時代」に弄ばれる様子は、実は我々人間の中の一般大衆の暗喩とも捉えられて興味深い。登場する犬たちが、それぞれの人生(犬生と言うべきか)を背…  全文読む 評価する

本命とはこういう小説をいいます。何の本命かは、書きません。でも、こういうハイレベルな小説が評価されるには、読む側の資質が問われます。壮大な犬の歴史談です
みーちゃん
2005/07/07 20:26:33
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★★★★★

私はてっきり熊だと思い、長女はあっさりと「犬、可愛い!」と見抜いたカバーの話から始めましょう。装幀は関口聖司、写真はAFLOと書いてあります。でも、被写体が何であるかは別にして、これって完全にノンフィクション、動物に関連する記録向けのデザインですよね。で、ベルカ、って何でし。彼?の第一声は「うぉん」です。祖国ソビエトが消えてしまう前の年に、老人がただ一頭殺さなかったイヌで、ベルカです。話はスプートニク5号のときに遡ります。フルシチョフがアメリカの鼻を明かそうと、二匹のイヌを乗せて地球の周りを17周した宇宙船は、無事回収されます。そのときのイヌがベルカとストレルカ。後に番うことを国家に認められ子…  全文読む 評価する

「大主教」のじじいに大いに感銘
Yostos
2005/04/30 10:06:24
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★★★★

戦時中、日本軍に取り残された四頭の軍用犬から始まり、ロシア、南北アメリカ、東南アジアと殖え広がっていったその裔のイヌ達を通して、二次大戦、朝鮮、ベトナム、アフガン、そんな二十世紀後半を描き、そこにソ連崩壊の中を犬を率いる「大主教」と呼ばれる老人と少女の物語を重ね合わせ見事にフィクッションとして成立させたなかなか見事な作品。 イヌが様々な状況、人間に翻弄されながら、生き延び、殖え、絶えて、世代を重ねて犬の歴史が紡がれていく。それがイヌの視点で語られる、イヌへの語りかけで語られる。時にイヌ自身にはわからぬ因果でイヌの裔たちはその数奇な運命を交差させていく、まさにイヌの現代史。ただ、イヌの歴史の歴…  全文読む 評価する

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