紙の本
これこそ真の想像力
2006/09/18 12:37
7人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:arayotto - この投稿者のレビュー一覧を見る
アフリカ大陸のスーダンから日本にやってきた盲目の留学生がいます。彼は生まれてから一度も野球を見たことがないのに、熱狂的なプロ野球ファンです。
目が見えないのにどうして野球が楽しめるかって?
彼は日本語の勉強がてらに聞いたラジオのプロ野球中継を通じて、野球を理解しました。目が見える誰よりも詳しく、熱く、野球を理解しました。
一体全体なんの話しかって?
高野秀行著「異国トーキョー漂流記」第8章<トーキョー・ドームの熱い夜>の話しです。
早稲田大・探検部出身の高野秀行氏は、コンゴでの怪獣探し、中国での野人探し、幻のシルクロード探しなど、多くの冒険記を上梓しています。
わたくし、遅ればせながら最近その存在を知りました。
いやぁ面白い。
冒険の記録そのものも確かに面白い。
加えて、ちょっと客観的で、少し離れたところから自分を眺めている文章がまたクスリと腋の下をくすぐります。
冒頭で紹介した盲目のプロ野球ファンの話しが収められている「異国トーキョー漂流記」は、辺境冒険談ではなく、東京で出会った8人の外国人の話しです。
彼らとの出会いによって、身近な東京が魅惑的なトーキョーへと変化していく様子が心地よいリズムで描かれています。
で、盲目でありながら誰よりも深くプロ野球を理解するスーダン人に接し、高野氏はあることに気づきます。
『人間は言葉と想像力で「見る」ことができる。そうでなければ、誰も19世紀のロシア小説なんか読まない。いや、私が今書いている文章だって読まない。なんでこんな当たり前のことに気づかなかったのか』と。
想像力‥‥
日常のルーティンに浸っていると、時折「想像力」というものをどこかに置き忘れてしまいます。
しかも置き忘れてしまっていることさえも、忘れてしまいます。
ケータイを置き忘れると大慌てするくせに、ね。
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この本は強烈だった。
この本・この人に出会えたのは未だに「運命」だったと思っている!!
なんていうのかしら…。
やってることが普通じゃない。感覚がおかしい!!
だから、それ自体が笑えるのに、彼はそれを全く普通の事のように書いているのだ。
だから、つぼにはまる!!
オススメです☆
今までに出会ったことのないような本です♪
同時に、彼の行動力に憧れを抱くとともに拍手喝采!!
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久しぶりに高野秀行を読みました。作者の人柄の良さが作品の面白さに繋がっています。ペルーにはウエキ・キンタロウという、子だくさんの日系人がいるそうです。
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東京に住む外国人達とちょっと風変わりな著者の交流記。著者は風変わりながらも、所々で面白い分析の仕方をするので、興味深い。この本を読んでから、高野氏の本を少しづつ買い求める事になった。これからもこの方向性で本を書き続けて欲しい。
*2014年 再読。やはりこの著者は物事の捉え方や切り口が面白いんだな。◎。
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高野さんの短編集的な編集になってます。
東京で色々と出逢った外国人の方々との意味不明な行動。
恋愛や社会問題、語学・・・色んなところに関わってる。
ホンマに意味不明で、何してるんかツッコみたいくらい。
でも、あくまで日常の1コマみたいな感じで書かれてて、そのギャップが良い!!
スラスラ読める、でも、笑えます。
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なんか高野さんの作品はどれも、「そんなに人生馬鹿まじめに生きなくていいじゃん」って言ってくれてる様で気が楽になる。いろんな世界、人々がこの世の中に存在するんだよってことを教えてくれるような作家だな。
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人と接するとき、ものすごく緊張するのゎアタシだけだろうか?
特に(あまり機会ゎないが)外国人とかだったら緊張度ゎ10倍増しだ。
この高野氏のエッセイとも小説とも思える体験記を読むと、その隔たりの低さに感心する。というか、尊敬する。
こんなにいろんな味のある人たちと関わる機会をもつことができるというは、その人が○○人という括りでなく、異文化で育った、いろんな考えや価値観をもった一人の人間として、その人を楽しむ姿勢があるからじゃないかと。
数ある出会いの中から友情というのは、どう育つか判らないものだなぁ。
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2009年6月6日購入。読書期間2009年6月6日〜10日。
面白かった。
筆者は異国の人と接することで、日本にいながら感じた異国感を8つのエピソードにまとめている。
筆者の言う「東京」を「トーキョー」に感じる感覚には共感できる。
たしかに自分のなじみのある街が不意に知らない街に感じられることはある。
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スクランブルしたエッグ、のくだりで早くも吹き出し、読めば読む程笑い、切なく思い、温かい気持ちになる。
高野さんは素敵な人だなあ〜と、妙な憧れまで抱いちゃう。どこが笑っちゃうかたくさん書きたいけれど、読みやすいので気になった方は手に取ってもらいたいです。
また野球狂のスーダン人や日本をインド化するフランス人に会いたくて、読み始めちゃう。そんな本です。
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彼が東京で知り合った外国人に関するエッセイ。暗黒舞踏の稽古をするフランス人、巨人ファンの盲人スーダン人など、おかしいエピソード満載。
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面白いのひとことにつきる。
起承転結、そしてオチへつながる文脈はワクワクしたりドキリとしたり、そしてジーンと。
うーむ、唸るほかないのである。
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東京じゃなくてトーキョー
高野さんに、トーキョー観光をさせてもらった
語学
ああ語学
学生時代に戻ったら、語学を
やりたい
ものの見方で、街も変わると
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この人はすごい、
すごいことをしてるのに
それを全然ひけらかさない。
最後にマフディが物凄い一言を
言ってるのに、それを全然
大袈裟に書かない、素晴らしい。
「目の見える人は可哀想だね」って。
目が見えなくても国籍が違っても
同じ人間なんだなんて、
ありきたりな言葉よりこれ一冊読んだ方が
手に取るようにそれが理解できる。
それが偏見とか嫌な感情なしに、
すーって理解できる、変わらないんだって。
すごいなぁ高野さん。
こんな人が世界を救うんじゃないかな、
って本気で思ってしまいますなー。
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作者の行動力に脱帽
日本に住んでいる外国の方に外国語を教えてくださいなんて頼めない。
そこまで積極的だったら海外でもやっていけるんだろうな。
国際人はさばさばしてて、アクティブなイメージだから。
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最近読み返したワセダ三畳がおもしろかったので、また高野秀行さんの本を買ってしまいました。東京での様々な外国人との出逢いを描いていますが、これもおもしろい。やっぱり高野秀行さんの本、おもしろいなあ。
フランス語を習うために電車で見たフランス人女性に声をかけたり、リンガラ語をならうためにザイール人とコンタクトしたり。おもしろいです。
私も仕事の関係でインドの人とよく一緒にいましたが、異文化の人と話をするのって楽しいですよね。知らなかったことだらけで。そんな気持ちを思い出しました。
しかしこの人、ワセダ三畳、ではグータラしている印象でしたが、すごい多言語を勉強してるんですね。フランス語も話せるなんて。すごいです。お父さんが英語教師だそうなので、もともと語学の素養があるんでしょうね。