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紙の本
性の道は果てしない
2005/01/18 13:40
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:yama-a - この投稿者のレビュー一覧を見る
まず著者名からして怪しい。代表者名とグループ名を「&」で繋ぐという、昔のムード歌謡グループみたない名前なのだが、その後半部分を見るととてもまともな人たちとは思えない。アブナイ嗜好を持つ人たちによるキワドイ本ではないかと思ってしまいそうだが、実際本を手に取ってみると極めて真面目な研究者たちによるまともな研究報告である。ところが、読み進むうちに、この真面目な研究者の中には大学の先生だけでなく、自身が筋金入りのニュー・ハーフである研究家もいることが判ってきて2度びっくりである。
ここでは性に関するさまざまな用語が広く取り上げられ、そのひとつひとつについて、なぜそう言われるのか、その語源は、そしてそのことを表す単語にはどのようなバリエーションがあって、どういう変遷を辿ってきたか、そしてそこにはどのような社会情勢や意識が反映されているか、などが丁寧に解説されている。
一例を挙げれば、上で「広く取り上げられ」と書いたように、ここには「立小便」などという単語も取り上げられている。男性が小用を足す際にはトイレであろうと路上であろうと、どちらにしろ立ってするものなのに、何故屋外の時だけ「立小便」と言うのか? ──僕自身にとって長年の疑問であり、あるいは人が普段は見過ごしていながら聞けばなるほどと思うような事柄を、古今の文献を紐解いて見事に実証あるいは推理してくれる。この姿勢は本全体を通じて一貫している。
いやあ、こんな本が読みたかったのである。いや、正直言えば自分で調査して執筆したかった。しかし、これだけの文献に当たってこれだけの著作を物するためには、やはりこれくらいのグループ・ワークでないと無理なのだろう。
極めて濃い内容の本である。性の道は果てしないと痛感した。
紙の本
性的表現を分かりやすく解説します。
2005/01/11 14:13
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:カルバドス - この投稿者のレビュー一覧を見る
官能小説やポルノ雑誌に限らず、性的表現が載っている書物は多い。その多くは扇情的であり、性交から出産へのプロセスを知り、性的快楽に興味があるもしくは体験した者ならば、自らの体験や想像により、快感へとつながる感覚を覚えられる。これまでどれだけ多くの言葉が、我々を淫靡な世界へと誘ってきたのだろう。
本書には多くの性に関する言葉が載っており、それらに単なる意味だけではない解説が付けられている。性に関する用語辞典の類はこれまでにも出版されているが、大抵は簡単な意味と出典程度で、言葉が生まれた経緯やなぜその表現が効果的なのか等の解説はなされていない。そうした意味では、珍しい存在である。
パラパラとページをめくって見出しの言葉を眺めているだけでは、この本の面白さは分からない。それだけならば、前述のような用語辞典で事足りてしまう。やはりここは、じっくりと解説に目を通すべきだ。字体や音から我々にどのように想像させるのか、その仕組みを知ることこそが、本書の楽しみ方だろう。
それにしても、性に関する表現のなんと多いことか。そのものズバリを言わず、婉曲な表現を好む日本人だからこその多さなのだろうか。本書に載っているものなどごく一部にすぎず、今なお増え続けているに違いない。そうして生まれた言葉は、やがて誰かの心と体を熱くするのだ。