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文庫

紙の本

藁くじの花嫁 (ハーレクイン・ヒストリカル文庫)

著者 ダラス・シュルツェ (著),上木 さよ子 (訳)

藁くじの花嫁 (ハーレクイン・ヒストリカル文庫)

税込 748 6pt

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みんなのレビュー6件

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評価内訳

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紙の本

藁くじで決められた結婚の行方。西部開拓時代が舞台のロマンス。

2005/02/03 02:37

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:三度目の正直 - この投稿者のレビュー一覧を見る

アメリカンロマンスを多く手がけるダラス・シュルツェのヒストリカル作品。本書は彼女の作品中で一番と言っていい程に人気が高い。これまでは読みたくても入手困難だったので、こうして文庫本として発売されたことで喜んだ人は多いのではないだろうか。
また、ヨーロッパ舞台の作品が圧倒的に多いハーレクイン・ヒストリカルシリーズの中で、数少ないアメリカ舞台である本書は輝きと存在感が違う。


南北戦争終結後の西部開拓時代。
牧場を経営するカウボーイのマクレーン兄弟は、母が他界してから女手のない生活を送ってきたが、まずい食事と汚い部屋に限界を感じていた。それに跡継ぎの息子も必要ということで花嫁を探すことにしだが、どちらも自分は結婚したくないと主張。結局どっちが結婚するか藁くじで決めることにし、その結果兄のルークに決まる。そしてルークは牧師に相談するために足を運んだ教会で、趣味の悪い帽子をかぶった目立たない娘エレナーと出会うことになる。

前半は二人の出会いから結婚まで、後半は本当の夫婦になるまでの道のりが描かれている。
便宜結婚をした二人が心を通わせ本当の夫婦になっていく様はとても自然で読んでいて気持ちが良かった。


西部、カウボーイと聞くと、映画で見るような拳銃で撃ち合ったり決闘したりという図を思い浮かべそうだが、本書のカウボーイたちは文字通りカウ(牛)の世話を仕事とする男たちであってガンマンではないので、そういった荒っぽさは無い。
けれど、祭りでの草競馬のシーンは迫力があり、あっと驚く素敵な場面もある。

ルークの弟のロマンスや、エレナーの叔父一家の意地悪ぶりと滑稽さもみどころだが、ルークがエレナーに初めて出会って以来気になって仕方なかった彼女の悪趣味な帽子にも注目して読んでほしい。最後に思わず笑ってしまう場面が待っているはず。


ロマンス小説、西部開拓時代に興味がある人、藁くじに興味のある人、是非一読を。
思わず笑みがこぼれる爽やかなラストシーンが最高。

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紙の本

ロマンスと西部劇の融合

2004/11/15 15:35

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:斜麓駆 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 叔父・叔母の元に預けられた賭博師の娘エレナー・ウィリアムズは20歳。南北戦争からそれほど時が経っていないこの時代ではすでに行き遅れ。町の雑貨屋の親父アンドリュー・ウェッブは4人の子持ちだが妻を亡くしており,行き遅れのエレナーを妻に迎えようと考えている。エレナーは仕方がないとは思いつつも,幸せな結婚,愛する人との結婚も望んでいる。
 銀行家である叔父の一人娘でエレナーのいとこに当たるアナベルは両親の愛情を一心に受け,愛らしい娘だが甘やかされて育ったため,エレナーを使用人のように扱い,意地悪をすることも多い。
 「バー・M・バー牧場」のルークとダニエルのマクレーン兄弟は,牧場をうまく経営しているが母親を亡くし,女手のないまま家の中は混乱を極めている。二人とも独身のため,どちらかが結婚することが必要だと話し合いから,どちらが先に結婚するかを藁くじで決めようとする。そして短い藁を引いた兄のルークは不本意ながら花嫁捜しに日曜日に教会の礼拝にやってくる。エレナーが条件に合うことを知ったルークは,エレナーと結婚するためにウィリアムズ家を訪れ,二週間後には結婚したいと申し込む。ウェッブとの結婚よりも,男前のルークとの結婚を承諾したエレナーだが,美しいいとこのアナベルではなく自分が花嫁に選ばれた理由を疑い,不安になる。結婚式は簡単に済んでしまい,エレナーは牧場でルークとの新婚生活をはじめる。
 20歳の世間を知らない娘が荒くれ男どもを手玉にとって,面倒を見ていく姿や,夫との関係を確立しようと努めていく姿は,西部劇を舞台にしたロマンスの面白さを満喫させてくれる。そして,草競馬で起こる大事件はカーチェイスのようなスリルを味わうことができる。互いに愛する気持ちをもちながらも,すれ違い,それを乗り越えて本当に愛し合う夫婦になっていくまでのロマンスと西部劇が見事に融合した快作。

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