紙の本
なんともやりきれない…
2005/02/05 15:09
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:tumtum - この投稿者のレビュー一覧を見る
杉原爽香シリーズ第17弾にして、目下、最新作である本書。爽香タンも31歳となったが、まだまだイケてる。
さて、相変わらず好調の赤川ミステリー。赤川作品の優れた点は、主人公のみならず、登場人物全般の描写の巧さにある。そして、そこに表れる多彩な登場人物は、総じて現代社会全体の縮図、万華鏡、人生絵巻といった様相を呈している。
その中には大別して [1] 全くの善人 [2] 善悪併せ持った人間 [3] 全くの悪人、の三種がある。大概の場合、殺人を犯すのは最後の類型であり、この種の人物は因果応報、ストーリーの最後に破滅することになっている。
しかし、本シリーズを追うにつれて明らかになってくるのが、爽香の兄、充夫が全くの悪人でありながら、のうのうと存続し続けていることであり、この許しがたい人物が爽香タンを大いに苦しめていることも相俟って、なんともやりきれない思いになる。確かに、この類が爽香の周辺に纏わり付いている(何といっても実兄!)ことが、爽香の人生をハッピーエンドにせず、したがって、シリーズの継続に一役買っており、また、この種の類型の対応物が我々の周囲に存在することもまた事実なのだが、それにしても読み手である我々には、この種の不快な存在をストーリーから抹消することが許されておらず、したがって、なんともすんともやりきれないのである。
紙の本
杉原爽香17冊目・31歳
2023/07/27 19:25
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投稿者:a - この投稿者のレビュー一覧を見る
今回は誘拐事件に巻き込まれます。 知り合ったばかりの隣人を家に招き入れ、子供を預けて外出するなんて、不用心にもほどがありますが、そこからが・・・。
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杉原爽香が15歳の時に始まり、毎年一話、ひとつずつ歳を重ねた爽香を主人公に物語が進み、17回目=17年目を迎え、杉原爽香31歳の物語である。
相変わらず あちこちに気を配り、自分はあとまわしの爽香がここにいる。性格というのは 歳を重ねても容易に直るものではないということを目の当たりにさせてくれる。そこが爽香の長所でもあるのだが。
登場人物もそれぞれに歴史を重ね立場も気持ちも少しずつ変わっている。が、あたたかく流れるものはいつも変わらずに物語りの底流を流れていて 安心させてくれるのだ。
ただ、河村刑事には 布子先生だけをいつまでも大切にしていて欲しかったな。ちょっとがっかり。
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シリーズ作品といっても、きっちり1年に1作なので、
殺し屋が最後まで謎の存在で、次回作(来年)のお楽しみというのは、ちょっと辛いなぁ。。。
2005/1/26
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赤川次郎の「さわやかさん」シリーズです。主人公の杉原爽香が毎年年齢を重ね事件を解決していっているシリーズの最新作です。
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登場人物が一年一作の刊行ペースと同じく、一年ずつリアルタイムに年齢を重ねるシリーズ。これで17作目になりますが、最初から楽しみに読んでいます。主人公も17歳からこれで31歳になりました。毎年秋頃に刊行されます。
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爽香の活躍に対して,ふがいない男性陣。
なんで、もっとしっかりしないのだろう。
たしかにヴァイオリンはでてくるが、虹色にはみえなかった。
刑事のふがいなさが一番腹が立った。
愛人に子供をつくっておいて、安全を考えないなんて。
かっこいい女性ほど、まわりになさけない男が集まるのだろうか。
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爽香シリーズ第17弾。杉原爽香 31 歳の冬。新しい高齢者用住宅の準備計画“R・P”の中心人物として活気ある毎日を送る爽香。しかし、兄・充夫の借金癖には悩まされ続けていた。一方、河村の愛人・志乃の隣室に引っ越してきた“佐藤”という男は、一見善良そうだが……。また、Pハウスの入居者で女優の栗崎英子の仕事先で、爽香の秘書・麻生が車で怪我させてしまった少女が突然映画デビューして、女優の栗崎英子が……。河村刑事が愛人にがっかりした。
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爽香の秘書と、河村が昔捕まえた犯罪者の元妻との恋話を軸に、映画と音楽に純粋に頑張る子供たちの姿を重ねて描かれた良品。
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河村の娘の爽子がヴァイオリンを習い始めます。大きくなりましたね~一方で河村の愛人の志乃の隣室に佐藤という男が引っ越ししてきます。この男が問題で、周りを巻き込んでいきます。この巻で果林とも中川とも出会います。私は密かに果林ちゃんを応援しています!がんばれ!この巻も登場人物の男がしょうもなかったです。傷つけられた女の方から身を引くなんて許せない!爽香も苦労が絶えないですね・・・・
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内容(「BOOK」データベースより)
新しい高齢者用住宅の準備計画“R・P”の中心人物として活気ある毎日を送る爽香。しかし、兄・充夫の借金癖には悩まされ続けていた。一方、河村の愛人・志乃の隣室に引っ越してきた“佐藤”という男は、一見善良そうだが!?また、爽香の秘書・麻生が車で怪我させてしまった少女が突然映画デビューして!?事件に仕事に息つく間もない爽香が大活躍の大好評シリーズ第17弾。
令和2年1月14日~15日
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今回は母娘の話が軸になる展開。様々な状況の中で娘を守るためにそれぞれの母親が思い悩み決断をする。
今では考えられないが隣人に対してあまりにも不用心であり、その結果さらわれてしまうのはどうかと思うが、河村と佐藤の因縁がよく分からないし、何故出所したばかりの佐藤が殺し屋に狙われているのかもよく分からない。
殺し屋:中川が今後爽香の味方になるのか敵になるのか不明だが、登場させるならもう少し背景の描写があっても良かったのではないだろうか。
10才上のクズ兄貴が何とも許しがたくなってきている。
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49歳→39歳→40歳→41歳→42歳→43歳→44歳→48歳→47歳→46歳→45歳→38歳→37歳→36歳→35歳→34歳→夢色のガイドブック→33歳→32歳→31歳
「本当ね。いい友だちにまさる財産はないわ」
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爽香、31歳になるが、相変わらずくず男吸い寄せパワーがハンパじゃない。ただ、この巻のくず男度は少し低かった。また、赤川さんの結末の付け方がこれまた相変わらずだけどすごい。この間で河村刑事は少しは前に進めるのだろうか・・・