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商品説明
無能なトップ、暗躍する人事部、社内に渦巻く不満と嫉妬…。日本を代表するリーディングカンパニーは、「成果主義」導入10年で、無惨な「負け組」に転落した! 富士通「成果主義」運営の当事者が、内側から見た事実を語る。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
城 繁幸
- 略歴
- 〈城繁幸〉1973年山口県生まれ。東京大学法学部卒業後、富士通入社。人事部門にて、新人事制度導入直後からその運営に携わる。
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紙の本
直輸入型成果主義人事制度は駄目で,日本型成果主義を確立しなきゃなりません!
2009/10/14 00:30
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:BCKT - この投稿者のレビュー一覧を見る
Chapter 1 急降下した業績
Chapter 2 社員はこうして「やる気」を失った
Chapter 3 社内総無責任体制
Chapter 4 「成果主義」と企業文化
Chapter 5 人事部の暗部
Chapter 6 日本型「成果主義」の確立へ
著者は1973年(山口県)生まれ。東大(法)卒(労働法)。富士通入社(97-04年(24-31歳),人事部)。株式会社ジョーズ・ラボ代表取締役。本書は著者が31歳の時の作品。手許のは,発行ひと月足らずで4刷。話題になった本でした。『若者はなぜ3年で辞めるのか?』(06年)。
天下の富士通とは,“コンピュータ世界上位。通信、半導体も手掛ける。ソフト、サービス国内首位。官需依存度高い”。著者は法人顧客が多いと書いてました。「パソコンはNECに次ぎ2位のシェアであり、本体は国内で製造している。携帯電話は国内シェア4位だが、実質NTTドコモのみの供給であることを考えれば好調」(Wiki,この辺が“親方日の丸”的な体質なんだろうなぁ。)。「09年,間塚道義が代表取締役会長兼社長に就任」(Wiki)。「設立年1935年(上場1949年)」「従業員数(単独) 25,899人,(連結) 165,612人)「平均年齢 41.1歳」(ちなみにバブル入社組は09年時点で45歳前後),「平均年収 8,430千円」(Yahoo!ファイナンス)。時間軸を十年にして株価推移をみると,早期退職優遇制度を発表し,大規模リストラをやり始めた01年には4,000円台にあったのが,その後02年1月ごろに1,000円割れして以来,09年現在,全く回復の兆しなしです(NECも似たようなもんですが)。こりゃ株主総会で経営陣はぼろかすに叩かれて然るべきでしょう。09年,フランクフルト証券取引所・スイス証券取引所へ上場廃止を申請(Wiki)。本書で著者に悪玉扱いされている秋草直之(38年生まれ,当時社長)は,「富士通株式会社取締役相談役(2008年6月-)、関西大学政策創造学部客員教授」(Wiki)。なに教えてるんだろう?!
山田久(日本総研調査部主任研究員,当時)は人件費について,89年(バブル期)には総額257兆円だったのが,97年には329兆円,02年(試算)には330兆円(対比1.28倍)と,三割増に近い高騰を指摘している(『大失業』102頁,99年,図3-4)。富士通に限らず,年功序列の人件費増大はすべての大企業にとっての重圧となっているはずだ。『経済白書』でも,労働分配率の高さを指摘する図が載っていた(年度は忘れたよ)。こうした時代を背景とした本書の内容ですが,直輸入型成果主義人事制度は,富士通が好個の失敗事例となっており,日本型成果主義を確立しなきゃなりません!というもの。Chapter 6の提案が具体的でよい。
元勤務先を失敗例に挙げ,元所属先(人事部)を「暗部」(Chapter 5)として描き,組合を“第二の人事部だ!”呼ばわりしているところからも,内部告発的な著作であることだけは殆どの方々と合意できると思う。在職当時,著者が社内で孤立していたであろうことも推測できる。普通は恨み節だけに終始するのが三流の告発本の限界だが,本書には著者の理性と知性の歯止めがあって,Chapter 6に見られるように,それだけに終わらせていないところには好感が持てた。
光文社さん,あの~~,言いにくいんですけど,大学文系研究者の論文よろしく,こまごました語句の直後に英語を付すのは,ひじょ~~~に読みにくいです。しかも,たまに“??これって適切?”な表現もあったし,著者がバカっぽく見えるので止したほうがいいと思います。
(1356字)
紙の本
嫌成果主義の潮流を生み出した1冊
2009/08/22 13:38
5人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:やすのり - この投稿者のレビュー一覧を見る
もう数年前から、どうやら成果主義を批判することが格好良く、今風であるという潮流がある様に感じる。もちろん、批判は大切だろう。そもそも、人事制度に完璧なものなどなく、絶え間ない検証により鍛えられることによって、より良いものにブラッシュアップさせて行くことは必須である。
ただ、成果主義に対する言説は玉石混交である。正当な批判や検証もないわけではないが、大部分が昨今の雰囲気や空気に安易に乗っかった、『嫌成果主義流』とでも言うべきレベルに留まっているイメージがある。
極めて単純な誤解と思うのだが、成果主義を批判する際に、『成果=売上・利益』という前提が当然のごとくに語られていることが不思議でならない。
成果主義を多少でも勉強すれば、『成果』には組織活性化や部下育成、長期的な視点からの業務改善や顧客満足向上などが当然に含まれるし、であればこれまた当然に、これらの成果を出すための、部門・個人の目標が設定され、こうした行動を取った人が高く評価されるはずである。(もちろん、現実の運用が簡単に行かないことは承知しているが、少なくとも考え方の上では、こうした構造である。)
つまり、『成果主義』の元でも、評価すべき『成果』の定義さえ間違えなければ、組織活性化や部下育成、長期的な視点からの業務改善や顧客満足向上などを推進することが可能なはずである(繰り返すが、少なくとも理論上はである。現実の運用にはそれでも多大な困難が伴うだろう)。
なのに、『成果=売上・利益』という、正しくない前提を元に、「成果主義を導入したせいで、社員が部下育成を省みなくなった」、「成果主義のために、目の前の業績だけを考え、本当の顧客満足がおざなりになっている」などの言説が『正論・良識ある意見』として広く流布し、「成果主義は日本の風土には合わない」という雰囲気・空気が強く醸成されつつあることを、不思議な気持ちで眺めている自分がいある。
本書は、現在のこうした潮流を生み出す元となった1冊だろう。文筆業の方にとって、どんな性質のものであれ、世の中に大きな流れを生み出すことは誉れであろうし、こうした潮流をきっかけとして、より本質的な成果主義への検証と(正当な)批判が生まれ、新たな道が示されるかもしれない。そうした意味では、非常に意義のある1冊だったのかもしれない。
紙の本
完全暴露
2004/07/28 01:23
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:現社員 - この投稿者のレビュー一覧を見る
ついに…と言うか、ようやくと言うか、完全暴露、事実本が発刊されました。まずは、このおぞましい事実を公表してくださった著者の城氏に対して、感謝の意を表したいと思います。本当にありがとうございました。この本の内容は、誠に残念ながら事実です。リアリティなどという生易しい表現では語れません。事実がどれほど重いモノなのか、この本を読んだ方は痛感することでしょう。私は関連会社従業員ですが、富士通本体の人事評価制度が寸分の狂いなく、私の会社でも運用されています。この事実の公表が、富士通そして関連会社の人事制度改革につながってくれることを心から願うばかりです。
紙の本
人ごとではない
2004/11/26 18:43
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:夜が苦手なふくろう - この投稿者のレビュー一覧を見る
まず第一印象。良くここまで書いたものだ。
第二印象。ウチの会社もまずいんじゃないの?
私の勤める会社もご多分に漏れず人事制度に「成果主義・目標設定制度」が設けられている。そして、制度の変更方針がこの本に書かれている状況に似てきているのである。間違った成果主義に傾く企業の行く末に関する顛末は、我が社にも当てはまりかねないだけに、もはや下手なモダンホラーよりよほど怖い戦慄の内容となっている。
日本企業の人事担当、経営陣は必読の本と思われる。そして我が社も富士通の轍を踏まないよう祈るしかない。頼みますよ、本当に。
紙の本
困ったものです成果主義、でもね。
2006/06/27 16:02
5人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:だいちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
もうすでに成果主義を実践している企業が多い中、今さらこの本を読んでもね?といわず今一度読み直してみると成果主義は本来個人の働いたまたは能力によって給与が支払われるという画期的なシステムなのだ。
しかし、たとえば包丁の使い道は食事を作ることと、もう一つあげれば「殺人」である。中間管理職のみなさまは、お疲れでしょうが、使い方を殺人に使った場合と美味しい料理を作るためにつかった場合とを考えながら、さあーどうぞ。
紙の本
富士通の将来が楽しみ
2004/09/18 16:31
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:六等星 - この投稿者のレビュー一覧を見る
暴露本というのは、政界や芸能界にはよくあるが、企業の人事制度をここまで書いてしまって、良いのであろうか。著者は退職したとはいえ、就労中に得た情報については守秘義務を負うであろうし、場合によっては名誉毀損なり契約違反なりで、訴えられるのではないか。
などという余計な心配はするものの、内容的には非常に興味深い。個々の記述については、事情を知る人から見れば、一方的な解釈だとか個人的な感情論だとか、という意見もあるのかもしれないが、人事や組織を少しでも考える立場からは、本書により富士通がどう変わるか、に注目したい。
これをきっかけに富士通が原点に立ち返り、3年後、5年後に内外が絶賛するような会社に生まれ変わっているかもしれない。逆に、第2、第3の暴露本が出てくるかもしれない。しばらくは目が離せないであろう。
それにしても、この光文社のペーパーバックス。英語混じりの「4重表記」(漢字、ひらがな、カタカナ、外国語)なのだが、やたら読みにくい。外来語を、正確に原文表記するために、カタカナの代役として使用するのならまだしも、日本語の英訳が、唐突に断片的に挿入されているため、読み手の流れをいちいち遮る。(その英訳も時々怪しい。)著者の若い感覚の粋の良い文章が死んでいる。「日本語表記の未来型」だそうだが、止めて欲しい。