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商品説明
生きる元気が出てくる写真ポエム絵本。生き物たちの「生まれたて」を、みずみずしいネイチャー写真と楽しい言葉で構成しました。「世界は毎日生まれたて」がキャッチフレーズの「おはつ」の絵本です。【「TRC MARC」の商品解説】
朝日のお初。木の芽のお初。春のお初。お初の抱っこ。「世界はまいにち生まれたて」をキャッチフレーズに、生き物のお初をみずみずしいネイチャー写真と工藤直子さんの楽しい言葉でつづります。【商品解説】
著者紹介
工藤 直子
- 略歴
- 〈工藤直子〉1935年生まれ。詩人。童話作家。「てつがくのライオン」で日本児童文学者協会新人賞、「ともだちは海のにおい」でサンケイ児童出版文化賞を受賞。他の作品に「あいたくて」など。
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紙の本
あなたの「おはつ」も元気でありますように。
2006/09/29 09:02
7人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:銀の皿 - この投稿者のレビュー一覧を見る
フォトポエム絵本、となっているこの本は、動物や植物の写真に工藤直子さんが短い詩をつけたもの。どれも「おはつ」=「はじめて」という気分の写真、文章でまとめられています。「おはつ」という言葉も、懐かしい響きですね。どこを開いても、撮影者の被写体への愛情、工藤直子さんの生き物になりきった心がいっぱい。「はじめて」のわくわく、どきどき、いろんな感情が思い出されてきます。最後にある、撮影者の名前のある頁に添えられた言葉までも素敵です。
写真をじっくりみて、言葉もゆっくり味わって欲しい本です。
いくつか紹介してみましょう:
・「おはつ」にジャンプをしようとしている、しっぽもまだ重そうに残っているなりたてのカエルの子。ちょっと心配な心境と励ましの言葉が詩として添えられています。
・ぱったり「おはつ」に出会ったバッタとカマキリはベストショット!一本の草の葉の上でみあった二頭。びっくりして踏ん張った足、構えた顔つき。はじめて出遭った「こいつはなんだ!」の驚き。「おっ?/おっ!/おーっ?!」の言葉は、これ以外言えない状況が手に取るようです。間をぬける風を見た工藤さんの詩も絶妙。この写真集の中での一番のお気に入りです。
・生まれて二時間の子象を母象の鼻が「おはつ」に抱っこをする。抱かれてほっとしているような、全てをあずけている子象の顔がなんとも言えません。
・一本の草の茎にとまっているノビタキの雛。まだ幼鳥の羽がぬけきらないでぽやぽや残っているのは巣から「おはつ」に出たところでしょうか。ぷるぷると肢の震えまでがみえるよう。ちょっとぼんやりした顔つきに隠された心をそのまま言葉にしたような詩です。
・初春のコブシの白い花、カエデの新緑は確かにその年「おはつ」の山からの便り。「おはつ」は生まれたての者たちにあるばかりではないのですね。
・最後の写真は、夕陽に照らされてはさみを振り上げているカニ。明日を待ち望む祈りの姿にも似ています。<またあした「おはつ」のいちにちをつれてきて>。この言葉は一枚目の、毎日の「おはつ」の日の出に戻っていきます。
毎日毎日、おなじ日などはなく、「おはつ」の感動が、「おはつ」の喜びが、悲しみまでもがきっとそのたびに「おはつ」なのだと思わなくてはいけないのかもしれませんね。いつまでも、いつまでも、いくつになっても。古代文明のころから、人は同じようなことをぐるぐると考え続けているのも事実だけれど、一人ひとりの人間にとっては、その時その時「おはつ」だというのも事実なのですね。
工藤さん、撮影者の皆さん、素敵なことに気付かせてくださってありがとう。わたしの「おはつ」もまだ健在のようです。
この本には第二弾として「よいしょ」というのも出ています。