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紙の本

薔薇と狼 (ハーレクイン・ヒストリカル)

著者 マーゴ・マグワイア (作),吉田 和代 (訳)

薔薇と狼 (ハーレクイン・ヒストリカル)

税込 946 8pt

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紙の本

強情娘の謎と傲慢な騎士の奪還劇。中世イングランドを舞台としたロマンス。

2005/12/13 11:42

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:三度目の正直 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 本書は著者のデビュー作。こんな凄いものを書いてしまう新作家の登場に拍手を送りたくなった。はっきり言って、読み終わるまでロマンス小説だということを忘れていたくらいにスペクタクル。とにかく何もかもが巧く、その完成度の高さには唸らずにはいられない。映画で観たら面白いだろうなとさえ思ったほどだ。
舞台は1421年イギリス。
国王ヘンリー五世の命令で、はるばるノーサンバーランドまで来た騎士のウルフレム・ゲアハート・コールストン(通称ウルフ)。王命は、サマズ男爵の義理の娘であるキャスリン・サマズ(通称キット)をロンドンまで連れてくること。こんな辺境の地の娘になんの用があるんだと王の意図をいぶかしく思い、また、そんな役にわざわざ王の補佐役である自分が選ばれたことに腹を立てていた。
一方、キットの方も国王が自分のような田舎娘に何の用事が?とさっぱり分からない。だが、彼女はこの地をどうしても離れたくない理由があり、ウルフら王の使者たちから逃げる機会をうかがっていた。
 また、もう一つ、ウルフにはどうしても遣り遂げなければならないことがあった。亡くなった父と兄の敵討ちのためにも、かつて従兄弟に奪い取られたウィンダミア城を取り戻すことが彼にとっては何よりも重要な目的なのだ。
王がキットをロンドンに呼び寄せた謎に加え、このウルフのウィンダミアを取り戻す復讐・奪還劇が物語の二本柱となり、さまざまな展開を見せていく。
気の強いキットと傲慢なウルフは何度も衝突し、その言い争いは時にぷっと笑ってしまいそうになるほどに面白い。でもムキになって言い返すキットが妙に可愛いかったりする。
 最後には二十年にもわたる苦しみからやっと解放されたウルフにほっとした。そして、義父に殴られるなど虐げられながら酷い暮らしをしてきた少年のような身なりのキット。彼女が幸せを手に入れた時は本当に安堵した。
やっぱりシンデレラストーリーは最高!と目をキラキラさせてしまうこと必至な一冊です。

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2004/12/12 14:27

投稿元:ブクログ

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