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マルドゥック・スクランブル The Second Combustion−−燃焼 (ハヤカワ文庫 JA)
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紙の本
「ゲームはゲームです。私が勝手にあなたから学びます」
2003/07/23 21:17
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投稿者:成瀬 洋一郎 - この投稿者のレビュー一覧を見る
15歳の少女バロットは禁断のテクノロジーによって命を取り留めた。だが彼女に手術を施した者でさえ、全身を覆った人工皮膚と彼女の適合が、ここまで完璧なものになるとは予想していなかった。今や彼女は息をするように周囲の電子センサーに介入して撹乱し、パートナーとなったウフコックと共に正確無比な射撃で敵を倒していく。だが戦いの中で目覚めた能力に酔ったバロットは暴走し、濫用されたウフコックは血を吐き、小さなネズミとして崩れ落ちる。
そしてウフコットを救うために、禁じられた科学技術誕生の地<楽園>を訪れた彼女は、戦争終結によってこの世から葬り去られようとしていた科学技術を守るため、3人の偉大な科学者がそれぞれに選択した3つの方法を聞かされる…。
2作目の「燃焼」では、自分を殺そうとした男を裁くための生き証人となった少女が、証人を抹殺しようとする敵にたいして、守勢から攻勢へと転じていくプロセスが描かれています。虐げられ、あるいは守られるだけだった彼女が強力な力を手に入れ、溺れ、挫折し、そして再起し、反撃に転じていくさまが二転三転する舞台と共にテンポ良く描写されていきます。
物語は常に動いています。静かに座って会話をしている「静」の場面でさえ、別のどこかでは敵が反撃のために活発に動き回っており、すぐ次の瞬間にでも「動」の場面に突入しようとしています。こうしたリズムが物語を動かしているようです。
さて、この巻にも、魅力的かつ異形の人物(?)たちがいろいろ登場しますが、いちばん印象に残っているのは終盤になってバロットらが挑むことになる老婦人ベル・ウィングでした。見た目はいちばん地味で(まともで)、活躍する場面もさほど多くないのに、いちばん格好良かったですね。この作品を少女の成長の物語として見るのであれば、浅からぬ因縁のある相手やとても勝てそうにない強敵以外にも、自分が意図するしないにかかわらず戦いを通じて生き様を見せつけてくれる年長の好敵手というのは不可欠の存在です。
いちばんの名勝負だったと思います。
紙の本
内容紹介
2003/12/01 23:43
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投稿者:bk1 - この投稿者のレビュー一覧を見る
次世代型作家のリアル・フィクション
その激情に、銃は血を流す
ウフコックと乖離したバロットは“楽園”へ・・
緊急事態において科学技術の使用が許可されるスクランブル−09。人工皮膚をまとって再生したバロットにとって、ボイルドが放った5人の襲撃者も敵ではなかった。ウフコックが変身した銃を手に、驚異的な空間認識力と正確無比な射撃で相手を仕留めていくバロット。その表情には、強大な力への陶酔があった。やがて濫用されたウフコックが彼女の手から乖離した刹那、ボイルドの圧倒的な銃撃が眼前を襲う・・緊迫の第2巻!
冲方 丁
1977年岐阜県生まれ。早稲田大学中退。在学中の1996年に『黒い季節』がスニーカー大賞金賞を受賞してデビュー。『ばいばい、アース』『カオスレギオン』『ストーム・ブリング・ワールド』などのファンタジイ・ノベルほか、伊藤真美のコミック『ピルグリム・イェーガー』では原作を手がけ、また数々のゲームの企画開発にも携わっている。