昨年2010年の日本映画界は、「時代劇映画」豊作の年だったという。その中でも本書の映画化は異彩を放っていた。「家計簿の本が、どうやったら映画になるのか」という声もあったものの、ある家族のドキュメンタリーを見るようで興味深かった。本書は、サブタイトルにあるように「加賀藩御算用者」である猪山家三代の家族史を、その家計簿=入り払い帳をもとに再現している。家計簿だけに、文字通り「身辺」の再現になっているのである。 時代劇映画とはほぼサムライ映画のことであり、その基本はチャンバラとなる。ところが、本書の主人公である侍は刀を抜かない。御算用者=経理みたいなものだから、当然ではある。実は「最後の忠臣蔵」も…
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