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- カテゴリ:一般
- 発行年月:2003.3
- 出版社: 洋泉社
- サイズ:20cm/217p
- 利用対象:一般
- ISBN:4-89691-708-1
紙の本
エコロジーだけが経済を救う
地球を滅亡から救い、膨大な雇用を創出して、男と女に人間的で豊かな暮らしを約束する道を提案。ヨーロッパ各地の先進的な事例に依拠しながら、開発か環境保護かという旧来の二項対立...
エコロジーだけが経済を救う
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商品説明
地球を滅亡から救い、膨大な雇用を創出して、男と女に人間的で豊かな暮らしを約束する道を提案。ヨーロッパ各地の先進的な事例に依拠しながら、開発か環境保護かという旧来の二項対立を越えた新しい道を提示する。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
フランツ・アルト
- 略歴
- 〈アルト〉1938年生まれ。68年より南西ドイツ放送局に勤務。未来編集局長を務めるかたわら、社会問題を取り扱った番組を制作、司会も務める。
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紙の本
環境と経済は対立用語ではない
2003/08/12 13:32
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投稿者:良泉 - この投稿者のレビュー一覧を見る
まず、本の帯にあるコピーから。「環境か?経済か?ではない。環境も経済もだ」。えてして環境保護と経済発展は対立する用語として意識されてきた。環境負荷軽減のための制約が経済の持続的拡大を妨げるものとして認識されてきた。しかし、この本の著者は、環境と経済は両立する、いや一歩進んで、環境こそが経済を救うと言い切っている。その根拠というか、ノウハウが、この本にはいっぱい詰まっている。
著者はドイツの放送局で番組の編集・司会を勤めるジャーナリストである。失業者の増大と環境破壊というドイツの現状を救う手だてとして、「ソーラーエネルギー」「交通システム」「農業革命」をキーワードに、完全雇用を目標値としたこれからの新たな方途を指し示している。
太陽・風など自然に依拠したクリーンエネルギー産業の推進。鉄道・自転車交通の優先など自家用車交通からの脱却による環境負荷軽減。有機農業・バイオマスの活用による食物の質向上とエネルギー創出。など、環境に配慮する産業構造を作り出すことが、さらなる雇用を生み出し、ひいては労働者個々の豊かなライフスタイルを生み出す例が数多く示されている。これからの世界経済の向かうべき方向は明らかなのである。
さて、ひるがえって、我が国日本の現状はどうであろうか。失業率の増大と環境破壊の現状は、決してドイツにはひけをとらないはずである。特に労働者の日常はあいかわらず他国から「仕事中毒日本」と呼ばれるにふさわしい状況を呈している。経済の低迷の中で生き残りを賭けた仕事の取り合いを行い、失業率の低下を一層進めるという悪循環。そしてさらに悪いこと、もっとも問題なのは、このようにして勝ち得た労働・生活様式は決して本来の“人間らしいライフスタイル”とはほど遠いものであることに、労働者自身が気づいていないことである。
日本ほど、今、真の意味でのワークシェアリングが必要とされている社会はないのではないか。それにより当然、収入は今より少なくなることを覚悟しなくてはならないが、あらたにたくさんの個人の時間がもたらされる。時間を有効に活用し、本当の豊かな社会の実現を目指す時である。