第一話『白い猫』、第二話『密通浪人』と、小兵衛の亡くなった妻お貞にまつわる話が続く。夏の終わりのある朝、おはるが首をかしげるほどの上機嫌で、小兵衛が、珍しく両刀を帯して、出かけて行く。実は、果し合いに行くのだが、途中で、お貞と一緒に飼っていたタマにそっくりの白い猫に出逢い、その猫を虐待しようとした浪人たちを懲らしめたら、とうとう、果し合いに遅れるほどの騒動になってしまった。この果し合いの相手平山源左衛門のそばには、若者が仕えていて、源左衛門を案ずるのあまり、小兵衛を敵(かたき)のように憎んでいるようす。これはあの、『剣客商売』第一巻第二話『剣の誓約』の大治郎の師の嶋岡礼蔵の果し合いの相手と同様…
|