安永十年改め天明元年師走の或る夜、秋山小兵衛・おはる・大治郎・三冬が、和気藹々と晩餐を楽しんでいたとき、「あきやまだいじろう」と名乗る頭巾の侍が路傍で旗本を殺害した。以後、田沼意次の家来と松平定信の家来とに対して、「あきやまだいじろう」と名乗る頭巾の侍による殺害が続く。大治郎はついに評定所に呼び出され、拘置された。重苦しい。現実に、無実の罪で捕えられ、何年も、ときには十何年も服役し、出獄したときには、親も死んでおり、その後で冤罪だったことがわかったが、失われた人生は戻って来ない……という事例が、最近、明るみに出ただけでも、一つならず、ある。ましてや、過去、明るみに出なかったものまで含めたら、ど…
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