前の『剣客商売』第四巻『天魔』の後半の『鰻坊主』『老僧狂乱』から、まだしつこく、例の「饅頭」の話を引っ張っている。それに同じく第四巻『天魔』の『約束金二十両』のきつい突っ込み「秋山うじの孫女でござるか?」より少し婉曲な「先生御息女であられますか?」という突っ込みもある。しかし、この第五巻第一話の表題作『白い鬼』は、恐ろしく、そして、哀しい話でもある。小兵衛の往年の弟子の愛すべき人柄が生き生きと描かれた後で、彼が死んでしまうのも哀しいが、その人を殺した憎むべき「白い鬼」が捕えられ獣のように泣き叫ぶ姿もまた、哀しい。美しい男が「白い鬼」になったについてはそれなりの、「かわいそうな生い立ち」もあるの…
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