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スピノザ 実践の哲学 (平凡社ライブラリー)
大切なのは単なる理論でも実践でもない。概念の発明と情動の開放とを結びつけること。生の総体を自由な出会いと相互触発へと促してやまないスピノザからの力強い風。94年刊に付論、...
スピノザ 実践の哲学 (平凡社ライブラリー)
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商品説明
大切なのは単なる理論でも実践でもない。概念の発明と情動の開放とを結びつけること。生の総体を自由な出会いと相互触発へと促してやまないスピノザからの力強い風。94年刊に付論、年譜・書誌を加筆。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
G.ドゥルーズ
- 略歴
- 〈ドゥルーズ〉1925〜95年。パリ大学に学ぶ。フランスの哲学者。著書に「差異と反復」「襞」「マゾッホとサド」など多数。
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唯物論者、反道徳者、無神論者スピノザは、レンズを磨きつづけた。
2005/06/28 01:01
5人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Straight No Chaser - この投稿者のレビュー一覧を見る
「身体/精神」の二分法や「内/外」の二分法は、それを方便として用いようとするとき、とても嫌な臭いを発する。「心の内でなにを思おうとそれは人の勝手であり、どんなに悪辣な事柄であってもそれを身体的行動に表わさなければ、まったくなんの問題もないのである」、極端に(若干の悪意を込めて)文章にするなら、そんなふうに。いわば現実主義的に。
そんななかでスピノザの「心身並行論」が、なにか希望のようなものを育んでくれるのは、それが「毒をもって毒を制する」というようなスタンスとは無縁のところに発しているからだろう。
『女と男と帝国』のなかに丹生谷貴志は書いている。
「我々はこの世界と我々自身を、『身体』と『精神』の二重の自由、その単純さ故に手に余るほどの『自由』として生きつつ、発明し続けるのである。
……そして再び、幾たびも、妥当なる限定を発明し続けなければならない。これが残された『義務』である。」
「身体」の不自由を担保として「精神」の自由を得ようとすること、「精神」の不自由を担保として「身体」の自由を得ようとすること、それはできない相談なのだ。「精神」には「精神」の自由があり、「身体」には「身体」の自由があるのだから。
他人事のように傍観者の位置にあること、状況の外部に立っているかのようにして批難することも、やはりできない相談である……人が「身体」と「精神」をもって生きているということ、世界が「自己」と「他者」をもってあるということ……そこにはそれぞれの自由があって、その自由を、人は「妥当なる限定を発明し続ける」「義務」として、その「義務」を通して生きるのであろう。
どうにもこの文章は、草原をわたる風のようなスピノザ〜ドゥルーズ〜丹生谷の文章とは、似ても似つかぬ代物になってしまってます……そこで、まったく無関係だが、万葉集のなかの沙弥満誓(さみまんせい:Priest Mansei)の歌を置いてみる→
「世の中を 何物(なに)に譬へむ 朝びらき 漕ぎ去(い)にし船の 跡無きごとし」
リービ英雄は『英語でよむ万葉集』のなかでこの歌を取り上げて、こんなふうに書いています。「priestが詠んだ、これは仏教歌である、とか、『世の中』は無常であり、はかないものである、とは言わず、人間の活動が世界の表層をすべるように横切り、世界の表層で跡もなく消えてゆくというイメージをもって歌う。その手法は、たぶん、どの言語にも翻訳可能だろう。/視覚的で、動的な、ことばによる『映像』に近いこの手法は、日本語がはじめて書きことばになった時代の、その書きことばの醍醐味なのである。」
で、「視覚的」ということについての丹生谷さんの文章→
「僕は視覚的なかたちでしかものが考えられないんですよ。だからフーコーなりドゥルーズなりを読んでも思念的なかたちで理解するのにはすごく時間がかかってしまう。それが、具体的な像という意味ではないのですが、何か、鮮明な視覚像のようなものとして見えて来ないと何も理解出来ないんです。これは、彼らの思考を比喩的に示す視覚的イメージということではなくて、文字通り視覚的に、ということなのですが。空間を走るレーザーの線みたいなものでもいいから、ともかく或る思考が視覚的な像そのものとして見えてこないと……」(『死者の挨拶で夜がはじまる』)
The way a boat rowed out from the morning harbor leaves no traces on the sea
(translated by Hideo Levy)
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何度も読み返したい
2016/08/12 02:20
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:グランドマスター - この投稿者のレビュー一覧を見る
第4章の『エチカ』主要概念集の・意識、・観念、・原因の3つが難解ではあったが、それでも読みやすいし、具体例や絡まった紐を解くような説明のおかげで掴みやすく感じられた。一回目を通しただけでは完全に理解できたとは言い切れないので、手元においておきたい書物。
冒頭の小説の引用ではないが、不思議に引き込まれるものがある。