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紙の本
短いと侮ることなかれ
2002/08/03 22:32
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ピエロ - この投稿者のレビュー一覧を見る
文庫版で160ページ弱、長編というよりは中編なのですが、十年前に起きた事件を調査した手記と現在、さらには追う者と追われる者の立場が交互に描かれていて、文章の魔術師にして倒叙ミステリの帝王・折原一のエッセンスが、短いだけにギューッと詰め込まれた感のある作品です。
書名にもある樹海の恐さ、不気味さもよく伝わってきて、あわや遭難か?という場面を読んでいると、背筋が寒くなってきます。
ちょっと時間のあるときに読むのにちょうどよい分量なのですが、短いからと侮っていると、最後にアッと驚かされますよ。
紙の本
叙述トリックは難しい。そこに挑戦し続ける著者が好き。
2012/04/02 14:11
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:惠。 - この投稿者のレビュー一覧を見る
叙述トリックに尋常なまでの情熱を注ぐ作家、折原一。
叙述トリックは難しい。
著者が心血注いで生みだしたトリック。
しかし残念ながら読者の目は慣れてくる。
そして「もっともっと」を要求する。
だけど…そんなにバリエーションないんだよな、
叙述トリックって。
だからマンネリ化する。
それはある意味、仕様のないことなのだけれど、
新しい作品が刊行されるたびに読者は
あの感動を超える作品を求めてしまう。
そして大概、がっかりする。
それは仕様のないことなのだ。
と、理解していても求めてしまう。
わたしももちろんそんな「求める」ひとり。
だけれども、がっかりはしない。
むしろ愛おしく感じてしまう。
これはある種の病かもしれない。
本書は樹海シリーズの第一作。
叙述トリックなのであらすじは書かない(ネタばれ防止のため)。
先にシリーズの『黒い森』を読んでしまっていたので、
だいたいのトリックは見当がついた。
そしてその通りの展開だった。
でもいいんだ。
刊行順に読まなかった自分が悪い。
刊行順で読んだら読んだで『黒い森』で
予想通りの展開を読むことになるのだろうけれど、
それはまぁ、それでいい。
驚きを求めて読書をするのも一興。
著者の心意気を買って本を買うのも一興。
十分満足した一冊だった。
(ただし、人にはすすめませんが)