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商品説明
日清戦争のとき広島に建てられた凱旋碑は、そのまま平和塔となった。女装姿のヤマトタケルのイメージは、実は明治につくられたもの。記念碑、肖像写真や見世物など、歴史に埋もれた物を掘り起こし、日本人の美意識を辿る。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
木下 直之
- 略歴
- 〈木下直之〉1954年浜松市生まれ。東京芸術大学大学院中退。東京大学総合研究博物館助教授等を経て現在、東京大学大学院文化資源学研究室助教授。著書にサントリー学芸賞受賞の「美術という見世物」等。
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紙の本
皇室から仮設住宅まで
2003/01/23 22:11
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投稿者:成瀬 洋一郎 - この投稿者のレビュー一覧を見る
かつては不思議だったことも時が経てば当たり前になり、珍しかったものもありきたりになる。逆に、その昔は誰もが知っていた事物であっても、今では誰も知らなくなっている。そんなものは探せば世の中には幾らでもあるものらしい。それも1000年も前のことではなく、せいぜい50年100年前の話なのだ。
この本は、主に「風景」をテーマに、“近代日本”が“現代日本”になる過程で忘れ去られていったものたちを集め、紹介し、著者の思いをそれに乗せている。紹介されているものは、たとえば戦艦三笠であり、日露戦争凱旋碑であり、坂本龍馬や大村益次郎の銅像であったりするし、ときには肖像画や見せ物小屋であったりする。
どれも今となっては誰の興味もひかないものだ。何かの記念碑や見せ物など、もし今誰かが「一緒に見に行こう」と誘いに来てもよほどのことがなければ断ってしまうだろうし、化石や美術作品にしてもよほど好きでなければ無視するだろう。しかし、それを大勢の人が競って見に出かけた時代があったのだ。
こうした歴史の断片も、こうした形で切りだし並べることにより、「そういう時代があったんだ」と認識することができる。これはなかなか面白い体験だ。価格は3800円と少々高い。しかし実際にこれらのどれか1つでも見に行こうと思ったら、それくらいの予算では不可能だ。いつもとはいかないが、たまにはこれくらいの出費も良かろうと思った次第である。