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- カテゴリ:一般
- 発行年月:2001.12
- 出版社: 東洋経済新報社
- サイズ:20cm/360,10p
- 利用対象:一般
- ISBN:4-492-22211-1
紙の本
日本型資本主義と市場主義の衝突 日・独対アングロサクソン
【エコノミスト賞(第42回)】現在日本はなぜ、アングロサクソン的競争一点ばりの社会を目指して全面改革をしようとするのか。日本とドイツの資本主義と英米の資本主義の異なったあ...
日本型資本主義と市場主義の衝突 日・独対アングロサクソン
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商品説明
【エコノミスト賞(第42回)】現在日本はなぜ、アングロサクソン的競争一点ばりの社会を目指して全面改革をしようとするのか。日本とドイツの資本主義と英米の資本主義の異なったあり方を明確に描き出し、日独型の資本主義の今後について考察する。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
ロナルド・ドーア
- 略歴
- 〈ドーア〉1925年英国生まれ。ロンドン大学東洋・アフリカ研究学院で日本研究を専攻、同大学院修了。ロンドン大学経済パフォーマンス研究所特別研究員兼INSEAD客員教授。著書多数。
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紙の本
2002/01/06朝刊
2002/01/15 22:17
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:日本経済新聞 - この投稿者のレビュー一覧を見る
日本型経営あるいは日本型資本主義と欧米、特に英米のそれとの比較は、内外に多くの優れた著作がある。狭く日本型に絞らず、逆に英米型が普遍的な資本主義か問い直す角度からも、ドイツ・フランスなど大陸型経済システムと英米型を対比したM・アルベールの「資本主義対資本主義」などの好著がある。当然ではあるが、日本経済が高成長を維持し、日本企業が世界を席巻する勢いのときは日本型の長所を認める論考が多かった。これに対して、九〇年代以降は水に落ちた犬をたたくように、日本型をいびつな経済システムととらえる議論が圧倒的だ。
その中にあってドーア教授は一貫して日本型の長所を認めて論陣を張ってきた。深刻な不況や構造的な競争力の低下、さらには日本経済の破たん論まで出始め、日本の経済システムを擁護するのに自信喪失気味の日本人学者や研究者などと比べて、イギリスを拠点に、時間軸や視野を広くとって観察している教授の方が、日本経済の本質がよく見えるのかもしれない。
屈指の日本通の著者だけに、経営や経済システムを英米型に改革しようとする企業などの表面的な動きをうのみにしない。それを伝える報道やリポートから、本物の「構造改革」かどうか皮肉を交えて読み解く。とりわけ企業統治をめぐる上滑り的な議論については、ニヤリとさせられる指摘も多い。
原著が書かれたのは約二年前。しかし、この二年間に大きな変化があった。ニューエコノミーを喧伝(けんでん)された米国が情報技術(IT)バブルの崩壊を経て本格的な不況に突入し、ストック・オプションや401kプランなど、株式市場に依拠した制度に修正の動きが出始めた。シリコンバレーモデルも二、三年前の輝きを失った。
著者は、日本経済にかつての成功をもたらした基本的な長所が失われたと考える理由は何もない、と結論している。この間の変化を踏まえればもっと過激な結論になったかもしれない。英米型に同化して行かざるを得ないとする議論が支配的であるが、短絡して良いのか、改めて考えさせられる。
(C) 日本経済新聞社 1997-2001