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紙の本
20世紀写真論・終章 無頼派宣言 (写真叢書)
著者 西井 一夫 (著)
写真という技術が生み出された時代の裏側、社会的・芸術的・歴史的・人類学的背景を語り、個々の写真家の苦悩と闘いを見た上で、写真論へと近づく。「写真装置」「写真の会会報」「み...
20世紀写真論・終章 無頼派宣言 (写真叢書)
20世紀写真論・終章 無頼派宣言
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商品説明
写真という技術が生み出された時代の裏側、社会的・芸術的・歴史的・人類学的背景を語り、個々の写真家の苦悩と闘いを見た上で、写真論へと近づく。「写真装置」「写真の会会報」「みすず」等掲載記事を収録。【「TRC MARC」の商品解説】
森山大道や東松照明、荒木経惟らに伴走し、写真編集者として写真家の奥に隠された精神をも明るみに引き出した渾身の評論集。写真の歴史的・社会的背景を語り、写真家の苦悩と闘いをさぐり、写真というメディアをとおして同時代に発言する写真論の決定版。【商品解説】
目次
- はじめに
- 序章 写真の社会的機能の回復に向けて
- 第I章 鈍感な影──コンピュータ・スクリーンの冷たい火
- 第II章 写真の修辞学=身体論──肉眼と知覚世界の見ることの不確かさ
- 第III章 都市の精神──世紀末の断章
著者紹介
西井 一夫
- 略歴
- 〈西井一夫〉1946年東京都生まれ。慶応義塾大学経済学部卒業。毎日新聞社にて『カメラ毎日』の編集長を経て退職。著書に「写真的記憶」「暗闇のレッスン」「写真のよそよそしさ」等。
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古今東西、左右上下!?の知識を駆使しながら、写真の功罪をあらわにする。先頃亡くなった著者の遺言集。
2001/12/12 22:16
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:中川道夫 - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者は『カメラ毎日』の元編集長で、写真批評家としても多くの著作がある。しかし今回の上梓が遺作本となった。食道ガンの再発に怯えつつこの批評集を準備し、そのタイトルのように55歳の終章となった。
「2001年木村伊兵衛賞が長島有里枝、蜷川実花、HIROMIXという二十代のいわゆる「女の子写真」ブームの立て役者たち(略)受賞した三人が分け合ってもらえたことをそろって歓迎していう、という「異様」な光景を見て、私は、決断の時がきた、と思った」。
この本のはじめにこう記す著者はただイチャモンをつけたかった訳ではない。
彼は森山大道ら同時代の写真家と併走しながら、時代についてビビッドな発言をしてきた。「写真の会」をつくりメジャーな賞に対抗して〈写真の会賞〉まで創設している。
雑誌を離れた著者は『毎日ビジュアル年鑑』『昭和史全記録』『20世紀の記憶』(全20巻)シリーズの編集長としての仕事をした。時代の軌跡の編纂者として、尋常ではない量の日本や世界の写真を見て、記録と記憶とそれを「伝える」という写真の機能を回復せねばと確信した。著者は「見る」とは眼という器官に属してはいないとする。人が「見る、観た」とはじつは脳の記憶やある判断がそう思わせるのだという。脳の機能とは思考で、いまの写真家は〈公〉から〈私〉へとひき籠もることで〈世界〉を捨て去っていると。
「写真をはじめた人が知ってほしい写真の常識や教養をこれを素材にして学んでほしい」。この本では19世紀末から現在までの著者の恣意的な世界史を写真の編纂を中心にして語られる。〈映像の世紀〉といわれる20世紀は、写真が成熟し、またその功罪もあらわにした。著者はこの写真の通史ともいうテキストで古今東西、左右上下!?の知識を駆使しながら、それを展開する。注釈の過剰さと独特の辛らつな語り口にとまどう読者もいるだろう。写真界の小言幸兵衛といわれ、無頼派を自称し、サラバでござると逝った著者の遺言集でもある。(中川道夫/写真家)