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- カテゴリ:一般
- 発行年月:2001.9
- 出版社: 岩波書店
- サイズ:19cm/220p
- 利用対象:一般
- ISBN:4-00-022817-X
紙の本
「構造改革」という幻想 経済危機からどう脱出するか
著者 山家 悠紀夫 (著)
小泉内閣登場以来「構造改革なくして景気回復なし」との主張が勢いを増している。が、それは本当に正しいか。「失われた90年代」における日本経済を詳細に分析して、不況の真因を明...
「構造改革」という幻想 経済危機からどう脱出するか
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商品説明
小泉内閣登場以来「構造改革なくして景気回復なし」との主張が勢いを増している。が、それは本当に正しいか。「失われた90年代」における日本経済を詳細に分析して、不況の真因を明らかにし、改革論の危険性を鋭く指摘する。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
山家 悠紀夫
- 略歴
- 〈山家悠紀夫〉1940年愛媛県生まれ。神戸大学経済学部卒業。第一勧銀総合研究所専務理事等を務める。現在、神戸大学大学院経済学研究科教授。著書に「偽りの危機本物の危機」など。
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紙の本
2001/10/15
2001/10/23 22:16
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:日経ビジネス - この投稿者のレビュー一覧を見る
「構造改革不要論」を説く
「構造改革」という言葉を目にしない日はない。著者はまず、構造改革とは何を意味するかを定義づけたうえで、こうした構造改革論が1990年代、また現在の日本経済についての誤った認識に立つ、不適切な主張だと指摘する。
90年代の日本経済は2つの不況が連続して生じたため、結果として長期不況の様相を呈してしまったが、95〜96年、97年にかけて日本経済は回復傾向にあった。景気低迷の原因も日本経済の構造にあるのではなく、需要側すなわち消費が一向に回復しないことにあると分析する。こうした状況下で供給側を強くしようと改革しても、問題解決にはならないというのである。
財政問題についても独自の視点を披露する。政府の債務残高が600兆円を超えているため財政危機が叫ばれるが、他方で金融資産残高も390兆円あり、それらを差し引きした純債務残高の国内総生産比は米国やドイツなどより低い。財政問題は「何をさしおいても優先させなければならない課題」ではないと結論づける。
日本経済は構造改革による「痛み」を伴わなくても再生できるものであり、誤った処方箋に基づいた政策を実施すれば、過度に市場に支配され、経済的弱者に厳しいゆがんだ経済社会が出来上がってしまうと警鐘を鳴らす。
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