紙の本
血の繋がりよりも心の繋がり
2015/09/18 10:28
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投稿者:コハル - この投稿者のレビュー一覧を見る
シリーズ4作目とは知らずに読んでしまいましたが
過去のエピソードが違和感なく紹介されるので
まったく気になりませんでした。
恋人同士の探偵コンピが行方不明の4歳の女の子を捜すという話。
この作家のモヤッとさせ方が好きだけれど、
今回もハッピーエンドとは思えない結末にやはりモヤモヤ。
親子の絆とは血の繋がりではなく、心と心の繋がりなんだと
あらためて思いました。
終盤、法と人情のはざまで大岡裁きをできなかったがゆえに
探偵コンビに赤信号が。
どうなるのでしょうか。
親子が一緒にいるのが最良と単純に言えない昨今にため息。
紙の本
読みごたえ充分のシリーズ四作目
2001/11/11 17:25
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投稿者:エンドルフィン - この投稿者のレビュー一覧を見る
『スコッチに涙を託して』以来、このシリーズもいよいよ四作目となった。この著者は最近早川書房から出た『ミスティック・リバー』ではデニス・ルヘインとして紹介されているけれど、この角川文庫のパトリック&アンジー・シリーズでは最初からデニス・レヘインと紹介されている。まったく紛らわしいなぁ。
私立探偵のパトリックとアンジーは、四歳の少女アマンダの誘拐事件の調査を依頼される。すでに警察も捜査している事件で、二人は乗り気がしなかったものの、アマンダの母親ヘリーンの母親失格ともいえる態度に、逆にアマンダへの同情をかきたてられ、調査を引き受けることになる。当初、麻薬取引のもめ事から行方不明になっていた二十万ドルと関係があると見られたのだが、事件は予想外の展開をみせ、パトリックとアンジーの二人の関係にも影響を及ぼしていく。
底辺には幼児虐待という暗いテーマが横たわっており、物語はなかなか重厚である。そして、事件の決着のつけ方の是非も、いろいろ考えさせられる。また、ミステリとして見たときにも、意外な展開とあいまって、期待通りの出来といってもいいだろう。さりながら、注文をつけるとすると、このシリーズの持ち味であった軽妙さが影をひそめているのがとても残念だ。重苦しいテーマを扱っても、パトリックとアンジーのコンビのある種の明るさが良い点だと思っていたのだが、シリーズを追うごとに雰囲気が暗くなっていくようで、とても気がかりだ。
なお、海外ミステリに関心のある方は、小生のホームページThe day of wine and mysteryを一度のぞいてみてください。
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ベン・アフレックが映画化を進めているとかいう話を以前聞いた気がするんですが、今どういう進捗状況なんですかね。
しかし、よりによってベン・アフレックかぁ…。
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行方不明になった少女の捜索を依頼されたパトリックとアンジー。事件は麻薬密売組織の内部抗争がらみかと思われたが…。
いやー、重かった。二転三転する展開にいつもの軽口と共に立ち向かっていくパトリックとアンジーなのだけど、今回は二人の立場に決定的な溝ができてしまう。
様々な事件が終盤に向かって動いていく中で、その場面を決定的に見せるためであるかのように挟まれる小さなエピソード。
そして「Gone,Baby、Gone」と言う原題が持ついくつもの意味。
本当に重い。
レヘインは過去に出てきたキャラクターを、今生きているキャラクターを成す一部分としていつまでも大切にしてくれているのがいい。
しかしこの終わり方。自分だったらアンジーの考えになるのか、パトリックのそれになるのか、読み終わったあとで考え込んでしまったよ。
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ハードボイルド!以前「ミレニアム」を貸してくれたプール仲間のおばさまにまた借りたんだけど、いやー面白かった。テーマは重いけど。
8才の少年が誘拐され強姦されて殺されちゃうアメリカ、そんな国で正義を守る警官達、苦悩する私立探偵のカップル、やるせない結末。読みごたえあり。
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およそ半分の280pあたりでキブアップ。
レビュー、高評価にてはじめて読んでみましたが、
この「中途半端エセハードボルド」についていけませんでした。
好みの問題ですが、
登場人物たちの「アメリカンジョーク」も、毎度毎度過ぎて辟易しましたー
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パトリック&アンジーシリーズ第4弾。
今回ふたりのもとにやってきた依頼は、いなくなった子供を捜して欲しいというものだった。それはニュースでも散々報道されている事件だった。警察がそれだけ力を入れている事件に、自分たちが入ったとしても大したことはできない、金のムダになるだけだ、とふたりは断ろうとする。
だが、行方不明になったアマンダの伯母(彼女の夫の妹がアマンダの母、ヘリーンだ)の必死の頼みで、ふたりは引き受けることにする。
アマンダという4歳の少女を捜すことになるパトリックとアンジーは、捜査班の刑事、プールとブルサードと一緒に捜査を開始する。
そこから、ボストンを仕切るマフィアたちの勢力争いと麻薬取引などに話が発展していき、身代金を受け渡しに行くシーンがクライマックス。
……かと思いきや、そこからまた物語は急展開する。
そしてラストで判明するこの事件の真相は、何が正義で何が悪なのかを登場人物や読者に突きつける。
絶望的に救いのないラストシーン。
重く暗い物語に派手な銃撃戦の連続。その派手さが逆に物語を暗くさせていくという、不思議な効果を持っている。
発表された当時、大統領が夏のバカンスへ持っていく一冊として選ばれたという作品。
それほど、アメリカでは幼児誘拐や虐待が問題視されているということなのだろうか。
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パトリック&アンジーシリーズ四作目。今まで読んできた4作の中で中盤までは今までで一番読みにくかった。色々な人が出てくるので名前が覚えられなかった。ただ、中盤以降は一気読みだったが、かなり後味の悪い終わり方だった。
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あまりに感想がこそばゆかったので書き直す。
二作目の『闇よ、我が手を取りたまえ』と双璧をなす傑作でありながら、2作目が深く暗い闇との対決なら、今回は正義同士のぶつかり合いという異色作。それ故にパトリックとアンジーの間でも意見は食い違い深い対立を生んでいく
法にのっとるのが正義か、それとも善を為すのが良いのか、殺されてもいいもの、軽んじられてもよいものは存在するのか。読後も深く心に問いかけてくる重い一冊だ。
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デニス・レヘインだから覚悟はしていたけど、なんと後味の悪い、歯を食いしばるような気持ちで終わらせられるラスト。
ミステリーとしては、そうだったのか!という衝撃のある、とても良いストーリー。
辛さも悲しさもしっかりと盛り込んで、読ませられるだけに、ラストに正面きって文句がつけられず、それがまたたまらかなく悲しい。
アンジーとパトリックのシリーズの最終巻が、この後が描かれた本だそうなので、ぜひ読みたいのだけど、絶版で手に入れるのが大変......いつか図書館なりで読める日が来ると良いのだが。
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パトリックとアンジーのシリーズ4作目。
それは。
アンジーは出ていくだろう。
誘拐された女の子の捜索を引き受けてしまうパトリックとアンジー。
事件担当の刑事たちとドラッグがらみの金を見つけるが、
女の子との交換に失敗してしまう。
ブッパの武器取引に同行し、
子供を虐待し殺している犯罪者たちをみつけ、
刑事と共に追い詰めるが女の子は見つからない。
さらに、酔って刑事が口を滑らせたことから、
司法省がのりだしてくる事態に。
女の子は殺されたのか、誘拐事件の真実は。
パトリック達が女の子の伯父とバーで話しているところへ、
強盗が入るシーンは圧巻。
映画かドラマを見ているかのような迫力と劇的な展開で、
終わりの始まりとして最高だ。
そして、終わりの終わり、アンジーの怒りと失望は、
誰もが共感するだろう。
探偵は警察ではない。
だから、非合法的な結末を迎えることもよくあるし、
読者はそれを期待している。
だから。
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誰が犯人かを考えながら読むのがミステリの醍醐味。今回も大体は想像しながら読み進んだが、遥かに上回る捻った内容の描写に、ついていくのがやっとの思いで読み終えた。最後はめちゃ哀しかった。家族もアンジー派で今回ばかりはケンジーに納得できなかった。