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紙の本
イブン=ハルドゥーン、イブン=バトゥータ
2008/01/15 16:19
12人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:塩津計 - この投稿者のレビュー一覧を見る
先日、東京大学の山内昌之教授の話を聞く機会があった。彼はスクリーン上に「イブン=ハルドゥーン、イブン=バトゥータ...」の名前を映し出し、「この席にいらっしゃる皆様なら、ここに映し出されているアラブの知識人たちの名前を、なんとなくにせよ見た記憶があるでしょう」と切り出した。確かに大学受験で世界史を選択した私は、これらの名前に見覚えがあった。すると教授は「それこそが、日本の教育の強みなんです」と畳み掛けてきた。教授曰く「日本の世界史の授業は、世界の通史を教えるところにその特色がある。地域によって濃淡はあるものの、欧州史のみならず、中国史、米国史、ロシア史、東南アジア史、中近東史を満遍なく履修するのが日本の教え方の最大の特色だという。こんなことは欧州ではまず無いのだそうだ。欧州で歴史といえば欧州の歴史であり、米国史でさえ辺境扱いだ。ロシア史も当然辺境で、中国の歴史なんてへそ曲がりの変わり者が履修する科目である。まして日本史おや。だから欧州やアメリカで日本の首都は北京だとか、東京が北京の東方(ちょうど瀋陽あたり)にあると言い出しヤツが大量にいてもおかしくもなんとも無いのである。まして、アラブの歴史なんて、それこそ「文化人類学」の世界だったりする。そう、日本人がちょうどアフリカの土人やニューギニアの土人の仮面を見る感じで、アラブや、中国や、日本を彼ら欧州米国人は見ていたりするのである。もちろん、彼らの怖いところは、中には恐ろしいほど地域に通じた専門家(マニア)がいて、彼らは日本人なんかより遙かに現地に食い込み溶け込んで生涯をその地で過ごしたりして、その知恵を丸ごと吸い上げて使いこなすシステムをつくっているので、一般平均の知識が浅いからといって、「国家」としての「知の集積」という意味では、日本より、むしろ欧州米国の方が上だったりするのだが。。。
まあ、それはともかくとして、むかし懐かしいイブン=ハルドゥーンの名著を、冬の夜長に紐解くのも一驚でありますぞ。