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商品説明
興福寺からの新出土駒は、すでに持駒使用のルールのものだった。日本将棋独特のルールや現行将棋の成立時期・過程などを、世界各地の将棋を参考に、豊富な文献資料、新出土駒の検証を通じて独自の視点から解き明かした歴史書。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
木村 義徳
- 略歴
- 〈木村義徳〉昭和10年東京都生まれ。故木村義雄十四世名人の三男。早稲田大学大学院在学中に三段で故加藤治郎名誉九段門。最高位九段。引退し、現在、関西将棋会館の将棋博物館館長。
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紙の本
将棋の歴史を考察するスリリングな本
2001/06/13 02:26
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:sfこと古谷俊一 - この投稿者のレビュー一覧を見る
現在は関西将棋会館の将棋博物館の館長である木村九段が、将棋専門誌に連載した記事を増補改定したものです。
興福寺から出土した11世紀の駒が持駒あり向けであったことを軸にして、世界各地の将棋・チェス類似のゲームの伝播や変化とその理由から、日本の現在の将棋がいかにして形成されたかを、最新資料を駆使して論じています。
ビッグチェスなどと呼ばれる駒数の多い巨大ゲームは、技量が上がると勝敗がつかなくなることへの対策として、良く行なわれてきたこと。そしてそののち、ゲームシステムを改善するというのが主流になるあたりは、たいへん興味深いものです。ウォーゲームでもビッグゲームが一時期ありましたが、ああいうのは普遍的なんですね。
玉にあたる駒の行動を制限して詰みやすくするか、駒の移動力をあげて局面の変化がつきやすくするのが正道だったようですが、日本では持駒として再利用できることにすることで局面の多様化と展開の緊張感・スピード感をもたらしたようです。対策としてわずかだがなかなか思いつかないアイデアを投入するだけで、優れたゲームができあがるあたりが、わくわくします。
チェスや将棋がいかに洗練されていったのかが良くわかり、大変勉強になりますね。「一手差で勝負が決まる」ということ自体が、すごいんですね。