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遺言状を書いてみる (ちくま新書)
遺言状を書いてみる
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紙の本
キムラ式ならとっても安心
2002/01/24 20:05
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ゆみ - この投稿者のレビュー一覧を見る
まさか自分に財産問題で揉めることなど…と思ってらっしゃる方、まあ騙されたと思って(?)読んでみてください。実はとっても身近なことなんです。多くの事例の上に立って、わかりやすく庶民に近い場所から書かれています。財産はないけど、元気で意志のあるうちに書こ〜っと!
紙の本
ちょっと書いてみようかな
2001/10/11 19:37
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:斎藤環 - この投稿者のレビュー一覧を見る
僕はよく、患者さんや患者の親御さんに遺言状を書くように勧めることがある。ときどき「遺書を書けだなんて」と妙な顔をされることもある。
もちろん遺言状は、相続に関わる法的文書であって、遺書とは全然別物だ。ただ、人に勧めておきながら、僕は遺言状の書き方を正確には知らなかった。木村さんは、実に懇切丁寧に、かつユーモラスな筆致でその方法を伝授してくれる。
圧巻はなんと言っても、第1章の著名人による遺言状の実例である。福島瑞穂、清水義範、石坂啓氏らの「作品」を読んでいると、なにか風通しの良い、爽やかな気分になってくる。自らの死を前提とした文書でありながら、この爽快感はどうしたことか。
「メメント・モリ(死を忘れるな)」という言葉がある。しかし「死」そのものをイメージすることは難しい。遺言状を書くということは、自分の社会的な位置や人間関係に対して、自分の死がどのような効果をもたらすかを慎重に考えるきっかけになる。おそらく僕らは、自分の死について、これ以上の正確なイメージを持ち得ない。そのイメージは、人を謙虚に、さらに言えば正気にする力を持つだろう。本書にはほかにも、相続にまつわる判例や、さまざまな遺言状の形式がわかりやすく紹介されている。しかし本書の効能は、ものぐさな僕にすら「ちょっと書いてみようかな」と思わせてくれた点にこそあるだろう。(斎藤環/精神科医 2001.3.20)