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- カテゴリ:一般
- 発行年月:2000.12
- 出版社: 河出書房新社
- サイズ:14×16cm/1冊
- 利用対象:一般
- ISBN:4-309-26435-2
紙の本
優雅に叱責する自転車
それは火曜日より後で、水曜日より前のこと。一台の自転車が通りかかり、エンブリーとユーバートは旅に出た。みょうちくりんな冒険のあと、帰ってきたふたりが見たものは…? 大人の...
優雅に叱責する自転車
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商品説明
それは火曜日より後で、水曜日より前のこと。一台の自転車が通りかかり、エンブリーとユーバートは旅に出た。みょうちくりんな冒険のあと、帰ってきたふたりが見たものは…? 大人のための絵本。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
エドワード・ゴーリー
- 略歴
- 〈ゴーリー〉1925〜2000年。シカゴ生まれ。独特の韻を踏んだ文章と、独自のモノクローム線画でユニークな作品を数多く発表。E.リアらの作品の挿画や、劇場の舞台美術も手がけた。
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紙の本
奇妙、でも納得、の才能
2002/02/13 17:08
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:楓 - この投稿者のレビュー一覧を見る
文庫本くらいのサイズの抹茶色の品の良い本です。何と言ってもゴーリーの絵が魅力的です。神経質で、不正確。可愛らしい訳ではないのですが、デフォルメのやり方や、一本の線にも、味を感じます。読み返すときはストーリーよりも、一ページ、それだけでも額に入れて飾りたくなるような「絵」に注目してしまいます。本国には彼の私版絵本の熱狂的コレクターもいるそうですから、知名度の高い作家なのでしょう。
ストーリーは二人の兄弟がへんてこな自転車に乗って旅に出るというもの。旅の途中で二人は様々怪しげなものに出会います。そして、奇妙なラストにはなんとなく教訓めいたメッセージがあるように思うのですが、それがどういったものなのかは曖昧です。その「よくわからん」という部分がこの作家最大の魅力だと私は思っています。読めば読むほど、何かが伝わってくると思います。
タイトルの原題は「The Epiplectic Bicycle」と言うらしいのですが、これは廃語で、こういった馴染みのない言葉を使うのがゴーリーの特徴だと訳者は後書きで語っています。訳者の柴田さんはどの本でもそうですが、その本の良さを言い尽くしています。だから、まず彼のあとがきを読み、それを信用してから本文を読んでみると良いと思います。ちなみにこの本は開いて左が英語で右が訳となっているので、二倍、楽しめますよ(?)。
紙の本
子供たち
2002/02/25 17:19
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:るじゅあ - この投稿者のレビュー一覧を見る
二人の子供の旅のお話。欠落している章や ありえないお話が逆に面白い。最後が特に面白い。ここに書くと面白みがないので読んでみてください。
紙の本
「プロローグ/
2016/02/14 18:15
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:鉄紺 - この投稿者のレビュー一覧を見る
火曜日の翌日で 水曜日の前日のこと。」
あははー。やっぱりゴーリー好きである。比較的、絵も内容も黒くない(直截的な惨いシーンは無い)作品なので、彼の毒っ気を気に入っている方にはやや物足りないかも。
何故章が飛び飛びなんだとか、「どこで優雅に叱責してるわけ?」だとか、何だかもう気にならない。画中の呟きが楽しくて仕方ない。むふ。
紙の本
どんな自転車
2019/06/20 08:52
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Otto - この投稿者のレビュー一覧を見る
訳者の苦労を感じる。しかし、この不思議な感覚を味わえるのは、素晴らしいことだと思う。イラストも明るくて、楽しい感じがする。
紙の本
意味不明すぎて楽しい
2017/09/23 06:22
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:かしこん - この投稿者のレビュー一覧を見る
こちらは、いつものサイズです。
そしてグロくも不幸でもなく、素晴らしくシュール。
もう、プロローグの<火曜日の翌日で 水曜日の前日のこと。>からわくわくが止まりません。エンブリーとユーバートというとんでもない性格(?)のきょうだいがしでかす冒険(?)の数々に笑いが止まらず。共感できないキャラだとどんな目に遭っても平気、という読者の残酷さが浮き彫りになります。
で、またチャプターがホイホイと飛んでいるのがおかしくて。
<暗すぎて 何も聞こえません。>にはシティボーイズのコントに似たようなのがあった!(鼻をつまむと耳が聞こえにくい、みたいな)、とまたニヤニヤ。
絵も、背景があまり描き込まれておらず、とぼけた味わいを助長。
もう、意味不明すぎて楽しい。
紙の本
ゴーリー版浦島太郎?
2016/01/18 14:57
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:紗螺 - この投稿者のレビュー一覧を見る
主人公のきょうだいの前に突然現れる自転車。ふたりを乗せて勝手に走る自転車。行く先々で起こる奇妙な出来事…と、ゴーリーテイストあふれる展開が次々。
暗闇、ワニのページ辺りがばっと目を引く場面転換という感じだが、最も驚くのはラスト。え、そうくるの?という意外性に目を見開く。
紙の本
参加して楽しむ本
2002/07/05 22:23
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:tk92 - この投稿者のレビュー一覧を見る
ありそうでありえないことが連続しておこり、最後は驚かされる。とても面白い本。そうだけど、ただそのまま読んでは読後に何も残らないスカスカの本です。著者が章に欠落を持たせたのは多分、見ているものに物語に参加して欲しかったのではないか。そして、参加するスキがたくさんあるし、参加したくなるような話であり、絵である。自分で物語の世界に入り、自分でページとページの間の空白を自分で好きなように楽しむ。主人公は、自転車で旅をしいろいろなものに出会う。その出会いは、紙の上ではすっと通りすぎてしまう。だけど、読者は出会って、何を話し、何をしたのか想像して楽しむ。それが楽しいし、何度でも楽しめる。
参加して無限に楽しむ。そうしないとすっと過ぎていってしまう本です。
紙の本
ゴーリー3冊目の絵本。エンブリー、ユーバートという名の、奇妙なきょうだいの話
2001/02/01 18:16
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:安原顕 - この投稿者のレビュー一覧を見る
『ギャシュリークラムのちびっ子たち』『うろんな客』に続く、ゴーリー3冊目の絵本である。今回は、エンブリー、ユーバートという名の、奇妙なきょうだいの話である。全22章だが、わざと欠落させている章もある。ストーリー(のようなものは)以下の通り。これが翻訳のすべてである。<火曜日の翌日で 水曜日前日のこと。エンブリーとユーバートが クローケーの槌でおたがいを叩きあっていると 壁の向こうから何やら音が聞こえ 誰も乗っていない自転車が転がり出てきました。きょうだいは どちらもそれを独り占めにしようと争い やがて二人ともくたびれて倒れてしまいました。ユーバートが先に立ち直り 座席に飛び乗ったので エンブリーは仕方なくハンドルに腰かけ 二人で門から飛び出していきました。それから 危うく木に激突しかけると その木に大きな鳥がとまっていて 二人が通りがかりざま 何か呟きました。すごくたくさん カブ畑の前を過ぎましたが 季節が違うので、カブは全然見えません。ものすごい嵐がやって来て、もう少しで稲妻に打たれるところでしたーー 一度ならず。嵐が去ると エンブリーの14足の黄色い靴がなくなっていて ユーバートの まだらの毛皮のチョッキもなくなっていました。長い長い水たまりを走り抜けていると ワニが一匹 ぬっと目の前に現れました。エンブリーがそいつの鼻先を蹴飛ばすと、息絶えました。曲り角を間違えて、気がついたら巨大な納屋に入っていました。暗すぎて 何も聞こえません。二人が向こう側へ突き抜けたとたん、納屋は崩れ落ちました。巨大な茂みめざして進み 果実をむしゃむしゃ食べました。家に帰ると そこには方尖塔(オベリスク)が一基あるだけで 二人を偲んで 173 年前に建てられたと書いてあります。自転車は最後の一言を発し ばらばらに崩れました>。むろん絵が主体だが、これらのストーリーに付けられた「絵」がすこぶる秀逸なのだ。訳者柴田元幸の「解説」に、「本書に出てくる自転車はなかなか不思議で、チェーンもブレーキもなく、エンブリーもユーバートも座席とハンドルにちょこんと座っているだけで、どうやって動いているのか、よくわからない。まさに「自転」している感じであるのです。もちろん、そうした省略がゴーリー独特の味であり、ここでもそれが、全編を覆う何ともシュールな雰囲気に大きく寄与していることは間違いない」と書いている。ゴーリーの絵本、まだまだあるらしい。この際だからすべて翻訳して欲しい! 少なくともぼくは、この3冊でゴーリーの大ファンになった。