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方舟

方舟(太田出版) しりあがり 寿著
税込価格: ¥1,260 (本体 : ¥1,200)
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出版 : 太田出版
サイズ : 21cm / 171p
ISBN : 4-87233-554-6
発行年月 : 2000.12
利用対象 : 一般

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コメント・書評

出版社からのオススメ
太田出版
2003/02/05 03:34:00
「滅び」は未来を思い描くことのできぬ者の上にやってくる…。『クイック・ジャパン』に連載された異色の問題作を大幅加筆・再構成し新エピソードも加え単行本化。一艘の方舟が紡ぎ出す、甘く美しく静かで透き通った終末世界。  全文読む

終末。うつしだされるもの。
ねねここねねこ
2007/08/22 21:20:25
評価 ( マーク )
★★★★★

たぶん善悪を越えたもの。 状態。単なる状態。 それを残酷と捉えるか、美しいものと捉えるか、それは個人の天秤だろう。 現実というもの、リアルと肌身に迫るもの。 考えるではなく感じること。 皮膚で思って臓器で動く。 骨でぶるぶるそれを感じる。  終末は近くにも存在するのかもしれない。 僕らは各々それぞれに、天秤に乗せられるものを乗せるだけだ。 人の本質はどこにあるのか。 何を乗せ、何を削ってしまうのか。  状態に左右されるもの、されないもの。 信じられないもの。 そのなかで持って迎えるもの。 哀切を感じてしまうのはどうしてだろう。  恐ろしい、そして畏ろしい作品だ。人が映っている。すべての光景が帰…  全文読む 評価する

先生も…この水の中?
ISH
2006/08/10 05:13:19
評価 ( マーク )
★★★★★

なんだか怖い感じがする終わらぬ雨…。明るいバラエティ番組でごまかそう…。街頭で説教垂れ流す死んだ魚の目をした教徒…。自由を夢見て音楽で暴れ狂う若者…。だんだん…だんだん…普通のものさえ沈み行き…。最後はあれさえも…。いっぱい買って乗ろうぜキャンペーンで作った船。実は宗教のあれと真逆で…船を作ったことへの裁きですか?その企画立てたおとなしく善さそうなサラリーマン。「クサレに取り込まれつつあるけど気づかない?でも…あんたも滅び行くしかないよね。だってそれを出すためにはそこに頼るしかないもん」では。で…著者自身はどうなんでしょうね。  全文読む 評価する

ファンタジーの現在形
プジタ
2002/02/05 01:59:00
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★★★★★

 この作品には印象的な決め台詞、決めゴマがたくさんある。水没したTVカメラに記録された少女の「世界の終わりだから…」という言葉、精神的に追い詰められて「…ホラもうすぐ手が届きそう」とにこやかに水死体に手を伸ばす主婦、方舟の上で「この期におよんでまだ希望だと…おまえらみんなバカか!!」と絶叫する若者。これらは「終末もの」の王道、もっと言えば「手垢がついて古い」と言われかねない台詞・イメージなのに、読むものの心にまっすぐ届くのはしりあがり寿の特殊な画風のせいだろうか。 そう、ここにあるのは夢物語、とっくに失われたファンタジーだ。僕らは世界の終わりを想像することで今まで何とかやってきた。それはおそら…  全文読む 評価する

80年代に活躍した広告人の、耳をふさぎたくなるような懺悔を聴く思い。
さじまつきこ
2001/11/29 13:42:00
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★★★★★

 私事ですが、私は広告業界におりまして、しりあがり寿氏といえば「美大出のキリンビール勤務・優秀アドデザイナー」という過去をまず考えます。パンキッシュに破綻した漫画を描きながら、デキるサラリーマン・クリエイターとして働いていた彼。その2面性に、バブルの本質を見る思いがするのです。そして広告クリエイションの限界も。 『流星課長』や『少年マーケッター吾郎』などのサラリーマン3部作と同じく、この『方舟』にも広告メディアが登場します。聖書の中では人々を救うために存在した『方舟』自体が、ここでは広告キャンペーンの目玉アイテムになっています。汚水のように垂れ流される、人々の夢の残滓の洪水の中を、えっちらおっ…  全文読む 評価する

『デビルマン』に匹敵する、印象的な見開きページのエンディング
FAT
2001/03/20 20:03:00
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★★★★★

 確かに、「滅び」をモチーフにした作品は、古今東西色々あるが、本作品の題名の元になる「ノアの箱船」伝説がそうであるように、「滅び」を描くというのは、実は全てが消滅した後に新たに始まる「再生」「復活」を思い描かせるための方策であることが多い。 しかし、しりあがり寿の『方舟』のエンディングでは、完全なる「滅び」が描かれている。「滅び」を描き切るエンディングの見開きページは圧巻だ。見開きで、水没した都市景観が展開され、その中央には「再生・復活」の象徴であったはずの方舟が沈んでいるのである。こんな印象的な見開きページは、こと日本における萬画(石ノ森章太郎先生にならいました)の世界で言えば、再生の予兆と…  全文読む 評価する

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