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良い本。国際経済にまつわる俗説を一刀両断。また、それらの<俗説>がはびこる背景にも言及。ごくごく基本的な経済学の知識と、じっくり読み進めるだけの時間があれば、蒙を啓かれること確実。オススメ
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難しい経済学が優しく書かれていて、なかなか。経済学の方向性としては、ケインジアンなので、今ひとつ好きになれないが…。
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★常識を疑え、と言い続ける★本棚を整理したら出てきた。初出は10年前だが今でも違和感はない。国は企業とは異なり貿易は競争ではない、双方にメリットがある、と様々な手段で説明する。経済学を学ぶのは安易な常識に流されるのを防ぐため、というのはその通りなのだろう。きちんと分析するとたいした結論は出ないのが世の常だが、経済学の「け」の字も知らない者としてもデータなしに雰囲気に流されるのがまずいとは身にしみて感じる。
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国と国との関係を企業と同じように捉えて「競争」を強調するのは誤りであり危険ですらある。「競争」を、貿易の問題として捉えると、自由貿易は国内(国の)経済にとってマイナス要因となならない。国の経済成長は、貿易ではなく、国内の生産性の向上に大きく左右されている ...というようなことが書かれている。
この本を購入した当時よりも、著者の主張がよくわかった。それは、"国家間の競争"という誤りが、残念ながら世の中にすっかり浸透してしまったからだろう。
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「競争力という危険な幻想」レスターサローが日本の対米貿易黒字を減らすことの重要性を説いているのだけど、これの誤りをクルーグマンは、国際競争力というありそうだが無根拠な定義できない議論だと述べる。
「貿易、賃金、雇用」の章では、まさにこれを取り上げる。熟練動労者の平均賃金と非熟練のそれが大きく乖離しているのは、労働需要が変化したからであって、貿易が変化したからではない、とする。国際競争力が落ちたからではまったく無いのである。
「第三世界の成長は、第一世界の繁栄を脅かすか」政界の生産性が上昇すれば、世界平均の生産性は上昇する。第三世界の賃金が上昇するはずであり、また、第一世界の賃金が、下がるわけではないといえる。これを論証するため、モデル1として財と生産要素の世界を一対一として想定したモデルを説明する。さらにモデル2として複数の財、1生産要素の世界を描く。
そして、モデル3として資本と国際投資の世界を想定して議論する。最後のモデル4は、所得の分配である。南北のの貿易によって所得の不平等の拡大の一部は説明できるとしても平均賃金の伸び率が低下したことはまったく説明できない。
最後に本当の脅威として欧米が自分たちの生活水準を守るという間違った考えのも下に、保護貿易や輸入障壁を築き上げる誘惑を持つことである、とする。
貿易は、ゼロサムゲームではなく、プラスサムゲームであり、貿易に関して「競争」という単語を用いるのは誤解を招く危険なことであるとするのが、クルーグマンの貿易に対するまともな姿勢であることが、伊藤元重教授の解説でも強調されている。
アジアの奇跡という幻想の章では、資本の投入量による成長であって、本格的な技術の向上による成長ではないとしてアジアの経済の成長を眺めている。アジア通貨危機を予見した論文として喧伝されたらしいが、通貨危機についてほとんど述べていないので、この評価は的外れである。
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知ったかぶりのエセエコノミスト達とケンカしている本。クルーグマンが叩いてる評論家に似たような人は日本にもたくさんいるので、元ネタ自体は分からなくても十分イケる。
読んでるときは割と楽しんでいた気がするが、どんな内容だったか正直あんまり覚えていない。
クルーグマンの本を読んだ事ない人は、「経済入門」から入った方が無難だと思う。
250円。
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担当:Hirakawa
対象レベル:中級〜上級
内容:
1 ゼロ・サム社会の幻想(競争力という危険な幻想 反論に答える 貿易、雇用、賃金 ほか)
2 良い経済理論と悪い経済理論(アメリカの競争力の神話と現実 経済学の往復外交―ローラ・ダンドレア・タイソン著『誰が誰を叩いているのか』書評 大学生が貿易について学ばなければならない常識)
3 新興経済圏(常識への挑戦 NAFTAの実体 アジアの奇跡という幻想)
4 技術と社会(技術の復讐 世界経済のローカル化)
経済学の本で感動するとは思わなかった(笑)
ノーベル経済学賞をとったクルーグマンの著書ということもあり試しに購入してみた。
マクロ経済学・ミクロ経済学を一通り勉強してからこの本を読むと面白さをより一層感じることができるだろう。
簡潔に内容を説明すると、この本は国際経済学について詳述してあるが私を含め皆が「常識」と考えている国際的な事柄(?)を論理的に真っ向から否定していく、というものである。
本書の内容自体の解説ではなく私の感想になってしまうのだが、
多分皆に共通することで本当に無意識的なのだろうが、常識と思って疑わなかったこと(現在も多くの人が今も常識だと思っているだろう)に対してきちんと仮説を立て経済学的に考察を加えていった結果がこういった書物でありノーベル賞という結果なのだろうと関心してしまった。
クリントン政権がでてくるなど内容は少し古いが本当に秀逸なので経済を学んでいる人・学んだことがある人には是非読んで欲しい作品である。
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2009/2/22ジュンク堂にて購入。
やっとクルーグマンの本を買いました。これから、経済についてはこの本と新聞を読み比べながら、勉強していきたいと思っています。
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「競争力」 というマジックワードを解き明かしてくれる一冊。
「国の競争力」とよく言われるが、それは企業に対し使われる「競争力」が国に対しても当てはまるという発想に基づいているが、それは誤りである。
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-わたしのこの論文は、多くの人びとに影響をあたえることはあっても、友人を増やすことにはならないだろう-
97年に刊行された本だが、今読んでも面白い!フォーリンアフェア誌上に掲載されたクルーグマン教授の論文は、経済の本質を見誤った、あるいは、ある特定の方向に大衆を煽情することを意図しているかのような「俗説」経済学者や識者の言葉を一刀両断している。「偉そうな学者もいい加減だな〜」と目から鱗。自分で考えるオトナにならねばと自省。全体を通じて、ひとつの論文が短く、完結しており、わかり易い。テレビ討論はディベートの「技術」に影響を受けるが、紙面上では逃げがなく、議論がまとも。活字文化の美徳が感じられる一冊でもある。
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「格差は作られた」でいけすかない奴だと思ったけども、せっかく最近話題の人なのでエッセイくらいは読んでみようと思ってゲット。アメリカはどんだけ一番にこだわっているんだ!!と思わず突っ込みを入れたくなる記述多数(笑)。企業経営と同じ「競争力」という視点で国の経済運営を考えちゃおかしくなるよ、というのは企業サイドからモノを見る方法を学び始めた私にとっては新鮮な警告でしたよ。
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経済学を勉強したことのない私にも、わかりやすく面白く読める一冊。世の中の評論家に振りまわされないために一読の価値あり。
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2010.5.1
国家間の国際競争という図式のもと保護主義に走る人たちを批判するカタチで書かれてる。
・貿易はプラス・サム・ゲーム。世界全体の生活水準があがっていく。
・貿易が影響を与えるのは、国内の所得分配
・でも貿易が一国の経済に与える影響はそんなに大きくない
・成長の原因には投入量の増加と、技術の向上(生産性の増加)があって、投入量の増加は逓減していく。
・新貿易理論では、政策によって比較優位が生み出せる可能性があるといえるようになった。
・理論てきに正しいことと、それが政策として実行されるかは全然別問題。様々な利害関係が絡んできて悪用される危険性が高い。
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ずいぶん以前に読んだ本で、ただいま読み返し中。
国際経済学のものの見方を示してくれる本。
「国と国とは競争していない」という貿易では誰もが知っているはずの基本となる考え方をあらためて思い出させてくれる。
私は経済の専門家ではないので、この本に書いてあることが正しいかどうかは分からないけれども、国と国とが競争をしている!と思い込んでいる人には別の視点をもたらしてくれる本だと思います。
読んでみて損はない本です。