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- カテゴリ:一般
- 発売日:2000/10/11
- 出版社: 講談社
- サイズ:18×20cm/1冊
- 利用対象:一般
- ISBN:4-06-266369-4
紙の本
クレーの天使
クレーの描いたギリシャの神々のように人間的な天使たちを主題に、谷川俊太郎が短詩をつけた詩画集。45点の絵と18編の詩が奏でる二重奏で、心にひそむ天使たちが目覚める。【「T...
クレーの天使
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商品説明
クレーの描いたギリシャの神々のように人間的な天使たちを主題に、谷川俊太郎が短詩をつけた詩画集。45点の絵と18編の詩が奏でる二重奏で、心にひそむ天使たちが目覚める。【「TRC MARC」の商品解説】
45点の絵と18編の詩が奏でる二重奏
響きあう絵とことばの贈りもの
目覚めておいで、心にひそむ天使たち
前作『クレーの絵本』に続く待望の書き下ろし【商品解説】
著者紹介
パウル・クレー
- 略歴
- 〈クレー〉1879〜1940年。スイス生まれ。20世紀前半のドイツで新しい絵画運動の一翼を担う。
〈谷川〉1931年東京生まれ。詩人。詩集に「ことばあそびうた」など。
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書店員レビュー
前作『クレーの絵』に...
ジュンク堂書店秋田店さん
前作『クレーの絵』に続き、谷川俊太郎がクレーの作品に詩を寄り添わせ、
その作品をより心に刻ませてくれる。
クレーは生涯で繰り返し天使をデッサンしている。
裕福な家庭に生まれ才能に恵まれるが、
晩年、ナチスによる迫害と皮膚硬化症に苦しみながらの創作活動は
目覚ましく意欲的だったという。そんなクレーの描く天使を谷川氏は
「人間的な天使」と評している。笑い、泣き、苦しむ天使の姿に心が洗われるような、そんな一冊です。(芸術書担当)
紙の本
透明な言葉と天使らしくない天使たち
2005/07/07 15:44
6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ゴン狐 - この投稿者のレビュー一覧を見る
単純な線のみで描かれた、天使の姿が愛おしくも物悲しい。日頃思い描く愛らしい天使や荘厳な天使はここにはいません。妙に不恰好で人間くさい天使たちが、かえって人の痛みを感じてくれるように思えます。
『泣いている天使』は、膝を抱えて泣いている天使。「てんしはわたしのためにないている そうおもうことだけが なぐさめだった」ここに描かれる天使は決して人間のためになんか泣かない。天使になりきれない自分を哀れむように、涙をこぼす。天使でも自分のために泣く。人なんか救えない。それがかえって不完全な人間の救いになる。谷川氏の言葉は、書いてある詩とは裏腹にそんな風に私には響く。このなかで一番好きな詩です。ここには引用しなかった最初の3行がことに印象的で、耳から離れませんでした。うん、そんなことってきっとある、素直にそう思わせてくれます。
表紙にもなっている『忘れっぽい天使』。優しくて無邪気な微笑み。手のひらに何を持っているのか。自分だけの大切なもの。苦しいことはみんな忘れて、自分だけの幸せに微笑んでいる。ちょっと羨ましい。
不機嫌だったり、おどけていたり、人間を気取ってみたり、笑っている目元に意地悪な視線を秘めていたり、まるで私たちそのもののクレーの描く天使たち。谷川俊太郎氏の平仮名と片仮名だけで綴られた詩が、優しく透き通った静かさで響いてきます。絵と詩の関連はあまり考えずに、それぞれを観て読んだほうが楽しめます。「クレーの絵本」と同様寝る前のひと時に、声を出して読む一冊になっています。
紙の本
何度も眺めたくなる本です
2005/12/06 23:20
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:みなとかずあき - この投稿者のレビュー一覧を見る
『クレーの絵本』に続いて、パウル・クレーの絵と谷川俊太郎の時空を超えたコラボレートが、私たちの元に届きました。このように並べられてしまうと、もうクレーの天使には谷川俊太郎の詩しか浮かんでこなくなるのではないかと思えてしまいます。特にこの『天使』では、クレーの絵に添えられている谷川の詩の活字が黒ではなく、くすんだ青になっています。字がより一層絵と拮抗したり、寄り添ったりして一体となっています。読み通してしまえば60数ページであっという間ですが、何度も何度も開いて、眺めなおしたくなる本です。
紙の本
心のために欲しい1冊
2002/02/26 00:22
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:にこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
ふとした寂しさや、泣きたい気分のときとか。手にとりたい1冊。クレーの絵は、それが絵であることが自然で、描きだしが分からないような絵だからこそ、余計その自然な存在感に切なくなる。一緒についている谷川俊太郎の言葉もまた素敵だ。ひらがなで語られる言葉には、生まれたての純粋さと無垢さと、そして純粋なものだからこそある冷たい心。心にある、形のない気持ちを、上手くそっと遠まわしに表現された気分になる。
自分の中の天使を見つけて、ちょっと泣きたくなった。その天使は傷ついていたし、一人そっと泣いていた。そして同時に足元のものを踏みつけ、何かいいものがあるかのように憧れをもってそしてそれに苦しんでいた。
社会にでていく先輩へ、1冊贈り物にした。そして同時に自分にも、自分への贈り物として1冊購入した本。ずっと大事にしていきたいと思う。
紙の本
天使の贈り物
2000/12/25 23:40
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:読ん太 - この投稿者のレビュー一覧を見る
あなたの周りに天使はいますか?
赤ちゃんがいるお宅なら、「我が家にはかわいい天使がいるよ!」という答えが返ってくるだろう。クルクルとカールした髪の毛、丸々とした体、背中に小さな羽根をつけた天使と、ベビーベッドに仰向いてコロコロと笑う赤ちゃんのイメージは容易に一致する。
また、「うちの子は天使のようにかわいかったけれど、今じゃ手もつけられない。まるで悪魔のよう!」などという答えが返ってくるかもしれない。
でも、ちょっと待った!
クレーが描く天使達と谷川俊太郎の詩がいっぱいに詰まった本書「クレーの天使」を手にとってみるとわかる。天使って、形があったりなかったり、笑っていたり泣いていたり、生まれたての赤ちゃんのようであったりとてつもなく年をとっていたり、美しかったり醜かったり…様々なのだ。
今日も私はたくさんの天使と会った。特に変わり映えのする一日であったわけではないけれど。天使はずっと以前から私の周りに存在していたので、何かが大きく変わったわけでもない。ただ、天使が見えるようになった分、安堵する気持ちが起こり心がおだやかになったよう。
「信じるか、信じないか」「黒か白か」の選択を迫られることなく、「クレーの天使」が私の世界の色を暖かい色に塗り替えてくれた。
今のうちだからはずかしげもなく言っておこう。今までで最高の天使からの贈りものは、この「私自信」。そして、これから先にもう1つ最高の贈りものをもらうであろう。「私の死」という。
紙の本
天使
2015/05/10 23:58
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:やさし - この投稿者のレビュー一覧を見る
このクレーの天使の絵が好きです。小説に「好きな天使の絵をずっと持ってて、ある人と出会ったときその自分のずっと好きだった天使に似てると思う」というようなシーンが出てきたときに「それはクレーの天使かな」と思ったことがあって、そんな経緯でこれも読んでみたくなりました。詩のほうが、あまり好きなものがなく、きれいにまとめてないというか、わりと挑戦的な感じなので万人受けしなさそうだなと思います。
紙の本
『クレーの絵本』に続く、谷川俊太郎の書き下ろし第2弾!
2000/12/20 18:15
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:安原顕 - この投稿者のレビュー一覧を見る
クレーの絵40点と谷川俊太郎の詩14篇から成る『クレーの絵本』に続く、谷川俊太郎の書き下ろし第2弾! 今回の本は、同じクレーでも「天使の絵」45点と詩18篇とのセッションである。このシリーズには田村隆一/ロートレック『ロートレック・ストーリー』なんて本もあるらしい。ぼくは1950年中期、高校生の頃からクレーが好きだった。しかし昨今はあまりに有名、「好き」とはちょっと言いにくい雰囲気だが、こうして小振りな本で見ても、パウル・クレーの絵、なぜか痺れる。本書には珍しい天使の絵も多数入っていて、絵を眺めているだけでも楽しめ、むろん谷川俊太郎の詩も最高! 「天使というよりむしろ鳥」に付けられた詩は「なんでもしっているおとななのか/むじゃきなこどもなのか/つばさはどろだらけで/きのうモーツァルトのソナタの/すみっこにいた/きょうゆうやけぐものうえに/ちょこんとこしかけていた/おんなでもおとこでもないにおい/としおいたきのねんりんにまぎれ/こいぬのひとみにひそみ/かくれんぼしていた/あのてんし」。例によって全部平仮名である。そうする意味も分からぬではないが、漢字まじりに書き直す誘惑に抗しきれず、無礼は承知で勝手にやってしまおう。「何でも知っている大人なのか 無邪気な子供なのか 翼は泥だらけで 昨日モーツァルトのソナタの隅っこにいた 今日は夕焼け雲の上に ちょこんと腰かけていた 女でも男でもない匂い 年老いた木の年輪にまぎれ 子犬の瞳に潜み 隠れんぼしていた あの天使」。どうです? ぼくはどうしても漢字ヴァージョンの方が好きだ。もう一つ、「おませな天使」も引いておこう。これははなから漢字まじりで。「疑うことばかり知っていて/信じることを知らなかった/傷つくまいとして/愛する者から目を逸らし/限りない空を見て/風に揺られる木々を見て/大昔を夢見て/帰ることのできる洞穴を探した/だがいつもあっという間に/今日は明日になり/明日は昨日になり/新しく生まれてくる者たちだけが/束の間天使の姿して/見えない翼で羽ばたき/心の暗闇を吹き散らした」。うーん巧い!「あとがき」で詩人は、「クレーの天使たちはほとんど成功者ではなく失敗者のように見る」と書いている。クリスマス・プレゼントに最適の1冊だろう。