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  • カテゴリ:一般
  • 発売日:2000/10/02
  • 出版社: 草思社
  • サイズ:20cm/317p
  • 利用対象:一般
  • ISBN:4-7942-1005-1

紙の本

銃・病原菌・鉄 一万三〇〇〇年にわたる人類史の謎 上

著者 ジャレド・ダイアモンド (著),倉骨 彰 (訳)

なぜ人間は五つの大陸で異なる発展をとげたのか? この壮大な謎を、1万3000年前からの人類史をたどりつつ、分子生物学や進化生物学、考古学などの最新研究結果をもとに解明。ピ...

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銃・病原菌・鉄 一万三〇〇〇年にわたる人類史の謎 上

税込 2,090 19pt

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商品説明

なぜ人間は五つの大陸で異なる発展をとげたのか? この壮大な謎を、1万3000年前からの人類史をたどりつつ、分子生物学や進化生物学、考古学などの最新研究結果をもとに解明。ピュリッツァー賞、コスモス国際賞受賞作。【「TRC MARC」の商品解説】

なぜ人類は五つの大陸で異なる発展をとげたのか。分子生物学から言語学に至るまでの最新の知見を編み上げて人類史の壮大な謎に挑む。ピュリッツァー賞受賞作。【商品解説】

著者紹介

ジャレド・ダイアモンド

略歴
〈ダイアモンド〉カリフォルニア大学ロサンゼルス校医学部教授。生理学から生物地理学までその研究対象は広い。著書に「人間はどこまでチンパンジーか?」「セックスはなぜ楽しいか」など。

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みんなの評価4.2

評価内訳

紙の本

何故ヨーロッパ人は、知的に劣っているにも拘わらず、世界を征服できたのか?

2007/02/06 17:02

13人中、13人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:緑龍館 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 変な題名の本ですが、歴史の本です。ただ、普通の歴史の本じゃない。現在の人間世界の有り様が何故このようになったのか?という大きな疑問に対して、1万3000年前からの人類史を通じ、正面から謎を解こうと試みている本です(1万3000年前は、最後の氷河期が終わった時期です)。どうして、世界の富の大部分を欧米(それと一部のアジアの国々)が独占し、世界経済と国際社会を圧倒的にリードしていくような、現代の状況が形作られたのか?なぜインカ帝国がスペインを征服し、アメリカ・インディアンがイギリスを滅ぼさず、その逆になってしまったのか?この歴史の流れは偶然だったのか、必然だったのか?
 この疑問に対し著者は、第一義的には銃や鉄に代表される、技術や武器の圧倒的な優越性と征服者がもたらした病原菌の大流行(16世紀、アステカ帝国を中心とする当時2000万人に及んだメキシコ先住民の9割以上の人口を殲滅したのは、スペイン人の武器ではなく、スペイン人がもたらした天然痘でした)、文字による情報の強大な力、などの要因を挙げますが、それに留まらず、ではなぜ、そのような技術と武器、新大陸を征服する病原菌が、(新大陸ではなく)ユーラシア大陸を中心に発達・進化することができたのか?これは偶然か必然か、という根本的な次元まで考察を進めていきます。 そしてその根本要因として、食糧生産、大型動物の家畜化、大陸が縦型か横型かという形状の重要性、これらに伴う病原菌の進化などを通じ、その謎をひとつひとつ解いて行きます。その分析と解明の手際の何とはなやかなこと。
 1998年のピュリッツアー賞を受賞した著作で、著者は、歴史学者ではなく、UCLAの生理学教授 兼 進化生物学者です。解明の手法も、社会学者ではなく自然科学者らしいアプローチで、説得力があります。もちろん、社会進化論を標榜する本ではありません(社会進化論とは一般的に、人種・民族間の優劣を優生学的な遺伝の観点から実証しようとする、現代では否定されている考え方です)。ただプロローグで、石器時代の生活をまだ続けているニューギニア高地人が、西洋人よりも、進化論的な遺伝の側面、および後天的な教育の両面でより知的であるということを、見事に論証してしまっているので、こういう面では社会進化論の影響下にある本であるのかもしれません(笑)。著者に依ると、その論に立った この本のテーマは、「何故ヨーロッパ人は、知的に劣っているにも拘わらず、世界を征服できたのか?」ということになります(再笑)。
→ 緑龍館 Book of Days

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紙の本

スリリングで知的な謎解きの面白さ

2003/05/04 12:12

5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:萬寿生 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 人類は極めて多様な社会を作り上げてきた。高度な工業化社会も在れば、伝統的な農耕牧畜生活を営む人々もいる。数千年にわたって狩猟採集生活を続ける人々もいる。なぜ人類社会はこれほど異なった発展の道筋をたどったのか。世界の各地域間の格差を生み出したものの正体はとは何か。この壮大な謎を、1万3000年前からの人類史をたどりつつ、分子生物学、考古学、文化人類学などの最新の成果をもとに解き明かしている。
 この著作のきっかけは、著者がニューギニアで鳥類の進化の研究をしていた時、あるニューギニア人からの次の質問であったという。「あなた方白人は、たくさんのものを発達させてニューギニアに持ち込んだが、私達ニューギニア人には自分たちのものといえるものがほとんどない。それはなぜだろうか?」
 25年後の著者の回答を要約すれば、「歴史は、異なる人々によって異なる経路をたどったが、それは、人々のおかれた環境の差異によるものであって、人々の生物学的な差異によるものではない。社会は、環境地理的および生物地理的な影響下で発達する」というものである。
 ヨーロッパ人が他の大陸を征服できた直接の要因を凝縮して表現したものが、本書のタイトルの「 銃・病原菌・鉄」である。それらの要因が、なぜヨーロッパで生まれたのか、という根本的要因はなにか? 食料生産の地域差によるものである。食料生産と社会間の競合が大本の原因となって、いずれも人口密度の高さと定住生活が関与する原因結果の連鎖が始まる。その過程を通じて疫病をひき起こす様な病原体が現われ、文字が発明され、さまざまな技術革新が起こり、集権化された政治組織が登場したことが要因となって、征服という行為が可能となった。更なるその根本要因はなにか? ユーラシア大陸では家畜化や栽培可能な動植物がずっと多様で、食料生産をより効果的におこなうことができた。地理的障害や生態的障害が少なく、発明や技術がさまざまな地域に伝搬しやすかった。大陸の大きさの違い、東西に長いか南北に長いかの違い、そして栽培化や家畜化可能な野生祖先種の分布状況の違いが根本原因である。
 「銃・病原菌・鉄」を持てるものと持たざるもの、この両者を分つ究極の要因とは何であったのか。その要因はいつ、何処で、どのようにして生じたのか。直接の要因と、究極の要因とは、どのような因果の鎖で結ばれているのか。このような問いを進めつつ、東アジア・大平洋地域・オセアニア・新旧大陸の衝突・アフリカ大陸の、さまざまな事実を次々と紹介しながら分析を深めていく。スリリングで知的な謎解きの面白さがある。
 著者はカルフォルニア大学ロスアンゼルス校医学部教授で、生理学、進化生物学、生物地理学、鳥類生態学、と幅広く研究しており、その博学ぶりを遺憾なく発揮し、各地域の事例をひもとき、その論理を証明していく。多くの学問分野を総合化した、見識が示されている。本書は1998年度のピュリッツー賞を受賞したという。

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紙の本

銃・病原菌・鉄〈上巻〉―1万3000年にわたる人類史の謎

2009/04/05 12:08

8人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ぴろきち - この投稿者のレビュー一覧を見る

世界がなぜ今の力関係になったのか、をひもとく学術書。人類のはじまりから、環境・地域などの考古学的な実例で紹介するため、分厚いが読みやすい。人類のこれまでの歩み(ベクトル)がわかり、内容が深く、ためになる。単なる人類史の話ではないと感じたが、上巻でバテて読み疲れもした。必読。

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紙の本

銃・病原菌・鉄

2001/06/12 22:20

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:hiro - この投稿者のレビュー一覧を見る

 人類が地球上に誕生してから1万3千年。どのようにして現在のような有り様に至ったのか。その謎を考古学や生物学、遺伝子工学等、最新の研究成果を総動員して解き明かしていく。まさしく目が眩むほど壮大なテーマだ。
 上巻では食料生産の歴史について、多くの紙数が費やされている。小集団を基にした狩猟採集中心の移動生活から、農耕を中心にした定住生活へという良く知られた変遷についてである。そんな極常識的な説にしても、現在の農産物の遺伝子解析により特定される起源種から、どこで農耕が起こりどのように広まっていったかという具体的な筋道が示されると、それは全く新鮮な知識として受け取られるから不思議だ。古代の人々がどのようにして、起源種を改良して栽培に適した品種を作り出していったかの推理についても説得力がある。食料生産に限らず、人類の営みを明瞭に浮かび上がらせているところは、博学な著者ならではの所業だろう。ただ論の根拠となっている様々な研究成果については、専門書ではないだけに、いかにも必要な部分だけをサッと持ってきたという印象がある。気になるところではあるが、一般読者を対象としているのであればそれが適切なのだろう。私のような門外漢にも、一気に読めたのであるから。

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紙の本

非常に面白い

2002/05/16 21:51

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:MF  - この投稿者のレビュー一覧を見る

アフリカ、ヨーロッパ、オーストラリア、南米では、どうしてここまで発展の仕方が異なったのであろうか。このような問いに対して、多くは近代史以降の説明を試みるであろう。
しかし、本書では、その近代史において前提となっている政治経済的環境、技術的環境がどのように準備されたかについて解説している。
ここで、著者は、ほとんど説得力の無い「民族的」な要因などは使わない。根拠とするのは、各地の人類を取り巻いていた自然環境であり、その自然環境の必然的な結果として近代(さらには現代)につながる諸環境が用意されたと語る。
鍵となるのは、家畜となる動物がいたか、栽培できる植物があったか、技術伝播・交流が可能であったかということである。細かい種明かしはここではしないが、非常に面白い本である。

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紙の本

なぜ「差異」が生まれたのか?

2000/12/11 10:03

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:三中信宏 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 1998年に本書の原書("Guns, Germs and Steel")でコスモス国際賞を受賞したダイアモンド教授は、大阪と東京で開催された受賞記念講演会のタイトルを「過去13,000年間、人類はなぜ異なった大陸で異なった発展をしたのか」と付けました。このタイトルは、このたび訳された本の問題設定をもっとも凝縮したかたちで表現したものです。この問題に対する著者の回答は明快です:「それは、人びとのおかれた環境の差異によるものであって、人びとの生物的な差異によるものではない」(上巻: 35)。生物学的決定論や人種差別主義に抗しつつ、しかもナイーブな環境決定論とも一線を画して、人類史を再構築しようというのが、本書の掲げる大きなテーマです。
 自然地理的・生物地理的な初期条件の差異に加えて、さまざまな偶然的要因が作用することで人間の歴史が作られてきた−この考えは人類史を生物進化史としてとらえなおすことにほかなりません。実際、本書では、議論を進めるにあたって、多くの歴史科学−進化生物学・進化生態学・進化心理学・生物地理学・自然地理学・地質学・歴史言語学など−の成果を縦横に駆使します。つまり、テーマはあくまでも「歴史」だが、アプローチは「科学」であるという認識です(上巻: 36)。進化学の背景知識がある読者ならば、おそらくまったく違和感なく、本書を読み進んでいけると私は思います。むしろ、人類史を進化学の観点から見直した本書は、これまでになく「するりと染み込んでくる本」であるように感じました。
 「人類史の研究を、進化生物学や地質学や気候学のような歴史科学として確立させる」(上巻: 44)という基本路線を著者が打ち出した以上、本書が全体としてこの方針をどこまで貫けるかという点に関心が向かいます。いまから「13,000年前」すなわち最後の氷河期の終了時点が人類史のスタートラインと位置づけられます(上巻: 48)。第1部(上巻)では、このスタートラインに立った人類の初期分岐を見渡します。ポリネシアとインカ帝国の例が示されます。続く第2部(上巻)では、スタートラインが同じでも、なぜある地域だけが他よりも「一歩先」を進むことができたかを探ります。キーワードは「食料生産」。スペインがインカ帝国を征服できた至近要因は【銃・病原菌・鉄】であったとしても、それだけでは究極要因を示せたことにはなりません。著者は、食料生産こそ、人類史の究極要因を解く要であると考え(上巻: 125, 図4-1)、動植物の栽培化と家畜化が世界のどの地域で可能であったかを詳細に論じます。首尾よく食料生産ができた地域は「一歩先」を進むことができ、銃や鉄を作ったり、疾病に対する免疫力を付けることができたのだということです(上巻: 148)。農業・畜産業の史的成立を論じた第2部の記述は具体的かつ詳細です。栽培化や家畜化の成功例と失敗例を生物地理的に概観した上で、著者は人種ではなく地理が究極要因であると結論します(上巻: 286)。
 大陸の地理的特性は、家畜化あるいは栽培化が可能な動植物のレパートリーを条件付けました。そして、その一方で大陸の地形的特性−とくに東西南北への広がり−は、農業や技術の伝播のスピードを決定しました。このような環境要因が各地域の「最初の一歩」の踏み出しに影響を与え、そのわずかなちがいが最終的には世界的な「差異」に結びつくというストーリー展開になります。[下巻書評に続く]

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紙の本

文明論における「バタフライ効果」の面白さ

2000/11/13 18:12

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:FAT - この投稿者のレビュー一覧を見る

 ユーラシア大陸とそれ以外の大陸において、なぜ、文明の発達にこれほどの違いが生じたのか。改めて問われると、結構ハッとさせられるこの問いかけに対する、明確な答えが、この本には用意されている。ダイアモンドの用意する「答え」の眼目は、文明の発達の「スピード」を決めるのは、地理的状況と生物分布の差違であるということにまとめることができるだろう。大陸の東西への広がりと栽培化・家畜化し易い動植物の祖先種の存在という初期条件が、1万3千年後において、征服者と被征服者という立場の違いを生み出してしまう程、決定的であるという指摘に「目から鱗が落ちる」思いをしたのは、評者だけではあるまい。
 ただし、本書後半のヨーロッパと中国の比較をしている部分については、納得できないところがある。ダイアモンドの思考の枠組みは、数千年単位の時間での発展の差違の因果の理論とはなっているが、数百年単位の歴史のうねりの説明としては、説得力が弱いと思われる。環境決定論−本書の場合は、地理的状況と生物分布による決定論であるが−は、時間的スパンが大きい場合には強い説得力を持つが、少なくともユーラシア大陸内での文明の興亡の因果関係を解明するには、別の枠組みが必要であると感じた。
 しかし、そう意味で少し筆の走りすぎのきらいはあるものの、地理的状況と生物分布という初期条件が、どの様に文明の形成過程に影響を及ぼすかという点を極めて活き活きと描き出している本書は、カオス理論でいうところのバタフライ効果が、如何に文明という複雑な事象を解明する上で重要かということの例証となっており、極めて興味深い。本書は、本当に面白いと思うので、是非広く読んで貰いたいと思う。

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紙の本

ヒューマニズムの科学

2000/11/02 00:25

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:田口善弘 - この投稿者のレビュー一覧を見る

本書を貫いているのは強力なヒューマニズムである。著者はある「原住民」から問われる。「なぜ、ヨーロッパと我々にはこんなにも差があるのか?」と。ご存知の様に、現在の人種差別のもっとも大きな源は、白人が科学技術において卓越している(いた?)ためである。そして、それが「人種の能力の差」として固定されたのが人種差別の起源だ。著者は科学者としての真理探究の精神と能力を駆使して、この「差」が環境的な差の累積的な効果であることを論証していく。その論理展開は探偵小説の中の名探偵のなぞ解きを見るように鮮やかで見事だ。
科学者としての使命をまっとうすることが自然に人種間の差を否定し、根源的には平等である人類のヒューマニズムの正当化へとつながって行く。そんな研究が出来た著者が本当にうらやましいと思う。本書は上記の問いで始まり、問いにどれくらい答えられたかという検証をもって終えられる。まだまだ分からないなぞは多い。例えば、日本がなぜこれほど短期間に欧米にキャッチアップしてのけたのかは大きななぞだが、この本と同じ文脈で考えることができるはずだ。これはひょっとすると大変大きな学問分野の誕生のきっかけとなるかもしれない。本当にすばらしい本だと思う。

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パチンコの玉はどこに落ちるか

2003/02/04 01:08

2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:紙魚太郎 - この投稿者のレビュー一覧を見る

現在、先進国と呼ばれ、世界の政治、経済、科学の世界をリードしているのは、その9割がヨーロッパ・アメリカ型の白人を中心とした文明である。なぜ、アフリカを中心とした黒人社会ではないのか。アメリカ先住民が世界史の中心となり得なかったのか。偶然か、必然か。この本はそんな疑問を抱いた一人の進化生物学者の思索の試みである。
 パチンコの玉は、多くの釘にはじかれ、皆異なった経路をたどる。どの釘にどんな角度であたるのか、途中でどの玉とぶつかるのか。そこにはカオスが存在し、コンピューターを使っても完全なシミュレーションは無理であろう。しかし、確実にいえることがある。全ての玉ははじき出され、頂点に達した後、必ず下に向かって移動する。ある瞬間においては上に向かってはじかれるかもしれないが、全体のベクトルの総和は必ず下を向く。それは、重力が存在するからだ。果たして、現在に至る人類の歴史にもパチンコの玉に対する重力のような必然的な存在があったのだろうか。筆者は、ポリネシアにおける各島での社会比較から始め、各大陸の運命を検証し、農耕定住型の生活への移行時期と文明の伝搬速度の速さが鍵であったとしている。そして決定的なアドバンテージを持ったのが東西に長く最大の面積を持ったユーラシア大陸であったと結論づける。興味深い内容であり、ぜひ各人で検証されたい。ただし、各大陸の優位性までの思索はかなり繊細にされ、冗長であるほどであるが、中世以後のヨーロッパ文明の運命などについては、ほとんど触れられていない。歴史学者ではない筆者の手に余ったのであろうか、筆者が白人であったためなのかはわからないが、ほんの数ページが割かれているだけであることも付け加えておく。

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紙の本

共生か絶滅か

2002/01/21 20:41

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:chita - この投稿者のレビュー一覧を見る

 よくもここまで書けるものだと感心するが、どうしてこの3種類で、この順番でタイトルなのかが良くわからない。銃と鉄は似かよった分類のように思うが、間に病原菌が入るのは何故なのか?
 銃→武器→技術
 病原菌→生態系→環境
 鉄→資源→(文字)
 という連想をするのだが、結局わからない。
 言われてみると納得するが、食と住とがいかに密接な関連性を持っているかがわかった。歴史の主役は食料であり、動植物、地理的環境が脇役という印象を受けた。
 毒のないアーモンドを食べられるのは突然変異で出てきた無毒なものを栽培したとあり、なるほどと感心したが、人間社会に置き換えると歴史を作ったとされる偉人は突然変異種なのかもしれない。
 ヨーロッパ人がインカ帝国を滅ぼしたとあるが、結果的にはヨーロッパの病原菌がインカ帝国の病原菌に勝ったということで生態系の中の最強者は病原菌ではないのか。
 結局、生き物の選択肢は共生か絶滅かの2者択一であり、果たして人類は地球・病原菌と共生できるのか、それとも絶滅するのか。

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銃・病原菌・鉄

2001/01/23 00:51

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ちち - この投稿者のレビュー一覧を見る

 単なる事実の羅列ではない、謎解きの楽しさに満ちた本。歴史を動かす動因を解き明かす構想の壮大さに圧倒される。

 惜しむらくは、翻訳がひどい。原書をときおり確認しながら読まないと理解できないほどである。わたしは事実そうして読んだ。しかしながら、そんな手間に耐えてまでも読み進めたくなる魅力に満ちているのは確か。

 一刻も早い改訳を望む。

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紙の本

欠落した敗者の視点

2001/01/20 01:37

4人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:茂木健一郎 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 歴史とは何だろうか? 有志以来、数限りない人間が、運命に翻弄されながら懸命に生き、やがて死んでいった。個人の主観から見た歴史は、痛切な思い、悲惨な経験に満ちている。一方、歴史を客観的な人間集団のダイナミックスとして見た時、そこには冷酷なまでの法則性が現れる。冷酷な法則の前では、個人の痛切な思いは、大勢に影響のない単なるノイズである。
 『銃・病原菌・鉄』(倉骨彰訳、草思社)は、人間の歴史を動かす諸要因を、客観的な法則として解き明かそうという試みである。一五三二年、スペインの征服者ピサロとインカ皇帝アタワルパがペルー北方の高地カハマルカで出会った時、そこで何が起きたか? なぜ、ヨーロッパ人が中南米の先住民を征服したのであって、その逆ではなかったか? ダイアモンドは、しばしば見られる素朴な思い込み、すなわち、遺伝的な要素や、少数の英雄、天才の行為が優劣を決めるという歴史観を否定する。ダイアモンドが強調するのは、むしろ、自然地理学の延長のような視点である。すなわち、栽培に適した植物があったかどうか、家畜化可能な動物がどれくらいいたか、さらには、大陸が農耕文化の伝播に好都合な、東西に延びた形をしていたかどうかといった要素が、その環境の中に生きる人間社会の発展の様式を決め、ついには近代のヨーロッパ人による世界征服につながるような発展段階の差をもたらしたとするのである。
 ダイアモンドのような視点は、歴史学を、英雄物語や印象批評の世界から解放し、巨大な人間社会を動かす真の要因を明らかにするという方向性からは肯定されるべきものだろう。しかし、ダイアモンドのようなアプローチでは救いとれない歴史の一面もある。歴史を実際に動かすものは、ダイアモンドが仮説として呈示したような諸要素かもしれない。しかし、亡び行くインカ帝国の人々が抱いた痛切な思いは、ダイアモンドの著作からは伝わってこない。勝者だけが、客観性を標榜できる。敗者には、その余地がない。

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紙の本

コメント

2001/02/06 17:28

1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:松島駿二郎 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 人類の置かれた環境の違いによって、一方は産業革命、一方は依然として石器時代という大きな差がついた。読みながら感じたことは確かに人種の運命は、環境によって決まるということであり、しかし、同時にどっちが幸せだったか、という根本的な問題に対する答えがどうなるか、ということであった。東京という特殊に突出した都会に住む人たちと、石器を使いながら毎日平穏に暮らすジャングルのなかの人たちとどちらが幸せかという問題には明快な答えが出せない。

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2004/11/13 21:05

投稿元:ブクログ

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2005/12/03 20:55

投稿元:ブクログ

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