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紙の本
20世紀初頭のヨーロッパ風
2002/07/07 00:56
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:くゅずにえ - この投稿者のレビュー一覧を見る
レンズ精製をやっていた主人公は双色の瞳を
隠し、貴族として生活することになった。
身分・階級が顕著に表現され、軍人や、差別があった頃の
人々の苦労が露骨に伝わってくる。
女性による優しい文体と女性特有のタッチで描く戦争は
残酷であり、時に愛情・友情を美しくみせたりもする。
紙の本
少女の戦いと成長の姿をシリアスな文体で描き出す
2000/08/15 02:13
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:タニグチリウイチ - この投稿者のレビュー一覧を見る
人気ゲームキャラの声優になってしまった女子高生が巻き込まれた騒動を、コミカルに描いて評判を取ったデビュー作『高天原なリアル』から一転。新シリーズでは文明が衰退した近未来を舞台に、少女の戦いと成長の姿をシリアスな文体で描き出す。
化学物質が人間の遺伝子に深刻なダメージを与えた世界では、正常な遺伝子を持つ人間だけが「選ばれし子」として支配者層に連なることができた。ヘルズガルド公国の辺境で光学職人の娘として育ったウナは、赤と緑の瞳を隠して貴族の養女になり、技術将校として激しさを増す敵国との戦いに身を投じて行く。
身体的な特徴で差別される世界は、人間がなかなか拭うことのできない差別の意識をチクチクと刺激する。そんな中でもウナや機械職人の娘エクトラが、身につけた技術で成り上がっていく痛快さは心地よく、身分は違ってしまっても血縁を思う登場人物たちの優しさにも目が濡れる。重厚な寺田克也画伯のイラストにも注目!
(タニグチリウイチ/書評家、新聞記者)