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収録作品一覧
ハイネックの女 | 5-48 | |
---|---|---|
くだんのはは | 49-82 | |
流れる女 | 83-154 |
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紙の本
粒揃いの短編集
2002/06/08 22:59
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:のらねこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
角川春樹事務所からハルキ文庫の一冊として刊行された、「くだんのはは」という一冊について書く。
小松氏の数ある短編の中から主として「女」シリーズと呼ばれるものを編んだものですが、やはり、なんといっても表題作が圧倒的に面白い。舞台となる昭和二十年、終戦直前の芦屋のお屋敷の、細かなディテール、アイデア、語り口、それにラストの処理まで、見事すぎる。
他の収録作も、大半は過去に他の短編集で読んだことのある作品なのだが、以前読んだときは話の筋とかアイデアの部分ばかりを気にかけていたような気がする。最近になって本書で読み直してみると、どことなく、江戸期の草紙本の匂いがする、非常に細やかで情緒がある、行き届いた文章をお書きになられる方だったんだなあ、と、あらためて気づかされた。こうした資質は、教養の根幹に翻訳の文章が刷り込まれている、比較的若い世代の作家には欠けていると思う。
もっとも、日本でも屈指のハードコアなSF作家として知られる氏であるが、大学の専攻したのは、意外にも、イタリア文学なのである。文芸家としての資質にも、不自由しなかったのは、当然ではあるんですが。
ともあれ、さまざまな角度から読み楽しむことが可能な粒そろいの一冊であることには、相違ない。
紙の本
「件」小説の真髄
2001/01/25 01:30
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:谷池真太 - この投稿者のレビュー一覧を見る
西日本に多く生息するという妖怪、件。半牛半人で人語を話し、疫病や戦争を予言するという。先の大戦の終結も予言していたらしい。そんな妖怪を扱った怪奇小説の傑作。ないようについては怪奇小説ということで読んでのお楽しみとしていただきたいが、「異形」の恐怖・悲劇というものに対しては考えさせられる。
ちなみに石ノ森正太郎が漫画化している。内田百ケンの「件」といい、件を扱った小説はおもしろい。