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紙の本
豚の死なない日 続 (白水Uブックス 海外小説の誘惑)
著者 ロバート・ニュートン・ペック (著),金原 瑞人 (訳)
父の死にめげず、家族をささえて健気に働くロバート。だが凶作とアメリカ全土に及ぶ恐慌の波がヴァーモントを襲い、一家は苦況に立たされる。96年刊の再刊。【「TRC MARC」...
豚の死なない日 続 (白水Uブックス 海外小説の誘惑)
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商品説明
父の死にめげず、家族をささえて健気に働くロバート。だが凶作とアメリカ全土に及ぶ恐慌の波がヴァーモントを襲い、一家は苦況に立たされる。96年刊の再刊。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
ロバート・ニュートン・ペック
- 略歴
- 〈ペック〉ヴァーモント生まれ。著書に「ひとり立つ日・父に捧げる別れの歌」。
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空のどこかにあるものを忘れた人たちに読んでもらいたい
2017/10/07 08:36
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る
この物語のタイトルを見てわかるように、この物語はアメリカで1972年の発表された『豚の死なない日』の続編である。
原題は「空のどこかに」で、続編ながらこちらが発表された1994年という。
父を亡くしたロバート少年のその後の話であるから、物語はつながっているが、作者はこの作品を書くのに実に20年の歳月が必要だったことになる。
前作が父と息子を主とした家族の物語だとすれば、この続編は息子であるロバートの青春物語といえるだろう。
何しろあのロバート少年にかわいい恋人までできるのだから。
そういう華やかな側面はあるしろ、少年と母と伯母の小さな家族を取り巻く環境はさらに悪化していく。
父が亡くなる半年前に「おまえひとりが頼り」と父から任された少年だが、わずかばかりの牝牛も牡牛も死んでしまう。さらには干ばつと、天候すら少年の味方ではない。
父があと5年で自分たちのものになるといった畑も月々の支払ができず銀行に取り上げられてしまう。
次から次へと少年に襲ってくる苦難の中で、少年は学校の女教師の勧めで詩を書くことを覚える。
女教師は言う。「あなたが詩を書くたびに、あなたの心と精神がきたえられていく」と。
その言葉の通り、少年を書くことでつらい現実と対峙することができる。
そんな少年を励ます少女や隣人たち。
結局住む家さえ手離すことになった少年だが、自分が幸せだとはっきり自覚する。
貧しさは不幸かもしれない。
しかし、少年のようにそれでも幸せだと感じることができることを、この物語は教えてくれる。