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商品説明
22歳の春、すみれは生まれて初めて恋に落ちた。広大な平原をまっすぐ突き進むような、激しい恋だった。恋に落ちた相手は17歳年上で、結婚していた。更につけ加えるなら、女性だった…。ミステリアスな恋愛小説。【「TRC MARC」の商品解説】
a weird love story
*【weird】
とても奇妙な、ミステリアスな、この世のものとは思えない、
22歳の春にすみれは生まれて初めて恋に落ちた。広大な平原をまっすぐ突き進む竜巻のような激しい恋だった。それは行く手のかたちあるものを残らずなぎ倒し、片端から空に巻き上げ、理不尽に引きちぎり、完膚なきまでに叩きつぶした。そして勢いをひとつまみもゆるめることなく大洋を吹きわたり、アンコールワットを無慈悲に崩し、インドの森を気の毒な一群の虎ごと熱で焼きつくし、ペルシャの砂漠の砂嵐となってどこかのエキゾチックな城塞都市をまるごとひとつ砂に埋もれさせてしまった。みごとに記念碑的な恋だった。恋に落ちた相手はすみれより17歳年上で、結婚していた。更につけ加えるなら、女性だった。それがすべてのものごとが始まった場所であり、(ほとんど)すべてのものごとが終わった場所だった。
●[スプートニク]
1957年10月4日、ソヴィエト連邦はカザフ共和国にあるバイコヌール宇宙基地から世界初の人工衛星スプートニク1号を打ち上げた。直径58センチ、重さ83.6kg、地球を96分12秒で1周した。
翌月3日にはライカ犬を乗せたスプートニク2号の打ち上げにも成功。宇宙空間に出た最初の生物となるが、衛星は回収されず、宇宙における生物研究の犠牲となった。――(「クロニック世界全史」講談社より)【商品解説】
著者紹介
村上 春樹
- 略歴
- 〈村上春樹〉1949年生まれ。小説家。著書に「ねじまき鳥クロニクル」「アンダーグラウンド」ほか多数。
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紙の本
ハマった村上作品第一作目
2021/06/07 10:34
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:719h - この投稿者のレビュー一覧を見る
向かいの建物の窓の中に、
見知らぬ男性と睦み合う自分がいるのが、
こちらの建物の窓外に見える、
という場面が印象的です。
よくこういう状況を思いつくものですね。
紙の本
それでも僕は。それでも私は。
2001/02/20 22:57
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:エムケーハップ - この投稿者のレビュー一覧を見る
一番伝えたいことは言葉にしないと伝わらないのか、それとも、言葉にしなくても伝わるのか。ふとした分岐点に立ったとき瞬時にその答えを出さなければいけないことがあります。常識とされてるものからすればひょっとしたらはずれているかもしれない秘密をそれぞれに持つ3人の男女の、会話から得る充実感と言葉のない満たされた空間が東京、ギリシャ、そして大気圏外を行き来します。
紙の本
こちらの世界とあちらの世界
2001/01/20 16:52
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:よんひゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
一連の村上春樹の小説とエッセイ以外の仕事(訳書『心臓を撃ち抜かれて』、ノンフィクション『アンダーグラウンド』『約束された場所で』、対談『村上春樹 河合隼雄に会いに行く』)で、彼の関心が赴いている「こちらの世界とあちらの世界」に、小説という形でひとつの解答を出したのが、この作品かな、という気がする。解答といっても、結末は宙ぶらりんなのだが。
実は今回の作品は、わたしにとって特別な意味があった。すでに読んだ人から「今回は主要な登場人物が在日だ」ということをきいていたからだ。といっても、期待半分怖さ半分というところだった。怖さ、というのは、在日韓国人3世である私にとって、日本人が小説の中でとりあげたステロタイプな在日像、というのには、うんざりすることも多かったからだ。
結果だけ言うと、「なんで在日なの?」という感じだった。内容自体は、相変わらずのメタファーに満ちた村上春樹ワールドで、以前からおっかけているわたしには、そういう意味では堪能できた。
紙の本
長編でない方が良かった
2001/01/15 09:29
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:白井道也 - この投稿者のレビュー一覧を見る
奇妙な三角関係の物語のようにみえて、最終的には物語の語り部である「ぼく」の「孤独」がテーマになる。
その三角関係とは、「ぼく」が愛し、性欲を感じている「すみれ」。「すみれ」が愛し、性欲を感じている「ミュウ」。「ミュウ」は「すみれ」を愛しているが、性欲は感じていない。この3人で構成される。タイトルの「スプートニクの恋人」とは、すみれにとってのミュウであり、物語の大部分は、すみれのミュウに対するレズビアン的愛情が中心となっている。それを「ぼく」が語っているわけだ。『失われた時を求めて』の中の『スワンの恋』のように。
途中まで、この物語が1人称で語れることに違和感があった。最終的には納得できるのだが。すみれとミュウの関係が奇妙な進行をし、それがプツリと切れて「ぼく」の話になる。この展開が、いささか強引。あるいは、すみれとミュウの物語が長くてバランスが悪い。これが長編ではなく中編、あるいは短編であれば、シャープな物語になっていたと思う。
村上春樹の小説だけあって読みやすいのは確実なのだが、随所に出てくる比喩がいくぶん空虚に響く。タイトルの付け方と物語への関連のさせ方は、絶妙だ。
紙の本
パターン
2000/10/24 22:35
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:katokt - この投稿者のレビュー一覧を見る
この小説のなかでは、作者が好んで書いてきた世界(あるいは、マーケティングして今こんなのが受けそうだなと作者が考えた世界っぽいけど)が濃縮して展開される。 まず登場人物、孤独ないつでも第三者的な男性、積極・活動的で魅力的な女の子(すみれ)、大部分の人が都会的とうらやむような生活(ミュウ)。 書かれる対象が、昔はロック・ビールがクラシック・ワインに代わったミニ知識、現実にはちょっとありえないような、でもありそうにみせる機知にとんだ会話、国内から海外へと場所を移した旅行、ちょっといやらしい性描写、文書(手紙)の文中への折込、そして井戸。 ▲ストーリーとしてもいくつかの暗喩的なエピソード(伏線?)、車でのすれ違いによる再会、電話でのラストなどなど。 詳しくは