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紙の本
地下街の雨 (集英社文庫)
著者 宮部 みゆき (著)
都会の孤独。通り過ぎてしまう愛。でも希望は捨てない。きっとまた輝きの季節はくるのだから…。大都会の片隅で夢を信じて生きる人びとを描く、愛と幻想の作品集。(解説・室井 滋)...
地下街の雨 (集英社文庫)
紙の本 |
セット商品 |
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商品説明
都会の孤独。通り過ぎてしまう愛。でも希望は捨てない。きっとまた輝きの季節はくるのだから…。大都会の片隅で夢を信じて生きる人びとを描く、愛と幻想の作品集。(解説・室井 滋)
【商品解説】
収録作品一覧
地下街の雨 | 5-50 | |
---|---|---|
決して見えない | 51-72 | |
不文律 | 73-92 |
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不思議な気分になる短編集。
2010/09/20 04:14
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:オレンジマリー - この投稿者のレビュー一覧を見る
読み易い短編集で、ほとんど移動時間中に読了した一冊。一編一編、最初に抱くイメージが尽く覆される流れと展開、大いに楽しめました。
最初の『地下街の雨』は、女性の執念というか…ねっとりした部分が顔を出して若干嫌悪感を抱いたんだけれども、そんな裏話があったとは…と最後には驚く。読み手として、終始ハラハラするし、先が気になるのでハイテンポで読み進められます。登場人物の個性や描写が巧妙で、流れを掴み易いのも利点の一つだと言える。
『ムクロバラ』は少し混乱しました。幻覚なのか、真実なのか。刑事の知人とか親戚が居ないので、実際に色んな話を聞く機会はない。だから、刑事ものの小説やストーリーを読む時は想像の上でしかない。この話には、狂気というものも潜んでいるし、いまどき起こりそうな、または起こっている事件も登場してくるので現実味があるので半ば等身大に感じられる。誰もが陥りそうな状況に背筋が寒くなりつつ、やはり宮部みゆきさんは巧いなぁと感心していました。
一番印象深かったのは『さよなら、キリハラさん』。何が印象に残ったかと言えば、えらく非現実的な流れだな…と思っていたのに!?という点。もしも突然聞こえなくなってしまったら、見えなくなってしまったら、声が出なくなってしまったら…有り得ないとは言い切れない状況。それが、人としての感情を巧く取り入れ、表現されているので臨場感もある。慌てるだろうな、あがいてみるだろうな、ありとあらゆる手を考察するだろうな、といった思いが交錯する。だけど、そのトリックというか…ひっそりと在る真実を知ると、拍子抜けする面白い一話です。切羽詰った状態でそんなことを言われたら、信じずにはいられなくなるんだろうか。すっかり騙された気分で読み終えて、救いがあって良かった。
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優しさあふれる宮部ワールド
2002/07/01 20:49
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:くろねこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
なんて優しいお話。
特に、表題作の「地下街の雨」
婚約者に裏切られ、仕事まで失った麻子。
失意のまま、ウェイトレスのアルバイトをしていた彼女の前に現れた、
似たような境遇にある曜子と知合ってから、事態は動き始めたのです。
そんな中で交わされる「地下街の雨」についての会話は、すごくセンスが
あって好きなシーンです。
それと、地下街の喫茶店は、外の風景が見えるわけでないのに、やっぱり
窓際の席に座ってしまうのって、なんだか、分かる気がするのです。
彼女が偶然見掛けた見覚えのあるネクタイ。
するべき人でない人がしているそのネクタイのその謎とは?
関わるべきでない人と関わってしまい、傷ついた麻子を待っていた
素敵な出会い。
心がほわほわ温かくなる素敵なお話です。
人生って、自分に見えるところだけではない。
自分と関わっている人が、自分に見えないところでも、生きているのだということ。
それが、事柄を、自分に見えないところで動かす事だって、よくあること。
忘れがちなことだけれど。
大切なこと。
それから、ついつい静かにガッツポーズの出そうなのが、「勝ち逃げ」。
亡くなった勝子の葬式で浮かび上がってくる誰もしらなかった勝子の過去。
すごくいやな、はっきり言って最低な夫婦も出てきます。
でも、勝子が、最後まで人には言わなかった過去。
そこに隠された勝子の深い思い。
そして、それを知ったときの、彼女の姉妹と姪っ子の反応。
これが、本当に温かい。
それだけでも、実際には登場しない勝子の人柄が忍ばれます。
自分自身が温かくなければ、周りの人間が彼女にそういう感情を持ったりは
しないはずなのですから。
ちょっとぞくっとする後味を残すのが、「決してみえない」と「不文律」
そして「混線」。
日常の陰に潜む恐怖。
だって、嘘でしょう? そんな…。
そうつぶやきたくなるような落とし穴の数々。
一見、なんでもなさそうにそこにあるから怖いのです。
特に、ぞっとするのが「ムクロバラ」。
デカ長のもとに通いつめる橋場の中に巣食うムクロバラの正体とは?
彼が言う「ムクロバラの事件」には、何か法則があるのか?
彼が書いたその似顔絵は、だって…。
ああ、そんなことがあるのでしょうか。
でも、それでも、ほんのささやかな救いがあれば、人は生きていけるはず。
きっと!
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不思議な
2022/05/24 15:18
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:りり - この投稿者のレビュー一覧を見る
いろいろな読後感のある短編が集まっていて、宮部みゆきらしさを楽しめる1冊でした。短編なだけに、終わり方がどれも秀逸で良かったです。電話など時代の違いを感じる描写もありますが、それもまたおもしろい。
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光の射す方へ
2020/06/29 23:56
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る
心を閉ざしていた女性に思わぬ転機が訪れる、表題作が気に入っています。地下街の喫茶店から地上へと駆け上がっていくようなラストが爽やかです。
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やはりストーリー・テラーか?
2019/06/26 18:42
2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ドン・キホーテ - この投稿者のレビュー一覧を見る
宮部みゆきの短編集である。宮部は長編にこそその真価が発揮できると思っていた。代表作は皆超長編だからだ。『模倣犯』、『ソロモンの偽証』、『理由』などである。文庫本でもブックカバーに入り切れないほどの大部である。この『地下街の雨』は短編7作が集められている。冒頭の短編作品が「地下街の雨」というタイトルである。
また、作風も腰巻に書かれているストーリー・テラーとは異なると考えていた。超長編もストーリー・テラーではなく、ストーリーを描くのに、全体のストーリーのみを著わすのではなく、細部を丹念に描写してから全体の構成を図り、情報を全て読者に提供するというスタイルだからそう考えたのである。
ストーリー・テラーとは具体的にどのようなスタイルをそう呼ぶのかははっきりしない。ストーリーを語ることと、細部をじっくり描くことは対立している概念と考えていたのである。しかし、いずれにしても読者を魅了するストーリーを創造していくことこそストーリー・テラーだとすれば、宮部みゆきはやはりストーリー・テラーであるといえよう。
7編のうちでは「決して見えない」、「勝ち逃げ」の2作品がとりわけ秀逸であった。「決して見えない」は、深夜、郊外の駅前でタクシーを待つ。客は2人しかいない。もう一人の男が声をかけてきた。ようやくタクシーが来たが、どういうわけかタクシーの運転手は待つ2人の客を無視していってしまったので、2人とも仕方なく歩くことにした。もう一人の男は赤い糸で結ばれている男女が結婚をすることもあるが、黒い糸で結ばれている人間同士という場合もあるという。死に神の奇妙な話をされた主人公はそこで目覚めた、という話である。
「勝ち逃げ」は、伯母を亡くした話である。清廉潔白だった伯母は教師としての人生を終えたのだが、結婚とは縁がなかった。しかし、伯母の家の郵便受けからメモが見つかった。そのメモの内容は驚くべき私信のメモであった。伯母は親族の誰にも知られることなく、やるべきことをやってから人生を全うしたことが分かったという話である。
短編は短編なので、多くを語る紙数はない。したがって、誰かが細部を語る余裕はないが、やはり宮部がストーリー・テラーであることは間違いないと確信した次第である。
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確かな観察眼
2002/06/11 10:25
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:塔ノ上 - この投稿者のレビュー一覧を見る
宮部みゆきの作品のどれをとっても、思うのは、著者の観察眼の鋭さだ。おそらく、普段私が何気なく通り過ぎてしまう、日常のささいな出来事を、見逃さず、観察し、そしてついには物語にしてしまうのだろう。その力が存分に発揮されているこの短編集は、ミステリーというよりも、ちょっと不思議な物語、怪談と言ってもいいものが収録されている。少し陰鬱な物語が多いが、宮部みゆきという作家の多様性を知るには、この一冊はかかせないと思う。
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どれも結末が気になって仕方ない
2001/12/22 20:55
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:sorano - この投稿者のレビュー一覧を見る
ひとつひとつの短編がミステリアスに満ちていて、おもしろい。「地下街の雨」は、仕事も恋も失った寂しい女の心理を描いたサスペンスドラマ。あとがきでは女優室井滋さんがこの話を、自分をキャスティングさせながら読んだという。確かにどれもドラマに出来そうなほど、結末が気になる話ばかり。中でも私は「混線」という、迷惑電話を題材に作った怖い話が、とても気に入ってしまった。ホントに怖かったです(苦笑)。
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ほんのり怖い短編集
2002/08/14 20:06
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:アリオス - この投稿者のレビュー一覧を見る
表題作「地下街の雨」他、ちょっと不思議な7つの短編が収録されています。
一番怖かったのは「ムクロバラ」。題名からして、何だかおぞましい響きですが。人はいかにして“ムクロバラ”になるのか、誰でも(もちろん自分も)“ムクロバラ”になり得るのではないか…そんな思いに背筋が寒くなりました。なるかならないかは紙一重なのかもしれない…。
意外な結末で一番面白かったのは「混線」という電話の話。突拍子もない設定のファンタジー入ったホラーという感じです。私は怖いというよりも笑ってしまいましたが(シニカルな笑い?)。
後からじんわり怖いのが「不文律」。ある一家の無理心中事件について、様々な人間が好き勝手に喋るセリフのみで構成されている話です。子供の無邪気さって恐ろしい…。
ラストの「さよなら、キリハラさん」もまた「混線」のように突拍子もない話なのかと思いきや、優しい余韻の残る話で、最後に相応しかったと思います。
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地下街の雨
2001/10/21 21:13
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:真 - この投稿者のレビュー一覧を見る
怖い話、楽しい話、哀しい話など、いろんなタイプの話が詰まった短編集。この人の書く文章は巧いので、話に引き込まれる。特に雨の描写なんかはさすが。どれも結末にひねりがあって、作者のテクニックが冴える短編集になっている。
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しっとり、ほっとする短編集。
2001/09/07 04:06
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:takumi_y - この投稿者のレビュー一覧を見る
そもそもが余り守備範囲が広い方ではないので、優しい話というと月並みながら北村薫と宮部みゆきは双璧かなあと思っているんだけど、なかでも表題の「地下街の雨」が秀逸。地道に努力している人が心安らぐ幸せを掴む読んでてほっとする話。
やっぱりこういう話を書くといいなぁ。でもこのご時世じゃあ、好きな人が親友と結婚してしまうってのをヤケ酒飲みながら管巻いてる男ってのはいい人なのかそうでないのか、判断に苦しむのが嫌だけどねぇ。
「勝ち逃げ」もお得意の分野にて、ああ、いい話だなぁと思います。シュールでブラックな系統の話が半分入ってるけど、うーん、「不文律」の無邪気な子供が一番怖かったかな。無邪気というのはとっても怖いよねぇ。しかし小学校の担任、誘拐ごっこはやめさせようよ…。
短編集なので1話ずつあっさり読めます。
紙の本
若干暗めの「あっさり」短編集
2000/11/01 13:38
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:あつぼん - この投稿者のレビュー一覧を見る
短編集だけあって今回はあっさりと話が終わるものばかり。話は短いが設定がドラマチックにできており、冒頭からひきつけたまま一気に読ませてしまう。そのあたりが「あっさり」という印象につながったようだ。
内容は様々ながら、若干暗め(=解決してよかった、という読後感ではなく、余韻を残す)の作品群と言えようか。短さをうまく利用したノリの作品かと感じられるものもあったが、結末ではやはり宮部風に持っていっている。長くても短くても自分の味が出せるのがよくわかる。
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タイトルが素敵
2021/08/29 02:07
1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:やさし - この投稿者のレビュー一覧を見る
七つの、思いついたように書いてみたのかな? という感じの短編集。世にも奇妙なっぽい。心情がそんなに素敵でないので私はあんまりでしたが。
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うーん
2020/09/06 11:06
1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:nap - この投稿者のレビュー一覧を見る
宮部さんの現代ものの短編は自分には合わないのかな。
すごいおもしろい!って思った経験が無い。
本作も同様。