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- カテゴリ:一般
- 発行年月:1998.9
- 出版社: 早川書房
- サイズ:20cm/358p
- 利用対象:一般
- ISBN:4-15-208189-9
紙の本
ムハマド・ユヌス自伝 貧困なき世界をめざす銀行家
著者 ムハマド・ユヌス (著),アラン・ジョリ (著),猪熊 弘子 (訳)
わずかな無担保の融資により、貧しい人々の経済的自立を助ける「マイクロクレジット」を行う「貧者の銀行」を創設し、世界中の賞賛を集めるノーベル平和賞有力候補が、自らの半生と信...
ムハマド・ユヌス自伝 貧困なき世界をめざす銀行家
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商品説明
わずかな無担保の融資により、貧しい人々の経済的自立を助ける「マイクロクレジット」を行う「貧者の銀行」を創設し、世界中の賞賛を集めるノーベル平和賞有力候補が、自らの半生と信念を語った初の感動的自伝。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
ムハマド・ユヌス
- 略歴
- 〈ムハマド・ユヌス〉1940年バングラデシュ生まれ。バンダービルト大学で経済学の博士号を取得。中央ヘネシー大学などを経て、グラミン銀行を創設。長年に渡り、貧困者の救済活動を行う。
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紙の本
今の日本の社会を変えるヒントをくれる画期的な本
2008/10/28 10:47
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:どっちボール - この投稿者のレビュー一覧を見る
今の日本の社会の閉塞感を打開してくれるのは、これまでこの国で実践されていない、マイクロファイナンスという新しい方法なのではないかということを実感させてくれる本。元気と勇気をもらえる本だ。マイクロファイナンスやソーシャルビジネスについてもっと知りたくなった。日本の社会に欠けている「つながり」や「きずな」の大切さも改めて実感。
紙の本
力を我らの手に
2002/08/26 12:48
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:みゆの父 - この投稿者のレビュー一覧を見る
翻訳の出版から4年もたってるっていうのに、まったく古くなってない。著者のユヌスさんはマイクロクレジットっていう新しい融資のあり方を考え出し、しかも実際に銀行を作って(この本によれば)成功してきた。そのユヌスさんが半生を語ったこの本には、貧困や銀行や起業のあり方についての新しい考え方が溢れてる。まったくもって、世界は広い。人間ってすごい。
貧しい人を見たら、僕らは助けたくなる。たしかに発展途上国(地域)を旅したら、そんな場面に何度も出会うだろうし、「いい人」ほど「助けたい」と思って寄付(慈善)してしまうんじゃないだろう。でも、ユヌスさんは「それじゃダメだ」っていう。なぜだろうか。
銀行から金を借りるときは担保が必要だ。僕はこれまで、それは当たり前だって思ってきた。しかも、今は「担保価値をちゃんと見抜けないから、不良債権が増える」って理屈で貸し渋りが進んでるし。でも、ユヌスさんは「それは大間違いだ」っていう。なぜだろうか。
起業っていうと、僕らは「ベンチャー企業だから、何か新しい技術やビジネス・モデルを持ってるに違いない」って思ってしまう。そして「既存の重厚長大産業が衰退してるから、これからは起業だ」みたいなセリフが新聞や雑誌のページに踊ってる。そして、僕らもそのセリフを真似てしまう。でも、ユヌスさんは「新しい技術もビジネス・モデルも必要ない」っていう。なぜだろうか。
バングラディシュで始まったマイクロクレジットは、発展途上国(地域)の人々が自力で貧困から脱出するための手段だった。でも、その底に流れてる経済思想は、僕らにとっても、他人事じゃない。嘘だと思ったら、うえの三つの疑問に対する答えを自分で考えてみてほしい。そして、わかんなかったら、この本を読んでみてほしい。きっと「マイクロクレジットが投げかけた問題は、僕らの日常生活にもふかく関わってる」ことがわかるはずだ。
紙の本
ジンテーゼ「マイクロクレジット」を構想する知性と行動
2004/09/28 22:38
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:平野雅史 - この投稿者のレビュー一覧を見る
グラミン銀行は、現在では開発途上国の貧困層の支援策として広く世界で活用されつつあるマイクロクレジットの創始である。途上国はおろか米国等先進国における貧困層の自立支援策としても一定の広がりを見せつつあり、最近では(役所の刊行物である)わが国中小企業白書のなかでも描写されている。ムハマド・ユヌスは、そのグラミン銀行を起業し、マイクロクレジットという「ビジネスモデル」を構想、実現した人物。
本書はその自伝であり、もとより穿った見方はできるのだが、ユヌスがどのような道程を経てマイクロクレジットを世界に広めていったかを伝える、数少ない書と言える。
「美しい経済理論を教える教室」から一歩外に出れば「死体があふれる現実」のバングラデッシュの貧困の世界が広がる。一方で、厳格な回教の教えのもとで、貧困層の女性には自立する機会が与えられず、女性への暴力が跋扈する社会。このなかで、貧困の解決と女性の自立とを目指し、ユヌスはマイクロクレジットを構想する。
眉唾と見ることは簡単なのだが、本書を通じてユヌスに見出せるその人間性は、経験主義と実践する力、ジンテーゼを構想する知性、Personal Missionを自覚した者が特有に持つ自己ドライブの力といえよう。
特に、「第一級の知性と言えるか否かは、2つの相反する考えを同時に心に抱きながら、なおかつ思考を機能させる能力を持ち続けることができるかどうかで決まる」というスコット・フィッツジェラルドの言葉のとおり、その執拗なまでの思考と知性とをもって、解決困難として放置されてきた問題に対する少なくとも一つの解を見出し・実行した点は、高く評価されるべきなのだろう。
また、マイクロクレジットが、あくまでビジネスモデルとして構想されていく過程は興味深い。
美しい理論の視点から現実を切り捨てることは容易であり、学歴が高まるほどにこの性向には勝ち難い。しかし、ユヌスが見せたように、理論の象牙の塔に留まり現実に身を投じることなくしてはジンテーゼは生み出せない。斯様に当然のことを改めて強く認識する機会を、本書は提供する。