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紙の本
映画もいいけど、小説もね
2001/06/11 15:18
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ロボ - この投稿者のレビュー一覧を見る
阿部真理子さんのポップな表紙。「ハズレなし!」との大胆な帯のコピー。さあ、いやな予感のした方、そのとおりです。へたなハリウッド映画よりもアメリカ的なジェットコースター小説家のトニー・ケントリックです。トニー・ケントリックのデビューとその時代、60〜70年代のアメリカでの映画とミステリの関係は、この著者の「リリアンと悪党ども」(角川文庫)の解説にて、小森収さんが詳しいのでそちらをみていただくとして。
意表をつかれるイントロ、予想もつかない展開、派手なアクション、仲の悪い主人公たちだけど、憎まれ口を叩き合いながらも一緒にいる内に芽生えていくロマンス、悪役との息詰まるやり取り、舞台を支えてリアリティを深め、その上で本筋のストーリーにまで口をだす脇役たち、そして、やっぱりそうだよねの大団円。映画が小説から奪ったお客を小説に引き戻す、その映画的創作手法の出来映えには感嘆するばかり。
ぜひ、本作を手にとって、一ページ目を読んで欲しい。一気に最終ページの最後の一行まで、読みきってしまいたくなることまちがいなしなんですから。小市民な生活を過ごす主人公たちが、ある日なんの因果かとんでもない事件に巻き込まれるコミカルでハートフルなクライムストーリー。本作の主人公は若き弁護士ベレッカー、そしてパートナーには元妻兼秘書のアニー。翻訳家には、「将軍の娘」ネルソン・デミルも「推定無罪」スコット・トゥローも手がける上田公子。文章からこぼれ出すユーモアをも見事に訳しきるその力量、どうぞご一読をとお薦めします。