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- カテゴリ:小学生
- 発売日:1997/12/01
- 出版社: 金の星社
- サイズ:20cm/253p
- 利用対象:小学生
- ISBN:4-323-02527-0
紙の本
ハッピーバースデー 命かがやく瞬間 (ときめき文学館)
「おまえ、生まれてこなきゃよかったよな。」 11歳の誕生日、ママと兄のひと言から、あすかは声をなくしてしまう。祖父母の愛と自然の中で回復したあすかは「自分は自分として生き...
ハッピーバースデー 命かがやく瞬間 (ときめき文学館)
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商品説明
「おまえ、生まれてこなきゃよかったよな。」 11歳の誕生日、ママと兄のひと言から、あすかは声をなくしてしまう。祖父母の愛と自然の中で回復したあすかは「自分は自分として生きる」と強く心にちかった。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
青木 和雄
- 略歴
- 〈青木和雄〉1930年横浜市生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。小学校校長などを経て、教育カウンセラー、法務省人権擁護委員・保護司。著書に「ハートボイス」がある。
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紙の本
感動です!!
2005/10/10 14:46
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:未来 - この投稿者のレビュー一覧を見る
中学三年のときこの本を読んで涙が止まりませんでした。母親に「生まれてこなければ良かった」なんていわれたらどうしたらよいのかわかりません。そんな状況の中声のでなくなってしまったあすか。自分で受け入れられなかったのでしょう。しかし、周りの人と触れ合う事により徐々に明るくなっていきます。人に拒絶されるのは表面では平気を装っていても心はすごく傷つきます。その心の傷を癒すのは周りの人たちであろうと思います。人に認められて初めて「自分は駄目ではない」と思えるのだと思います。折角生まれてきたのだから「良かった」と思いたいですね。最後には母親も過ちに気付き自分の子どもを受け入れられる様になります。今思うと母親も精神的にきつかったのではないかと思います。
最近この本の表紙が変わってまた出版されました。私は、妹の読書感想文にこの本を薦めました。でも、まだ小学生の妹にはこの事はしっかり理解できていないように感じました。
紙の本
いいです!ぜひ!読んでください。
2002/06/03 20:37
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ユウ - この投稿者のレビュー一覧を見る
主人公のあすかは、お母さんからひどい言葉をなげかけられているうちに、声がでなくなってしまい、祖父、祖母のもとで暮らし始めます。やがてその優しい暮らしの中で、あすかは声を取り戻し…
今、虐待などの問題をテーマにした作品は数多くあると思いますが、その中でもこれはお勧めです。あすかは初め、「自分は生まれてこなければ良かった」と、自分を責め続けて声まででなくなってしまいますが、おじいさん、おばあさんと一緒に暮らすうちに、どんどんたくましく成長していきます。声が戻り、再び学校にいけるようになってからは友達を助けたり、先生に意見したりするとてもすごい少女となって、活躍します。お母さんと、そしてお父さんとわかりあえるまでのあすかの成長物語です。どうか一度、よんでみてください。
紙の本
少女の成長物語
2021/11/30 21:58
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ao - この投稿者のレビュー一覧を見る
母親との確執で心に傷を負い声が出なくなった少女が、祖父母の下で心を癒し、やがて学校の問題に立ち向かうほど強い少女になる物語です。
小説の中で私が一番好きな作品です。文庫本・単行本・コミカライズ全部買いました。
初めてこの作品を知った時は、正直「自分の苦しみが人に伝わりやすい形で現れるなんて羨ましいな」と思ってしまったのですが、今は後半で見せる主人公の強い姿に、私も今の困難を乗り越えた暁にはこんな勇気ある人間になれたらなぁと思っています。
紙の本
最後は希望に
2022/01/16 15:09
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:BB - この投稿者のレビュー一覧を見る
児童書だが、思春期にさしかかる子どもに読ませるのがいいのかどうか、悩んでしまうようなつらい出だし。親が説明しながら読み進めたほうがいいのでは…とも思うが、子どもはちゃんと読んで自分なりに理解できるのだろう。最後は希望がある。
子どもに読ませ切りにするのではなく、親も一緒に読んでほしい。
紙の本
言葉による「存在の否定」という児童虐待で、失語症となり自分の首をしめつづけた少女。カウンセラーが書いた実話に基づく本書は、児童書として異例のロングセラー。第44回課題図書。
2002/07/30 22:17
4人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:中村びわ(JPIC読書アドバイザー) - この投稿者のレビュー一覧を見る
何年か前、この本の広報を担当している方に会ってお話を伺ったことがある。ふつう読書感想文コンクールの課題図書に選ばれれば、かなりのセールスは見込めるが、この本の場合、当初からそれを上回る動きを示していたという。
書店で買っていく人は、子どもというよりも(そりゃそうだ。子どもなら感想文を書くという目的以外、わざわざこの種の暗い内容のものを買っていくとは思えない)子育て中の親や教育関係者ばかり。そういった人たちの間で口コミによる大きな広がりを見せ、意外なベストセラーになったというのである。課題図書のシーズンが終り年が変わっても売れつづけ、あちこちの媒体でも話題となり、アニメ映画にもなった。
児童書マーケットというのはロングセラーに支えられているものだが、地味なこの本も、息の長い1冊として読み継がれている。
作者の青木和雄氏は、横浜市教育委員会でいじめに関する教師や親子のカウンセリングに当たっている方だが、本書につづき何冊か著作が刊行された。児童文学者が取材の上で憶測も交えて作る話とちがって、カウンセリングの現場で相談や指導に当たっている人が書いた話だという点が、多くの読者をつかんだ大きな要因であろう。
実際ここに書かれたエピソードには胸を突かれる思いがする。
「おまえ、生まれてこなきゃよかったよな」というショッキングなセリフで物語は始まる。誕生日を迎え11歳になったばかりのあすかに、兄が投げかけたナイフのような言葉だ。兄妹は母親の遅い帰宅を待っていた。父親は単身赴任中である。
「ママはさ、おまえの誕生日のことなんか、すっかり忘れてるよ」と兄の攻撃はつづく。確かに母親はあすかの存在を忘れているようなときがある。兄が言うには、成績の悪いあすかのことを「生まなきゃよかった」と言っていたそうだ。
泣きながら寝入ったあすかが夜中に目を覚ますと、母と兄の話し声が聞こえ、やはり誕生日を忘れられていたことが分かる。さらに「生まなきゃよかったなあ」という母親の生の言葉が飛び込んでくる。
翌日、国語の時間にあすかは自分の声が出なくなったことを知る。心を切りつけられたあすかは母の実家に預けられ、祖父母の豊かな愛情に包まれて徐々に自分を取り戻し始める。何とか家に戻れるまでに回復するが、問題はあすか本人だけではなく、彼女を心から愛せない母親にあった。さらに、いじめにあっているクラスメートのことも気がかりの種であった。
作者あとがきには、教育相談に当たった言葉をなくした少女ののどの紫色の固いしこりのことが書かれている。母親が少女を否定する言葉を口にするたび、少女は自分ののどをつまんでいたという。「存在の否定」という精神的虐待だ。
カウンセリングの過程で、その母親には、何事にもひいでた姉と比較されて育ったという成育歴があることがわかったそうである。児童虐待のトラウマを描いた小説としては、天童荒太『永遠の仔』が記憶に新しい。この小学上級〜中学生向けの本は、それに先立って出版された。
私もときどき子どもに「きつすぎたな」と反省するような言葉を投げてしまうことがある。しゃくり上げて泣く姿がかわいいから、「少し泣かせてやれ」という気持ちのときもある。虐待という悪魔は、どの人間のこころにも大なり小なり巣食っているのだ。