「honto 本の通販ストア」サービス終了及び外部通販ストア連携開始のお知らせ
詳細はこちらをご確認ください。
このセットに含まれる商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
関連キーワード
あわせて読みたい本
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
この著者・アーティストの他の商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
紙の本
意外と単純なのに驚きました
2002/06/13 05:08
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ピエロ - この投稿者のレビュー一覧を見る
マイクル・イネスの第二長編で、1937年の作品。
貴族の邸宅で上演された素人芝居の最中に、舞台の上でおきた殺人。殺されたのは政府の要人で、機密文書を保管していたことからスパイの暗躍の疑いもある。首相直々の命を受けて、スコットランド・ヤードのジョン・アプルビイ警部が捜査に乗り出すが、さらに事件がおきて、不可解さを増していく…。
登場人物がかなり多く、前半では「誰だっけ?」と登場人物一覧をめくり返して確認しなおし、ということが何回もありました。さらにこの連中がシェイクスピアの「ハムレット」を演じているのだから始末が悪い。キャスト一覧もついているのですが、ますます混乱してしまいます。
全編を「シェイクスピア」「ハムレット」という主題が覆っているので、よく理解している人にはいいのかもしれませんが、私のように何となく内容を覚えている程度の人には、いまひとつピンときませんでした。
読み終わってみれば、事件の謎も犯人も意外に単純でアッサリとしていました。こんな単純なことをここまで複雑にした著者の筆力に感心すべきなのか、あきれ返るべきなのか。
蘊蓄を一つ。この作品にジャーヴァス・クリスピンという名の人物が登場します。オヤッと思った人、いませんか? 解説によると、1944年にデビューしたミステリ作家のペンネームとシリーズ探偵の名前はここからとられたのだそうです。もうわかりましたよね? わからない人は、もっともっとミステリを読みましょう。『愛は血を流して横たわる』とか『白鳥の歌』とかをね。