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商品説明
1995年3月20日、それは何の変哲もない朝だった。変装した5人の男が、傘の先を奇妙な液体の入ったビニールに突き立てるまでは…。村上春樹が追う、地下鉄サリン事件。【「TRC MARC」の商品解説】
村上春樹が追う、地下鉄サリン事件。
迫真のノンフィクション、書き下ろし。
1995年3月20日、晴れ上がった初春の朝。まだ風は冷たく、道を行く人々はコートを着ている。昨日は日曜日、明日は春分の日でおやすみ──連休の谷間だ。あるいはあなたは「できたら今日くらいは休みたかったな」と考えているかもしれない。でも残念ながら休みはとれなかった。
あなたはいつもの時間に目を覚まし、洋服を着て駅に向かう。それは何の変哲もない朝だった。見分けのつかない、人生の中の一日だ……。
変装した五人の男たちが、グラインダーで尖らせた傘の先を、奇妙な液体の入ったビニールパックに突き立てるまでは……。【商品解説】
著者紹介
村上 春樹
- 略歴
- 〈村上春樹〉1949年生まれ。小説家。「ノルウェイの森」「国境の南、太陽の西」など著書多数。
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紙の本
地下鉄サリン事件被害者へのインタビュー集
2023/06/29 16:33
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:a - この投稿者のレビュー一覧を見る
本の厚さ以上に重い本でした。村上春樹さんがこの本を記してくれて良かったと思いました。読まなければ、知らないままでいてしまったことが多くありました。
紙の本
事件記録としての価値を増す談話取材集
2021/06/07 10:54
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:719h - この投稿者のレビュー一覧を見る
かの事件は、全容の解明からはほど遠い
状態のまま、忘れ去られようとしています。
容疑者の死刑執行を持って、
司法の場での解明に終止符が
打たれてしまった現在、
あの時何が起きたのかを断片的にでも知る為の
よすがとしてのこの作品の値打ちは、今後とも、
いや増すばかりでしょう。
紙の本
もうひとつの物語
2001/02/18 23:16
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:オリオン - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書に収められたエッセイ「目じるしのない悪夢」の中で村上春樹は、『アンダーグラウンド』執筆の動機を三つあげている。その第一は、「一九九五年三月二◯日の朝に、東京の地下でほんとうに何が起こったのか」を知ること。その第二は、日本という「場のありかた」や日本人という「意識のありかた」を知ること。その第三は、村上自身が作り出した「やみくろ」という生き物がもたらす恐怖と地下鉄サリン事件がもたらしたそれとがつながっていたこと。そしてこれらすべてにかかわってくるのが、「もうひとつの物語」という観念である。
《言い方は極端かもしれないけれど、この事件は結局は四コマ漫画的な「笑い話」として、ビザールな犯罪ゴシップとして、もしくは世代別にプロセスされた「都市伝説」というかたちをとってしか、意味的に生き残れない状況へと向かいつつあるようにさえ思えるのだ。》
《「オウムは悪だ」というのはた易いだろう。また「悪と正気とは別だ」というのも論理自体としてはた易いだろう。しかしどれだけそれらの論が正面からぶつかりあっても、それによって〈乗合馬車的コンセンサス〉の呪縛を解くのはおそらくむずかしいのではないか。
というのは、それらは既にあらゆる場面で、あらゆる言い方で、利用し尽くされた言葉だからだ。言い換えれば既に制度的になってしまった、手垢にまみれた言葉だからだ。このような制度の枠内にある言葉を使って、制度の枠内にある状況や、固定された情緒を揺さぶり崩していくことは不可能とまではいわずとも、相当な困難を伴う作業であるように私には思えるのだ。
とすれば、私たちが今必要としているのは、おそらく新しい方向からやってきた言葉であり、それらの言葉で語られるまったく新しい物語(物語を浄化するための別の物語)なのだ──ということになるかもしれない。》
《しかしそれに対して、「こちら側」の私たちはいったいどんな有効な物語を持ち出すことができるだろう?(略)
これはかなり大きな命題だ。私は小説家であり、ご存じのように小説家とは「物語」を職業的に語る人種である。だからその命題は、私にとっては大きいという以上のものである。まさに頭の上にぶら下げられた鋭利な剣みたいなものだ。そのことについて私はこれからもずっと、真剣に切実に考え続けていかなくてはならないだろう。そして私自身の「宇宙との交信装置」を作っていかなければならないだろうと思っている。私自身の内なるジャンクと欠損性を、ひとつひとつ切々と突き詰めていかなくてはならないだろうと思っている(こう書いてみてあらためて驚いているのだが、実のところそれこそが、小説家として、長いあいだ私のやろうとしてきたことなのだ!)。》
しかし「もうひとつの物語」(村上の「次の作品」)はまだ書かれていないと思う。──『アンダーグラウンド』(それは神によるヨブたちへのインタビューの試みだったのかもしれない)そして『約束された場所で』(それは作者による登場人物へのインタビューの試みだったのかもしれない)は「もうひとつの物語」ではない。
紙の本
被害者に真摯に向き合う著者
2018/12/08 14:20
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:たまがわ - この投稿者のレビュー一覧を見る
なぜ著者がこの本を書いたのかは、最後の「目じるしのない悪夢」に詳しく書かれている。
そして「はじめに」によれば、
『 しかし私は、事件現場にたまたま居合わせてサリンの何らかの作用を受けた人々であれば、
症状の軽重に拘らず進んで取材し、取材させていただいた人々の話は、
了解さえ取れればひとつ残らず本に収録した。』
とのことだ。
そのような形式の本なので仕方がないことだが、ちょっと分量が多く感じてしまった。
読んでいて飽きてしまったというか…。
この本を読んで何を感じるか、何が印象に残るかは、人それぞれになると思う。
日常生活の中の、ある日に突然、このような事件に巻き込まれてしまった登場人物たち、
その方々に向き合う著者…。
事件があったのが一九九五年三月二〇日、(同じ年の一月一七日に阪神淡路大震災)
この本のインタビューが行われたのが一九九六年一月はじめから、同年一二月の終わりにかけて。
単行本として出版されたのが、一九九七年三月とのことだ。