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商品説明
エリート集団大蔵官僚へのバッシングの嵐が吹き荒れている。しかし批判だけでは何も生まれない。そこで今回、水面下で粘り強くコンタクトをとった結果、三人の大蔵官僚と極秘に接触することに成功…。【「TRC MARC」の商品解説】
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紙の本
大蔵省における優秀さの意味
2002/01/26 16:50
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:黒尾 - この投稿者のレビュー一覧を見る
この本は、大蔵官僚という個人の態度、発言、物の見方を通じて、大蔵省という「場所」の問題点を浮き彫りにしている。
テリー伊藤とのインタビューの中で、まず目につくこれらのフレーズ。「それは珍しくいい質問だね」「その質問は中級以下だね」「それは一見いい質問」。彼らの会話の節節に、こうした「常にトップに位置するためにすぐにランクをつけたがる習慣」が、垣間見られる。また、「大蔵官僚になってるぐらいの人間というのは、そこまで全部見える人間でないといけない。だから、粘土細工をしないでガリ勉しましたなんていう程度ではなれない」といったように「ただのガリ勉ではなくすべてオールマイティだったと自慢したがる癖」。その他にも、「本を5分で読める能力を誇らしげに語る姿」などなど。彼らは確かに優秀かも知れない。けれども、彼らはただ単に分かったような気になってるだけじゃないかと私は思ってしまうのである。
「(大蔵官僚は)論述で聞かれながら1個しかない答えをピタリと書ける人間、それも決められた行数で決められた時間内にピタリと書ける人間でないといけない」、「基本的にわれわれが苦手な部分は予測です。今後どうなるか。いままでの分析は完璧だけども、今後の予測というのは難しい」。われわれは彼らに予測もして欲しいのだ。そうじゃなければ、何のための分析なのか?
彼ら自身が思っている「優秀さ」と、本当に今われわれが彼らに求めている「優秀さ」との間に大きなずれが生じて来ていることが、この本から見えてくる。彼らが答えだと思って疑っていないものが、実は答えでないのだ。まさにそれが、この本が見せてくれた大蔵省という組織の問題点なのである。
けれども、彼らが「優秀」だと思うものに対して、まっすぐに突き進んでいく純粋さを持ち合わせているということも、この本から分かる。果たして、誰が、その誤ったベクトルをきちんとした方向に変えてあげるのだろうか?
紙の本
日本一優秀な人たち
2001/06/05 03:37
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:nomos - この投稿者のレビュー一覧を見る
私がこの本を読んだ当初、私は高校1年だった。面白かった。
これは一つの「物語」だった。優秀で真っ当な人間が、ただそのことによって、日本を動かす存在となれる、という事実。それは圧倒的な全能感だった。
東京大学法学部。
それは私の憧れともなった。と同時に、この本で私は初めて、「東大」を知ったのだ。
その後私は、東大に入った。なぜか理系に進んではいたが。果たしていま現在も尚、この「物語」は通用するのだろうか?
省庁再編に伴い、大蔵省はその名を財務省にかえた。では、その「力」もまた奪われたのだろうか?この「物語」は現代における「神話」に昇華したのか、または、そうなり得るのか? 傍らに存在する東京大学法学部生を横目で見やりつつ、私は軽く自問するのだ。自覚的に自虐的な気分:ルサンチマンに浸りながら。