紙の本
現代劇の源流
2021/02/21 14:37
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投稿者:H2A - この投稿者のレビュー一覧を見る
西欧中心の世界のなかでは近くにありながら、まだ辺境であったノルウェー。舞台はあるひとつの部屋だけで登場人物はほぼ5人だけという簡素な道具立て。そこにイブセンは濃厚な劇を作った。夫の「人形」としてかりそめの愛情を享受するノラは、夫の銀行頭取への就任を喜び贅沢な生活を過ごしている。ノラにはその夫のためにある法的な不正を働いていた。それを知る当事者はノラに夫に便宜を図るように迫り優雅な生活は暗転する。法的に、というのは社会的な規則でそうしたものは男性が作り上げたものである。こうなるときっとノラがきっと悲劇的な最期を迎えて、その社会通念の問題をといかけるといった終末を予想するが、そこは歴史に名を残す劇だけあって、ノラは生きようと「人形の家」を飛び出していく。その決断に共感する人も多いだろう。破局を突き抜けて社会通念の彼岸に辿り着く。ある種のリアリズムといおうか、決断主義にはっとさせられる劇だった。
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時代が変わっても
2022/08/21 18:03
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投稿者:BB - この投稿者のレビュー一覧を見る
近代演劇の名作、イプセンの「人形の家」。保存版として購入。
日本での初演は明治時代なんだそうだ。
そして今も上演が続き、共感を広げる。
時代が変わっても、女性が「人形」のように扱われる現実は余り変わっていないのかもしれない。
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「人形の家」はどこにあるのか
2020/11/10 16:58
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投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る
国語の教科書に必ずそのタイトルは出てくるはずの、あまりに有名な古典。
だから、タイトルは聞いたことがあるはずだし、作者の名前イプセンだって耳にしたことがあるかもしれない。
主人公の名前ノラ、この岩波文庫版ではノーラとなっているが、も、彼女が家を出るストーリーもなんとなく知っている。
でも、ちゃんと読んだことがない人も多いのではないだろうか。
イプセンによって作品が発表されたのは1879年。日本の明治12年にあたる。
これは、三幕の劇で、いわゆる戯曲にあたる。
主な登場人物は、有名な女性ノーラと今度銀行の頭取になることが決まった弁護士でもある夫、ノーラの友人の女性、それとノーラを脅かす男の四人である。
どんな物語か、イプセンが残した「覚え書」がわかりやすい。
「彼女は文書偽造をやった。(中略)夫に対する愛情から、夫の命を救うために彼女はそれをやったのだ。ただこの夫は、常識の目で批判し、法律の側に立って、男性の目でこの情況を判断する」
ノーラはそんな夫に絶望して、家を出ていくのだ。
でも、それはおかしいのではないか。
いくら夫の病気治療のためにお金が必要だからといって、文書偽造はいけないのではないか。まして夫は弁護士ではないか。
しかも彼女はそのことをすっかり忘れていて、幕開けでは夫が頭取に決まって買い物したりハミングしたり浮かれてばかり。
それが悪い男に脅されて、切羽つまって、夫は自分を助けてくれないと、これは八つ当たりではないか。
「人形の家」とはノーラが閉じ込まれていた家ではなく、ノーラの心にあるのがあまりに幼い「人形の家」に思えたのだが。
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近代演劇の名作
2001/03/02 21:34
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投稿者:7777777 - この投稿者のレビュー一覧を見る
ノーラは昔借りた秘密の借金がもとで、夫の部下にクビを取り消すよう脅される。そしてついに夫にそのことがばれてしまう。夫はノーラを責めたてる。しかし、部下は自分のやったことを後悔し、家は元どうりになる。
しかし、元どうりではなかった。ノーラは自分のことを夫の人形なのかしらと思う。
妻は夫の人形ではない、近代演劇の名作。
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ヘルメル「男子はだな、たとえ愛するもののためだといえども、名誉を犠牲にすることはできんのだ!」
ノラ「しかし幾千万の女はそれをしています。」
ここの箇所に当時自分は気に入ったようで線を引いておりました。
とにもかくにも、この小説が書かれた時代背景を知り得ない限り、あまり下手な感想は述べるつもりはございません。
とはいえ、そこまで面白くは感じませんでしたが……
(06/2/16)
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"新しい女性"はここから生まれた!ノラとヘルメルのような関係って実はかたちを変えて今もこの世に潜んでいると思う。
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ゼミの課題書。
南の方(イタリア)へ旅行しないと助からない病とは…?こんなところに疑問が湧いてしまった…。。
何よりもまず自分自身の正体を確かめることの重要性をシンプルに語った本。
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劇の台本のようなかたちで、セリフが書き連ねられ、場面も居間から動かず、淡々と進む物語。私は、女性がこのように男性の都合よく家庭に縛り付けられ、その支配の下で人形のような扱いをうける差別的社会の様子が、あまり実感として得られずに生きているが、それとは別に、この作品から、性の別に関らず自分の足で生きていくことの力強さと孤独とを感じ、またその中で精神が卑屈にも自由にも、また優しくも汚くもなりうることを感じた。また、こんなに互いに疑い合いながら生きて、信頼も裏切りへと簡単に覆ってしまうのでは、心が常に殺伐としているのだろうな、と思い、同時に私自身の生きている世界の狭さを感じた。
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女性の社会進出がどうのとか興味が無いけど、これは普通に読めた。
変にフェミニズムを意識していないところがいい。
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10年ぶり。同窓会で久々に逢う知人は、
それぞれ、様々な人生を送っています。
結婚/離婚、出産/死別。
良いことも悪いことも人それぞれです。
最近、
「離婚した」、もしくは
「離婚しそう」、といった人が、
何人か周りにいます。
どんな理由でそう至るのか、
当事者同士の中で、それぞれ言い分があるのでしょう。
イプセンは、結婚についてこう言っています。
●「結婚とは―諸君が諸君の全精神を注ぎ込まねばならぬことである」
この「人形の家」は、
女性の自覚と解放を取り上げています。
幸せな家庭も、円滑な夫婦仲も、
妻が自己を犠牲にすることで、
成り立っていることもあるようです。
結婚して、妻を掌で扱っていませんか?
そんな気がなくとも、
過剰な気遣いがそんな状況を生みだしていることもあります。
この本を読み、互いの関係を俯瞰してみましょう。
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ゼミの課題書。
南の方(イタリア)へ旅行しないと助からない病とは…?こんなところに疑問が湧いてしまった…。。
何よりもまず自分自身の正体を確かめることの重要性をシンプルに語った本。
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感謝の印も残らない。と医者が言ったのが印象的です。残るのは空席だけで、それはあとから来る他人のものになってしまうんだ。と。
それでもトロルと戦って死んでいく。
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おもしろすぎる。
入り込んでしまい、2時間弱で読破。
最後の20ページは心が
震えたいうか、
とてつもない感情が自分の中に生まれて、
チクチク痛かった。
男性主体社会では夫婦関係は「愛」にならず、
それは「保護者」と「人形」になってしまう。
その要因は簡単なもので、
自分の実存確認、内省を行わないことになる。
というか、従属できて、それで生活できてしまうんだから必要がなくなる。
結果、相手からの影響は感化ではなく洗脳になってしまう。
うーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。
社会とかシステムって人間を壊すよね。まさしく。
「法律は動機のいかんを問わんものです」
「若いうちに堕落する人間は、まずたいてい、その母親が嘘つきだ」
「けれどもね、心から愛する人と、会って話するのが好きな人とありますわ」
「あけすけに話をする必要があります。ごまかしや上塗りでは、とてもとてもあの上やってゆけるものではありません」
「あなた方はわたしを愛していらっしゃったのではありません。わたしを夢中に甘やかしているのが、いい楽しみだったのです」
「パパはわたしを自分の人形と呼びました。そうしてわたしと遊びました。ちょうどわたしが自分の人形をおもちゃにするような風に。」
「わたしはあなたの前で芸当をして生きておりました。しかもあなたはそれをお好みでしたわね。あなたとパパと、お二人とも、私に対してふかい罪をおつくりになった。あなた方のお陰で、わたしはこんなからっぽの女になりました」
「わたしには子供を教育する勤めを果たすだけの力がございません。その以前にわたしが果たさなければならない、ほかの勤めがあります。わたしはまず自分を教育しなくてはなりません。しかも、あなたはそれを助けてくださるお人ではございません。わたしは独力でいたさなくてはなりません」
「今となっては、世間の言うことだの本に書いてあることだのは、わたし標準とはいたしません」
「私が正しいか、社会が正しいか、窮めなくてはなりません」
「あなたの心配の一滴でもいいから飲ませてほしいのです。でもそれをおねがいすると、あなたはいつも軽い冗談にしてしりぞけておしまいになりました。あなたはわたしをちょうど人形のように教育なさいました。あなたは子供を相手にして遊ぶように、わたしを相手にお遊びになりました。わたしは苦しみを担うことができたらどんなに嬉しかったでしょう。私は嵐のように吹きすさんで高めてくれるものを、心からあこがれていました」
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ストーリーを一言で表すと、「The 逆ギレ」。
弁護士の妻ノラは、夫のヘルメルから小鳥のように愛され、幸せに暮らしていた。しかし以前ヘルメルが病気の際、彼の命を救うためノラは父の署名を偽造して借金をしていた。その事実を知ったヘルメルはノラを罵り、ノラは自分が人形のように愛されていたこと、人間として扱われていなかったことを知る。人間として生きたいと考えたノラは3人の子供も捨てて家を出る。
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イプセンの『人形の家』といえば、女性解放、女性自立を謳った作品というイメージが強く印象づけられているのではないかと思います。
それはそれとしての認識だと思いますが、それだけの作品だと考えるのはイプセンの思いからすれば非常に狭い解釈になってしまうのだと感じます。
『人形の家』は...
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