著者である久世光彦さんに興味を持ったのは、川上弘美さんが日経新聞によせた追悼記事(2006年3月4日付け)を読んだ時。「時間ですよ」も、「寺内貫太郎一家」も、見た記憶はない。だけど、川上弘美さんの文章から想像する久世さんは、久世さんの文章は、心にすっと沈み込んでいきそうで、著書を探した。辿りついた本書。久世さんが向田邦子さんに想いをよせて綴った文章だという。向田さんといえば、表紙のモノクロームの写真の中でお気に入りのコーディネートで魅力的に微笑む「向田邦子の恋文」で、実らなかった恋に一所懸命だった姿を知った。その邦子さんに、指一本「触れもせで」、だが、久世さんが深い感情をもっていたという。向田…
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